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ロストアース戦記  作者: 秋島ミツ
異世界
2/15

2.合法ロリ神

「イヤだ〜!もうコッチこないでよ!それに僕はこれでも男の娘とかじゃないよ!一応は女神なんだ!女の子なんだよ!」


「…なんだ、そうなのか」


残念そうな表情を浮かべると自称神のロリータは少し落ち着いた様子を見せていた。


「そうだよ!残念だったね、ホッとしたよ」


「そうか…クックックそれならそれで良し!合法ロリじゃあ〜!フハハハ、ふ〜○子ちゃぁん!」


とその刹那、雷が落ちてきた。


「ほベベ!」


「まったく!話も聞かずに襲いかかられちゃ困るよ!」


俺の身体からはプスプスと白く煙が上がっていた。

何やらおかしい、妙に痛いし、年の離れた姉が見ていた昔のアニメの主人公のようだ。雷を打たれても死なないなんて夢みたいだっちゃ。


「イヤ〜、ちょっと興奮し過ぎちゃったみたいで、面目無いです。しかしホントに神様なんですねぇ」


「そうだよ!敬うべき存在だよ!」


少し得意気に話す神は何処かほのぼのとした空気をまとっていた。

うーん、なんだろうこの生き物はとても可愛らしい生き物に視える。


「しかし、愛らしい姿、神と呼ぶには相応しいですな!」


「なんか、馬鹿にしてない?」


「そんなことは無いですぞ!あなたの愛くるしさは神がかっておりますぞ!」


「なんなの、そのムッ○みたいな話し方」


「この話し方が俺にとっては最高に(へりくだ)っているのですぞ!」


「そ、そうなのかい?」


「そうですぞ!それで神たんは何の用で俺のような者を呼んだのですか?」


「神たんって…僕の名前はケイオス神、混沌と無秩序の神の生まれ変わりさ」


「分かりました。ケイオス様ですな!」


はぁ〜、ケイオスたんケイオスたんケイオスたんケイオスたんケイオスたんケイオスたんケイオスたんケイオスたん



「それでまぁ、今回呼んだのは今困った問題があるからなんだけど、って心の中で名前を連呼しないでよ!話が進まないよ!」


「ケイオス様とずっとここで暮らすのも悪くはありませんな」


「なんだかゾッとしない話だね」


ケイオスと名乗る幼女は顔をしかめ、侮蔑の表情を浮かべていた。

普通なら慌てるような場面であっても、妙に心地がイイ。

むしろこの視線は気持ちが良いものだった。


「あぁ、その蔑んだ目、ゾクゾクしますぞう!」


「しょうがない話が進まないし、その欲望、何割か封印しとかないとね」


先程まで俺の近くにいることを拒んでいたケイオスたんは何故か急接近してきましたぞ。


「座って?大人しくしててくれたら良い物をあげるよ」


俺はその場に胡座をかく形で座り込みます。


するとケイオスたんは顔を近くに寄せてきましたぞ!なんと可愛らしい生き物である事か!神様!生きててえがったー!


額と額とが触れ合う距離までまいりました。


「初めてなんだけど…吸いとってあげるよ」


初めてってケイオスたん!ドキがムネムネですぞー!


欲望吸引(ラストドレイン)!」


…。


………。


ふぅ、なんだガキじゃねえか

何で俺はこんなのに欲情してたんだ?


…。


………。


「初めてだけど、上手くいったみたいだね?人間が僕の近くに来ると何故だか錯乱し出しちゃうんだよねぇ…だから精神体の君を神の間に呼び込んだワケなんだけど、適合者故に神の力に影響を受けやすいのかな?」


……………。


「ねぇ、なんでさっきから静かなの?ねぇってば!?」


「うふふ、ふぅふぅふぅ、ようじょー!!」


「うーん段々壊れてきてるねぇ、精神体であってもあまり長居すると保たないんだね、仕方ない」


何やらカバンから輪っかのような物を取り出したでござる。


「ねぇねぇ、ちょっとこれを腕にハメてくれないかい?」


「なんでござる?拙者幼女の言うことならなんでもきくでござるよ」


手首に腕輪をされたでござる、これは…。


「ぱんぱかぱーん!まどうせいぎょそうちーー!!」


「これで君の煩悩と混乱状態は解除され続けるよ、更に様々な自身に対して攻撃的な魔法云々の効果も減少するのがポイントだよ!そして更に更に!魔導制御装置の恩恵で蓄えられたエネルギーは君の魔力として変換、身体に供給され続ける仕組みさ!」


………。


「嫌に静かだね。ま、まさか」


…………。


うーん、アレ?さっきまでの妙な気持ちがスッと消えてしまった。

なぜあんな感情をこんなちんちくりんに持ってしまったのか。

どうせならボインが良いところだった。


「正直助かった!思わずR指定に引っかかるところだったぜ☆」


「何がだぜ☆、だよ。ひっかけ過ぎだよホント」


「それで?何か用があったんだろ?早く言えよ?」


「最初からそういう態度ならよかったのに…」


「要件を言え要件を」


「そうだね、君を呼んだ理由って言うのは、この世界を守ってもらいたいということなんだ」


「守るって?それは神の力でどうこうするもんじゃないのか?」


「神さまはいるんだけどね、現世ではあんまり活動したことないし、人間の世界は人間が守るべきなんだよ、多大に干渉すべきではないというのが天界でのマナーなもんでさぁ」


「それで、世界を守るの?守らないの?」


「守らない」


「ずいぶんと早い回答だね」


少しだけ間を置き言われた。


「なんでさ?神に選ばれし者だよ?魔法だって使えるし良いことづくめだよ?」


さも当然のように話が発展するであろうと考えてるあたりまだまだ甘い。


物語の主人公のようにハイわかりましたなんて物分りの良い人間なんて限られたもんだ。


「俺以外に適任者は居ないのか?」


多分居ないのだろうけど


「まぁ、居ないワケではないんだけどさぁ〜、長い間待たないといけないからね」


新たな適任者の発生を待つのが憚られるのか、濁すような言い方をする。


「そう、君が考えてる通りさ。待てない事情があるのさ」


どんな事情にせよ、代わりが居ないなんてコトは、たいていの人間は遠慮するような内容だろ。


それにもう俺の人生は終わったようなもんだ。何せ性癖を俺の意志で無いにしろ暴露されたばかりだ。

コレからの事など正直もうどうでも良いのだった。


世界のことなんて知らない、救うとか断然無理無理カタツムリ。


「代わりがいるんならそいつに頼むんだな」


「そんなぁ、あと千年近くも待てないんだよ!」


自称、もとい神様は今にも泣きそうな声で懇願する。


ん?今変なコト言ったよね、この子


「千年待てないとか言ったな。それは千年後まで俺の代わりが現れないということか?」


コクリと頷く。


「じゃあな、元気で」


俺は手を振りながら明後日の方向へと歩き出した。


「わー!待って!待って待ってよ!見事この世界を守り切ったら、何か願い事を叶えてあげるからさあ!」


なんと、世界を守る代わりに願いを叶えてくれると言う。


「神様の頼みをきくと願い事が叶うなんて有りがちな展開だしありっちゃありなんだが、実際には到底無理な事をさせる生け贄みたいなもんじゃないのか?」


そう否定すると神は俯き加減で答える。


「実際のところは危険はあるかもしれないけど、僕等は僕等で適合者には出来うる限りのサポート体制を用意するつもりだよ」


ふむ、その話が本当ならばリスクは低いのかもしれない。


整理しよう。

千年単位で訪れる世界の危機

それを何とかする人物が必要だと

それが俺なワケだ。

俺が何もしなくとも危機なわけであるから下手すれば、世界は崩壊、どうなるかは分からんが、死者も大勢

出るだろう。俺も含めて危ないかもしれん。


仮に世界の危機に対して何か事を起こせばそれは神を手伝う事になる。人類史に残る所業だ。

尚且つ成功報酬は何でも有りだ。

多分、相手は神様だし、大抵の無茶は通るハズ。

しかも、サポート付き


………。


「その話乗った」


ケイオス神はその言葉を待っていたとばかりに手を握ってピョンピョンと跳ねていた。


「ありがとう!本当にありがとう!実は人間に頼むのが一番手こずるんだよ。皆何かしら欲を持ってるからね。適合者の数も少ないし、成り手がすごく少ないんだ。」


「少ないって事は何人かは居るってことか?」


「本当の事を言うと何人も向こうの世界に送り込んではいるんだ。でも、あまり状況は良いとは言えない状況なんだ」


「具体的にはナニしたら良いんよナニしたら」


「まぁ、一つの世界では数々の命が生まれて数々の命が失われているわけなんだけどそれは君の現実でも例外じゃないよね」


「まぁそれは分かる」


「ただその命の数っていうのはめぐりめぐってるわけだ


「ふんふん」


「君のいる世界で生まれた命が死んだ時またその世界で生まれ変わるって教えがあるよね」

「輪廻転生とかあれ??」


「そう、でもあれ違うからね、もっと大きい次元で行われてるからね」

「どういうことなの黒岩センセ!」


「変な合いの手いらないから、それでね無数の異世界へのゲートを通じて他の世界に魂が通っていって生まれ変わるわけだ。君たちの世界でもパイロキネシス、サイコキネシス何かの超能力ってあるじゃない?あれって異世界で死んだ人の色濃く残った名残なんだよ」

「ほーんそれで何が問題なん??」


「それ自体は問題ないんだけどね。今の君の世界っていっぱい命が生まれていっぱい命が失われてるじゃん?」

「まぁ?そうなのかね」


「でまぁ他にもいろんな世界があるわけなんだけど、まず今の現状でこの世界の魂のキャパってほとんどないんだよ。満タン近い。その現状で君の世界にやって来る魂も少しづつだけど他の世界に回しているんだよ。サブの通り道を細々とつなげてね」


「そのサブだかマサだかがを増やせばいいだけじゃないの?」

「それが限界まで来てるって話、今の君の世界は死なな過ぎなんだよ。ウィルスだなんだのと僕たちの思惑を外れて進化しすぎちゃってこの文明は残すべきッて判断が僕ら神々の見解なのだけど最近ようやく人口増加も緩やかになってきて生きてるのも流石に限界ってものも多くなってきたところじゃない??」


「まぁ高齢化社会も20年もすればおわるかね」


「20年は早すぎるけど自然に放っておいても勝手に減少方向にあるって言うことは分かるよね。だから君の世界は放置。ただそんなときに他の世界での争いが激化しちゃってるってわけ、あと」


「あと??」


「サブのパイプでどうにか魂の行き場をずらしては居たんだけど、どうしてだか少しずつ逆流しているみたいでさ…今どっかで大規模な種族間戦争でも起ころうもんなら、ボン!!」


「へ?」

「だからさ、ぼんだよぼん、わかる?消滅してしまうってことさ。だから君にはとある世界へ行って戦争をなるべくなくしてもらいたいんだよ。ちゃんとサポートもしてあげるから頑張ってもらいたいんだ」


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