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ぼっちデイズ  作者: シュウ
四章
77/128

ぼっちくんの友達とは

10月に入り、北海道の寒さは増した。

本州の人間が『うわー! 今日23度しかないって! 寒いねー!』とか言ってる期間には、我が北海道は常に20度を切るか切らないかの瀬戸際だった。

それでもまだあったかいほうで、冬にはマイナスとか行くんだからまだマシだろう。

普段ならばゆっくりと寒くなっていって、12月に入るくらいから一気に寒くなって雪降ってくるって感じだったのに、今日は一段と寒かった。

慌てて制服の上に着るものを取り出して、それを着て学校へと向かった。

電車の中は、なぜか暖房がフル回転していていい迷惑だったけど、外に出ると、皆一様に寒い寒いと口に出していた。

教室に入ると、すぐに自分の席に着いて、真横にある暖房に手をかざして、一人温かい思いをする。冬の窓側の席というのはとても良いものである。

しかし難点もある。

温かいところには人が集まってくるのだ。

よって一番後ろの席でリア充の人が隣にいると、誰かが寄って来ては喋っていき、たまり場となっていく。したがって俺の席の周りはリア充で満ち満ちていた。


「うはー!」

「伊織の席あったかいねー」

「俺、このままここに住みてー」

「伊織ー、席代わってよー」

「あ、そうそうそういえばねー」

「あははーまじでー?」


せっかくの俺のホットな空間が・・・憩いの空間がリア充どもに犯されていく・・・

匠が作り上げた快適な空間がクリーパーによって一気に破壊された感じだ。緑の匠=リア充ってわけか。早く爆発しろ!!

ちょ、背もたれにぶつかるのやめてくれませんか? ちょ、痛いって。

んもぅ・・・こんなことなら廊下側の席のほうが居心地いいじゃねぇか・・・

ふと廊下側の席を見ると、例の腐女子二人が俺のことをチラチラと見ながらコソコソと話しているのが見えた。え、何話してるの? すごい気になるんだけど。

そしてその前の席では、男子二人がPSPを持ちながら何やらカチャカチャしていた。

・・・・・・!!

あの持ち方は・・・モンハン!!

今どきPSPのモンハンってことは・・・まさかMHP3? いや、でも、完全にぬるゲーと化した3rdをやるわけないだろうし・・・まさかMHP2G? 4の発売に向けて、3DSの3GをやらずにMHP2Gでリハビリってことか? 考えてたらやりたくなってきた。帰ったら久々に起動するか。

俺もあんなふうにゲームとか一緒にやっちゃう友達欲しかったな・・・

木村とか渡辺が嫌いって訳じゃないけど、あいつらって基本アウトドア派っぽいから、すぐに出掛たがるんだよな。

俺はインドア派だっつーの。家でみんなでオンラインでゲームやろうぜ。一狩り行こうぜ!


「はぁ・・・」


周りの誰にも気づかれないように小さくため息をついた。

最近のゲームってみんなでやること前提で作られてるじゃん? 

『多人数VS多人数』っていうことだけど、その中でも個人戦を意識させるような内容がーとかって書いてるゲームもあるけどさ、どう考えてもフレンド登録とかしてるやつのほうが有利なんだよな。FPSとかでも見方同士で情報共有できるし、『いたぞぉぉぉおおおおお!!』とかって言えるし、なによりみんなでやったほうが楽しい。

モンハンとかもアドパとかあるけど、何か違うんだよな。

あれは友達と一緒に楽しめるから楽しいんであって、MSSPとかMHDとかチーム湯豆腐の人らとか見てるとよく思う。

もちろん一人でやってても面白いと思うゲームはあるけど、所詮その楽しみを共有できないからなんか空しくなってくるんだよな。


「はぁ・・・」


また気づかれないように小さくため息。

こういう時ばかりは、自分のコミュ力の無さを感じる。

あぁ・・・一人でデュエルしてた時が懐かしいな。いつか童実野町みたいにならないかなーとか考えながらカードを集めては、ファンデッキを作ってた頃が懐かしいや。おや、目に汗が。

そういう意味では友達が欲しいとは思うけど、結局は一人が一番楽なんだよな。だから俺が本当に欲しいのは『都合の良い友達』ってことになるんだと思う。でもそんなこと言えやしないし、友達になった人にも『お前、都合いい奴だよな』って褒め言葉として言ったとしても理解されないだろう。速攻で絶交だわ。

そう考えると、どうしてこいつらってこんなに群れたがるのだろうか?

人が群れないと生きていけない生物だなんて誰が決めたんだ。むしろ他人と比べて自分を高めていくのが人間だと思ってた。

比べあって生きていくものでしょ? 人間って。

なんかくだらんことばっかり考えてる気がする。

もうちょっと俺にあった友達が欲しい。そう考えるとキリが無い気がするけど、考えざるを得ない。

だって最近の俺って・・・リア充っぽいんだもん・・・

こんなの望んでないのよ・・・はぁ・・・

本日三回目のため息は、リア充達の笑い声にかき消されていったのだった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると幸いです。


ぼっちくんの考察のみで終わってしまいました。

ご覧のとおり、ぼっちくんは物足りなさを感じているようです。


次回もお楽しみに!

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