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ぼっちデイズ  作者: シュウ
四章
84/128

オタバレ

どう考えてもおかしい。

俺は悪くないと思う。

こんな登校してから5分も経ってない状態で、隣の席のリア充代表な女子から尋問を受けねばならないのか。

もう少し渡辺のクソみたいな再現ごっこを見てたほうが有意義だったかもしれない。


「ほら、早くしないと紗枝来ちゃうじゃん」


清々しいほどの笑顔で俺に催促をする伊織ちゃん。

この人絶対Sだよ。


「えーっと・・・何を話せばいいんですかね?」

「全部ー」

「でも俺が知ってることなんて全然・・・」

「あんたら付き合ってんでしょ? 知らないことなんて無いでしょうよ」


そないなこと言われても困りますがな。

そう考えてみると、木村のことなんて何にも知らないな。

知ってることと言えば、あいつが深すぎて後戻りできない隠れオタクだってことだけ。


「俺にだって知らないことぐらいありますよ。知ってるのは知っているこ」

「むー・・・」


最後まで言わせてよ。あんまり言える機会ないんだから。

そしてなぜ拗ねる。

木村にしろ伊織ちゃんにしろ、こうやって拗ねるの流行ってんの? それともリア充特有なの?


「私だって紗枝と仲良いつもりで親友とか言ってたのに、ここにきて馬の骨みたいなやつから秘密を聞かされるとなんか悔しいじゃん」


誰が城之内だ。

要するに隠されてたのがなんかさみしい的なアレな。

俺も、最近ネトゲ放ったらかしにしてて、知らないうちにイベント終わってて、ギルドからも外されてた時はおんなじ感じしたもん。あれ、なんか目から汁が。


「じゃあ自分で木村に聞けばいいじゃん」

「なんで知ってるのって言われんじゃん。バカじゃないの」


これだからリア充は・・・


「親友なんだろ? だったら別に空気読んだりする必要ないじゃん」


友達同士でそんなに気を使うなら友達なんかやめてしまえ。めんどくさい。

それで壊れるような友情ならそれまでだったってことだ。


「・・・あんた意外といい奴なんだね」

「は?」


『見直したぜ!』的な顔で俺のことを見てくる伊織ちゃん。

俺なんもしてないじゃん。


「あっ、紗枝!」


噂をすればなんとやら。

教室の中に木村が入ってきたのを気配で察知したような動きで、木村に走りよっていく伊織ちゃん。犬かよ。

そしていつものように木村とペチャクチャと喋り出した。


「おはよー」

「お、おはよー」

「おー。結構茶色にしたねぇ」

「うん。どうかな?」

「紗枝は可愛いからなんでも似合うぞ☆」

「なになに? なんかいいことあった?」

「んー? 別にぃー?」

「ちょっと教えてよー」


と朝っぱらからイチャコラする木村と伊織ちゃん。

木村は髪を染めてきたらしく、今までの威圧的な茶色から少し濃い茶色に変えてきたらしい。

俺にはわからん。

そして伊織ちゃんが大魔神級の変化球を投げた。


「紗枝ってオタクなの?」


その瞬間、木村が笑顔のまま固まったのがわかった。そしてクラス内の人間の視線が木村と伊織ちゃんに集まる。

俺は咄嗟に二人を見ていた視線を外へと向けた。俺は部外者ですよー。

伊織ちゃんも伊織ちゃんだ。

何もそこまで大きい声で言うことはなかろう。いや、別に普通の声のトーンなんだけど、周りの声が止んだ瞬間を見計らって言うとか、マジですげぇ。いくら空気を読むなとは言えども、その他大勢に対しては空気読んであげようよ。木村死んじゃうって。もしかして狙ってやったのか? だとしたらイタズラ心あふれるドS様ですこと。


「えっ、ちょ、待って。何言ってんの?」

「何って・・・」

「ちょっと来て!」


俺は状況を確認するために視線を二人へ戻した。

伊織ちゃんの腕を掴んで教室を出ていく木村。

そして教室を出ていく直前、俺の方を見てアイコンタクトを送ってきた。


『オマエモコイ』


木村が情報をもらした犯人が誰なのかという検討がついているのだと思い、仕方なく席を立った。

俺、生きて戻ってきたら、マイクラ動画投稿するんだ。ははは。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけるとウルトラハッピーです。


急に寒くなりました。

風邪を引かないようにしましょう。


次回もお楽しみに!

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