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ぼっちデイズ  作者: シュウ
三章
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閉祭式

なんやかんやで木村と学校祭を巡って巡って教室に戻ると、渡辺に怒られた。あれ? なんかデジャブ。


「おい、こら」

「はい。なんでしょうか?」

「今までどこに行ってたのか答えたら許してやらんこともない」

「そんなに怒ってるとシワ増えるぞ?」

「うるさい!」


あーやだやだ。こいつ、意外とヒステリック持ちなのかね。ヒステリック持ちはどこぞの祥子様だけにして欲しいものですわ。


「ちょっと」


そして俺の後ろから割って入ってくる木村。

俺は一歩下がって第三者になりきることに成功した。慣れっこさ。


「こいつは私が連れ出したの。悪い?」


めっちゃ上から言ってるけど、全然悪いことだからね。

かばってもらってるところ悪いんだけど、正論じゃないし。完全に俺の方が悪いし。


「いや、俺も別に本気で怒ってたわけじゃ・・・。ただ友達として、オバケ屋敷を成功させたかったのに、サボるとはどんなもんなのよってことが言いたかったわけで・・・」

「だからってこんな隅っこに座らせておくなんてどうなのよ」

「・・・へへ」


おい渡辺。一瞬ニヤけたろ。

マジでダメ男だな。


「何笑ってんのよ」


木村の逆鱗にクリティカルヒット!!


「あ、いや、なんでもないです・・・」

「・・・キモッ」


木村のそのセリフ久々に聞いたわ。

それでもニヤける渡辺ってどうなんだろ。もうMの境地の先を目指し始めてるよな。天衣無縫の扉を開けるかもしれないな。

ついに耐え切れなくなったのか、渡辺は逃げ出した。

木村の圧勝。貫禄ありすぎだろ。口喧嘩させたら無敗を誇るに違いない。


「大丈夫?」


心配そうに木村が聞いてきた。


「何が?」

「渡辺にいじめられてんの?」

「いやいや。どこをどう見たらそう見えるんだよ」

「ならいいけど」


・・・?

よくわからん。


「じゃあ私伊織たちのところ行くから」

「おう。LIVEバトル頑張ってこいよ」

「なにそれ。じゃあね」


木村は意味が分からないというように笑いながら去っていった。

どうしてあそこまで知識があるのにアイマスは知らねぇんだよ。あいつの守備範囲と正確な年齢が知りたい。絶対10歳くらいサバ読んでるもん。

というわけで、銀次郎の席に入れっぱなしのラノベを回収して、学校祭を締めくくる後夜祭に備える。

備えるとは言っても、グラウンドでキャンプファイヤーを中心にして、リア充たちがキャッキャウフフしているのを教室から眺めるだけの簡単なお仕事である。

どうせそこらへんの茂みであんなことやそんなことをしているリア充とかもいるんだろ? 俺はちゃんと知ってるんだからな。先生に見つかって退学になってしまえ。ざまぁ。

その前に体育館で閉祭式があるので、体育館に生徒各々で向かう。

ここまで来ると帰ってもいいような気もするが、後夜祭の終わりに点呼があるので、帰るわけにもいかない。

ダラダラと歩く生徒に紛れながら、俺も体育館へと向かった。

全校生徒のほとんどが集結している体育館はごった返していて、誰がどこにいて、どの学年がどの場所にいるかもわからなかった。

俺は適当に壁際を移動して適当なところで壁に寄りかかって閉祭式が始まるのを待った。

キョロキョロと周りを見渡すと、みんな楽しそうな笑顔を作っているように見えて、なんか幸せそうだなあと思った。

そう考えると、今年の学校祭は、中学の時と比べても楽しかった気がする。

高校に入って学校祭の規模がでかくなったっていうのもあるけど、やっぱり木村とか渡辺の存在が大きかったのかもしれない。準備期間の時は渡辺とひと悶着あって友達認定されちゃったりしたし、木村とは・・・まぁいつもの感じで振り回されたし。

・・・楽しかったっていうよりも『悪くなかった』って感じか。こういうのが青春って言うんだろうか?

俺の知ってる青春は、もっと泥臭くて親友同士で殴り合ったりして笑い合うような感じの青春だと思ってたけど、こういうのも青春なのかなーと思いました。

そんな作文みたいなことを考えていると、隣からモビルスーツのような声が聞こえてきた。


「もう考えらんない」

「千絵美ー。もうやめなってー」

「祐巳は黙ってて。これは私の問題なんだからっ」


隣で少し怒ったように言うのは、うちのクラスのモビルスーツことドム子だった。

俺のことには全く気づいていないようで、友達の中島にブンシャカと怒っていた。


「全部紗枝が悪いんだ。絶対に仕返ししてやるっ」

「えー・・・紗枝は関係無いじゃーん」

「祐巳まで反対する気? 祐巳だって渡辺に振られたじゃん」

「でも別にアレは私の力不足っていうかー、渡辺がかっこよかったから諦めたっていうかー、エヘヘ」


そう言ってモジモジする中島。こいつ、まだ渡辺のこと諦めてないのかよ。もうギャップ萌えとかいうよりも、渡辺にベタ惚れしてるんじゃん。


「もう祐巳は黙ってて。仕返しは私一人でやってやるんだからっ!」


中島に宣言すると、それっきりムスッとして黙りこくってしまった。

中島が話しかけても反応を示さないので、中島も話しかけるのを諦めてしまった。

仕返しって何するつもりだよ。ってゆーか、俺、とんでもないこと聞いちゃったんじゃね?

どうすっかなぁ・・・

俺が悶々と考え事をしていると、閉祭式の始まりを告げるアナウンスが流れた。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけるとウルトラハッピーです。


さてはてぼっちくんはどうなるのやら。

そして安定の渡辺でした。


次回もお楽しみに!

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