到着
狼は階段を降りるように地面についた。
目の前には大きな大きな美しいお城が建っていた。あまりにも大きく、美しい城に開いた口がふさがらない。
「みんな着いたよ。降りれる子は勝手に降りてもいいけど、順番に下ろしてくよ」
と男の人は言った。
その言葉を聞いたとき、クウは、ハッとして、空いていた口を閉じた。
4、5人の生徒は自分で降りていたが、狼は、地上4メートルほどあるので、着地をするときにバランスを崩している人が2人ほどいた。
「"スカイウィンダム" "スカイウィンダム" "スカイウィンダム" "スカイウィンダム"」
と、男は唱えた。
すると狼の背中に乗っていた生徒全員の体が浮いて、地上へと降ろされた。
男の人は、ストン。と狼から降りると
「"サイド" "サイド" "サイド" "サイド"」
と唱えた。すると今度は、いろいろなカバンやリュックサックなどが現れた。
「さあ、自分の荷物を持って行ってね。持った人から僕についてきて。遅い人は置いてくよ。」
と言ったあと、何か小さな声で何かをつぶやいていた。すると、あの大きな狼は、大型犬ほどの大きさになった。
クウは必死に自分の荷物を探し、置いてかれないよう必死だった。