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見極め

「さて、みなさん待ちに待った魔法の授業の一回目を始めますよ!魔法石は持て来ましたか?」

『ハ―――イ』生徒たちは口々に答え、それぞれの魔法石を取り出す。

杖にはめ込んであるもの、指輪、ネックレスなど様々な者に魔法石をはめ込んであるようだ。

「さてね、残念だけど、今日は魔法そのものは教えません。」

『え~~~~???』みんなが、がっかりして先生を見る。

「次からやるからね。それまでガマン!今日は魔法とは何なのか?についてお話します。」

先生は、本を片手に話し出した。


魔法と言うのは、いろいろなことができるのは知ってますね?

皆さんの家にあるライター。あれも魔法の力を使っていますね。

あのように、機械を使って魔法を使うものもありますが、これから皆さんが学ぶのは、自分の力を使って魔法を起こすものです。

しかし、皆さんが学ぶ魔法も実はライターと同じことをするだけなのです。

ん?ちょっと意味が分からないかな?えっとね、簡単に言うと、魔法は空気にある力、いわゆる精霊力と言われるものですね?

この力を動かすことによって起こしているわけです。ライターは、この力の中の火の力、これを一か所に集中させることで火を起こしているのです。

これと同じように、皆さんも火の力を一か所に集めることで火を起こす魔法を使うことができるのです。わかりましたか?

さて、その精霊力を動かす時に使う力、それが魔力です。

皆さんの体の中、まあ厳密に言えば体の回りなんですけどね、そこには魔力が満ちています。

ですが、皆さんの力では魔力をコントロールすることはできません。たまーに魔力を自分で操れる特殊な人もいるんですけどね。

そして、その操って集めた魔力を解き放つことによって精霊力をコントロールするのです。まあ、その方法をこれから学んでいくのですが、とりあえず魔力をどうにかして集めないといけないのです。

そこで使うのが精霊石です。皆さんの手元にありますね?その精霊石には、周りの魔力を集める力があります。

石によってどのくらい集めれるかは様々ですが、まあ子供の内はそんなに魔力を使う魔法なんて使えませんからどんな石でも大丈夫でしょう。

とにかく、精霊石がないと魔法を使えないのが分かりましたか?...はい、そうです。

ですからこれからの授業で忘れてはいけませんよ?


さて、では一つ魔力についてお話ししましょう。

皆さんの周りには魔力があると言いましたね?

そう、皆さんも知っている通り、精霊力には火、水、風、地、精、木の6つがあります。

魔力にも種類があって、同じようにこの6種類に分かれているのです。

皆さんの周りにある魔力の量は、実は人それぞれによって違うのです。

ですから、人それぞれ火の魔法が得意だったり水の魔法が得意だったりそれぞれ個性があるわけです。

ん?質問ですか?......ふむ、光と闇の属性についてですか?なかなかいい質問ですね。

実は、光と闇は少し特殊な属性です。光と言うのは先ほど言った6つの属性をすべて合成した時に現れる属性です。

すべての力を併せ持つ属性、ですからとても強力な魔法を編み出せるのですね。

一方、闇の属性は無、つまり何もないところから力を編み出すことにより得られる属性です。

ん~、みんなには少し難しいかな?きっと、しばらくするとわかってくるはずです。それまでしっかり勉強しましょうね。

とにかく、光と闇の魔法を扱うには強大な力がいるのです。皆さんも努力すればいつか使えるようになるはずですよ。

まあ、生まれつき光の属性にたけている人、つまりは全属性の魔力を多く持ち合わせている人のことね、そして闇の属性にたけている人、この人は魔力は少ないけど、無から力を併せ持つ力を持っているの、生まれつきね。そういうひともいて、たいてい学年に2人くらいいるわね。

~キーンコーンカーンコーン~

「あら、もうこんな時間ね。とりあえず魔法を学んでいく中で大切なのはコツをつかむこと。魔法式とか魔方陣形成方程式とか、少し難しいことも勉強するけど、慣れれば簡単よ。みんな頑張ってね!」


...僕はお父さんと何度も練習してきたから、きっと大丈夫!

エミットは、そう言い聞かせて自分を落ち着かせた。



そんな中サブは、

(こいつ、もしかして無意識に魔術を使っているのかもな)そんなことを考えていた。

さっきから、彼の体から微弱ながら魔力の放出を感じる。

何か魔法を形成でもしているのかと思ったが、そうでもなさそうだ。一体エミットは何をしているのやら...

「では始めるぞ?」

「はい!」エミットは元気に答えた。

まあ、実力を見せてもらうか。サブはそう思った。

「じゃあ、まず基礎魔方陣を形成してくれ。」

「・・・」エミットは何も言わずに手を前に突き出した。「これでいいですか?」

「ふむ、無言で形成できるのか。」エミットの手の上には、丸い魔方陣が浮かんでいた。

「それでは、火の魔法から行こうか。フレイムを実行してみてくれ。」

オラル(ささやかなる)フェミナス(ほのおの精霊よ) セルラ(ここを)セルトラ(もやせ)」エミットはつぶやくと、魔方陣が赤く光り火柱がサブのほうへ飛んでいく。

しかし、サブの近くまで火柱は届かず、サブの周囲でかき消されたかのように消え去った。どうやら結界が張られているらしい。

(さすがに、魔法の展開は無言ではできないか)

「では、次は水だ.....」

サブとエミットの試験は続いた。


「さて、これで六属性終わりだな。」

「ですね!」エミットは疲れたそぶりも見せず、返事をした。

(ふむ、案外成績は普通だな)サブは手元の端末を操作しながら言った。

「さてと、ここからはできなければ出来ないと言ってもらっていい。」

「?」エミットは首を傾げた。

「魔力を使わずに、魔方陣を形成できるか?闇軸ってやつだ。」

「???」エミットは首を傾げた。学校でもお父さんからも習ったことがない。

「できません。」エミットは素直に答えた。

「ふむ、では全属性を合成して、光を起こせるか?」

「こう...ですか?」エミットは手を上に向けて、手のひらに光球を出して見せた。

(...!無言で光を合成したのか。こいつぁもしかして)

「ふむ、では光の魔法の内、何か起こせるものはあるか?」

「えっと、じゃあ...」エミットはつぶやくと、

レリトラル(おおいなる)フェルウェルス(すべての力よ) ナモラ(私たちを)ゴルウォルナ(強く癒せ)!」と叫んだ。

すると、部屋中に光が一瞬充満し、はじけ飛んだ。辺りにはキラキラとはじけ飛んだ光の鱗片が舞い降りている。

「ちょ、レリトラル(おおいなる)って...それ、上級魔法だろ?よくんなもん使えるな...」ツーッと、自分の頬に汗が流れるのが分かる。

(キュアの応用したものかな...おそらく浄化系のものだろうが、すさまじい威力だな。観測値だと、魔力の解放量は少ないし、魔法石を上級のものに変えたらとんでもないものができそうだな...)

自然と冷や汗をかきながら、サブは次の試験へと移った。

「え...っと、じゃ、じゃあ、次はモンスターを召喚するから、とりあえず戦ってみてくれ。弱いものだし、いざという時には俺が倒しに入るから安心してくれ。」

試験は夕方まで続いた。

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