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ぼっちデイズ  作者: シュウ
三章
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一級フラグ建築士

結局、熱は次の日も下がらず、一日空いての登校となった。

だからといって、学校で『なんで休んだの!?』とか『大丈夫?』とか『言ってくれればお見舞いとか行ったのに!』なんて言ってくる(やから)は居ないもので、ふつーに登校して学校祭準備へと取り掛かった。

昨日、休んで家で寝てる間に木村からメールが来ただけで、特に異常は無かった。

木村とは学祭準備期間はあんまり話す機会が無いせいか、顔を合わせるぐらいしか接触が無かった。

おとといのことを何か言われるのかとも思ったけど、そんな素振りもなく、ただ普通にクラス内の設営に励んでいるようだった。

そうそう。

学校祭まであと3日となって、今日の水曜日から木・金と丸一日使って準備をして、土日が学校祭となる。だから今日からは授業は無くて、丸々学祭準備。

土日じゃくて平日にやれば休みも潰れないし、人も少ないからいいと思うんだけどなぁ。

それだと集客の問題で採算が取れないんだろうか? 学生は経営じゃなくて学業が仕事でしょ? 利益とか気にするなら、商業科とか作ってそっちで専門的にやったらいいよ。

そんなことを今日持ってきたラノベを読みながら、頭の端っこで考えた。

ラノベにはちゃんと周りから見えないようにブックカバーをするのを忘れない。

こうやって本を読んでいると、普通の小説を読んでいるように見えて、頭が良さそうに見える。そしてメガネでもかけていれば完璧だ。学業優秀インテリ系完璧超人に見えるはずだ。

よく電車とかでこーやってる人見かけるけど、あれって実は結構ラノベかそうじゃないかって見分けられるんだよね。

ラノベって挿絵が入ってるから、横から見ると、ページのところどころに黒い線が入ってるのが多い。それがラノベ。

前に隣でブックカバー付きで本読んでる人がいて、その人の本をチラッと見てみたら、ものすごいBLの挿絵が書いてあるシーンで、俺はドン引きした。どうしてそこらの着衣エロ本よりも肌色が多いのに18禁にならないのかがわからないのがBLの不思議なところだ。規制早くして!

そんなわけで今教室の隅っこで邪魔にならない場所に椅子を持ってきて、そこに座ってラノベを読んでる。『邪魔にならない場所』を抜くと、インテリ系に見えるはずなんだけど、その一文が入るだけで、クラスからあんまり好かれてないオーラが溢れ出してくる。日本語って難しい。

ちなみに今読んでるのは、いろんな国を空を飛ばないモトラドで旅をする旅人の話。

そしていつも一緒にディスられてた吉川さんなんだけど、俺が休んでる間についに仕事を見つけたらしくて、せっせとクラスの仕事に取り組んでいた。

クラスというこの孤立した空間で、さらに孤立した俺は、もう孤高の存在と言っても過言ではないだろう。ただのぼっちである。

まぁこうして部屋に積んだまま放置されてた本を読めるからいいんだけどね。鞄の中にはあと2冊入ってる。読み終わったら俺の学校生活でのやることがなくなっちゃうし。

考えてみると、こんなにみんな忙しそうに働いてるのに、俺だけのんびりと本を読んでるのってどうなんだろ。考えつく先は一つだ。つまり俺を必要としていないんだ。うん。わかりやすい。

俺、帰ってもバレないんじゃね?

しかし出欠確認が朝と昼と帰りの時にあるため、一回帰るというわけにもいかない。

だからこうして静かに自分の存在を極力消しながらラノベの消化に励んでいた。

ホントはPSPでも持ってきて狩りしてたり、DS持ってきて厳選とかしててもいいんだけど、先生に見つかって没収なんかされたりでもしたらめんどくさい。どうしてこの学校はケータイはいいのに、ゲームはダメなんだ。でもケータイでやるゲームならOKらしい。もうわけがわからないよ。

こうなったらケータイのFFでもやってやろうかと思ったけど、そこまでしないと時間を潰せないってわけでもないから読書に励んでる。

たまにはこうやって読書に励むのもいいかもしれない。

これで木村とか渡辺とかが絡んで来なければ最高だ。

しかしこう考えたのがフラグだったのか、ラノベに当たっていた光が黒い影に遮られた。これで俺も一級フラグ建築士になれるかな。

顔を上げると、そこには渡辺くんが立っていました。


「渡辺ェ・・・」

「なんだよ。せっかく暇そうだったから仕事見つけてきてやったのに」

「さいですか・・・」


余計なことをしおって・・・

それよりも渡辺に元気が無いようにも見えた。

ここで気にすると、えるちゃんみたいなめんどくさい男だと思われてしまうので、俺はあえてスルーする。


「で?」

「俺の衣装の小物を一緒に買いに行って欲しいんだ」

「はぁ? 俺、今忙しいんだけど」


ラノベ読むというしっかりとした大事な俺にしかできない仕事があるんだ。


「昼飯奢るよ」

「なら行くか」


学校祭の準備期間は、外で昼食を食べてもいいという決まりになっている。

なんでも『学校祭の準備でずっと学校にいても疲れるから』らしい。担任が言ってた。

いつも学校で勉強してるのは疲れないってことなんですかね?

ということで、俺は渡辺と一緒にご飯を食べに行くことなった。あ、買い物に行くことになった。

他人の金で食べる飯は美味しい! と、都市伝説にあったのを覚えている。

べ、別に渡辺と一緒にご飯を食べたかったわけじゃなくて、奢ってくれるっているから行くだけなんだからね!

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


ここから第3章となります。

ジョジョならスタンド編ですね。


次回もお楽しみに!

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