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ぼっちデイズ  作者: シュウ
四章
72/128

席替えパート2

二回目の席替え。

それは木村が隣から離れていく瞬間でもあった。

とカッコよく言ってみたが、所詮はただの席替えだ。

そして運命のくじ引き。

そしてまさかの20番。前回も同じ数字だった気がした。木村は5番だった。

特にこの番号に意味はないけど、なんとなく離れているのが気になるらしいのか、木村が不安そうな顔をしていた。

俺としては、席が離れてても問題ないと思うんだけどそんなこと言える空気ではなかった。

担任が黒板に前回同様、番号を適当に書いていき、そして今に至る。

オセロなら最強ポジションの窓側の一番後ろの席をゲットすることに成功した俺の隣は・・・


「そういえば紗枝と付き合い始めたんだって? 紗枝もめっちゃ喜んでたよー」

「えっ、あ、まぁ」


木村の友達として話には聞いていたあの伊織ちゃんだった。

ってか、この人なんて呼べば良いの? 苗字がわからん。えーと・・・高槻? あ、これはもやしだ。伊織は水瀬だな。でもこいつは水瀬じゃないもんな。うむ。どうしたものか。

話では聞いていたから知ってる人だけど、話すのは初めてなんだよな。俺の人見知りが過剰反応しちゃってるもん。

ってゆーか、木村も木村だ。どこまで広めてるんだ。学校中の噂になるのはゴメンだぞ。気がついたら学校の壁新聞に『リア充とオタクが交際!?』なんていう記事が貼られたりでもしたら、俺はもう不登校になる自信がある。文字通りの公開処刑だ。帰宅部も退部せざるをえなくなる。退部届けって誰に出せばいいんだ? 校長?


「紗枝のことよろしくねー」

「あ、はい」


俺との会話はこれ以上は盛り上がらないと判断したのか、伊織ちゃんは通路を挟んだ隣の席にいたらしい友達と話し始めてしまった。

ホッとした。これ以上の会話は無理だ。というかこれから先が不安でいっぱいだ。

ちなみに木村なのだが、窓側の列から一つ隣の後ろから2列目だった。つまり俺のななめ前。でも実際は俺・伊織ちゃんがいて、その斜め前に渡辺・木村という席順になっている。

・・・そうなんだよ。木村の隣に渡辺がいるんだよね。

渡辺はこれからのドM人生にウキウキワクワクしてるんだろうが、木村はこれからの人生にイライラムカムカするんだろうな。ご愁傷さま。

でも俺としてはワクワクテカテカせざるを得ない。だって面白い組み合わせになったし。

ちなみに・・・まぁホントにちなみにドム子は最前列のど真ん中をゲットしていた。ざまぁ。


「今度は席近いねー。うふふ。よろしくねー」

「あ、うん」


そして前の席の男子の横に座る吉川さんが振り向いて笑顔で挨拶をする。

その少し笑顔に和んだ。と同時に木村からの鋭い視線を感じた。木村の背後に見えたのは雷神だけではなく風神も見えた。きっとあれが木村のスタンドなんだろう。一人で二つのスタンドを持つなんてすげぇな。そしてそれが見えた俺もスタンド使いなのだろう。スタンド使いとスタンド使いはひかれ合うって言うしな。ということは俺の周りにいるのは全員がスタンド使いか?

そんなことより俺の席のリア充率が高ぇな。誰か、どこかのリア充さん、俺と席代わりませんか?





席替えが終了し、颯爽と教室を後にした俺は、いつもの歩きなれてきた帰り道を歩いていた。

すると背後から殺気を感じたので、ハッと振り返った。

すると足に痛みがきた。痛かった。


「何勝手に帰ってるのよ」

「はぁ? 学校終わったじゃん。帰るのが帰宅部の勤めだろ」

「一緒に帰ろって誘ったらOKしてくれたじゃん」


あ、忘れてた。


「バ、バカ試したんだよ。ここは試される土地で有名な北海道だぞ?」

「あんたが人を試すのはおかしいっての。試されないとダメなのはあんたのほうでしょ」

「あーいえばこーいう・・・」

「あんたが言い訳ばっかりするからでしょ」


そしてもう一発蹴られそうになったので、ビクッと反応すると、蹴りを寸止めした木村がケラケラと笑った。こいつ絶対いじめっ子だったよ。さいてー。


「ほら。一緒に帰ろ」

「だが断る!」

「拒否権は無いのよ。ほら」


そう言って拗ねる俺の手を取ると、手をつないで引っ張るように歩きだした。

歩くペースがとてつもなく早いので、俺は少し小走りでついて行った。

まぁこいつなりの照れ隠しだと思えばかわいいもんだけどな。


「このツンデレめ」

「ツンデレじゃない!!」

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


ξ*'ヮ')ξ<きょうはもやしぱーてぃです!

↑これの使いやすさは異常ですよね。


次回もお楽しみに!

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