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おしまい。
「やっと、見えた」
「私も。見えるよ、君の姿」
男と女が二人で大きな木の下で立っている。
「お疲れ様」女がほほ笑みながら言った。
「いや、遅くなっちゃった」男は頭をかきながら笑った。
夕焼けの空に数羽の鳥が飛んでいる。
木は葉を存分に広げ、夜に備えて光を吸収しているようだ。
男は右手を天に向かって突き出した。
『僕は君の運命を...』
その声を聴いた女は、少しうつむいて男の方へ一歩近づいた。
突き出した手からは一筋の光が飛び出し、時間を超えて辺りを照らした。
二人は何も言わずにうなずき合った。
オレンジ色に染まった空が人々を照らす。
明るいその笑顔はどこを見つめているのだろうか。
(それが僕の望んだ世界なのだから)
初めまして。KKSと申します。
言語力も文章力もないのですが、昔から自分の中にあった物語を一つ、書いてみようと思います。
どれだけの更新頻度になるかすら解りませんが、飽きるまでは続けようと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。