表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼっちデイズ  作者: シュウ
二章
36/128

顔文字絵文字

木村とは結局一緒に帰ることもなく、そのまま夜。

ネトゲの世界に潜り込んでいると、メールが届いた。

送り主は言うまでもない。


『結局一緒に帰れなかった・・・orz』


なんで残念がってるんだよ。

ってゆーかもうちょっと行動を自重するべきだと思う。このクソ単細胞女。

とりあえず返信っと。


『三人で帰ったのか?』


すぐに着信。


『うん。夏希が盛り上がってたんだけど、渡辺が暗くて・・・私、渡辺苦手ー↓』


だろうな。俺もそうじゃないかと思ってた。哀れなり渡辺。

俺も渡辺は気に食わん。

人に向かって睨み利かせてくるような奴は嫌いだ。

もし仲良くなりたいとか言ってきたら『片腹痛いわっ!』って言って一喝してやるんだ。ワクワク。


『俺も嫌いだ』

『き、嫌いとか今の私には刺激が強すぎう・・・ばたんきゅー』


こいつ・・・なんかメールの文章キモくなってきた。

これ本当に木村か?


『なんかメールの文章キモイけど、本当に木村だよな?』

『それは酷いっ!(>Д<)』

『俺の知ってる木村は顔文字なんて入れてこなかったのに』

『やっぱり変かな?』


変ってゆーか・・・メールに顔文字っていらなくね?

絵文字とかデコメとかもそうだけど、こんなただの連絡手段にそんな装飾は必要ないと思う。

電話なんて見てみろ。もう声と声のやりとりだぞ。飾りっけ0だぞ。

そんなことを木村に送った。


『なんか怒ってる風に見えない?』

『そうか?』

『「別にあんたのことなんか友達として思ってないから」と「別にあんたのことなんか友達として思ってないからヽ(`Д´)ノ」だったらどう思う?』


うーん・・・前者はツンデレに見えるし、後者はツンデレに見える。

俺の目が腐ってるのか?


『どっちもツンデレに見えた』

『えぇっ!?ヽ(´Д`;)ノ』

『その顔文字おもろいな』


俺からしてみればAAとあんまり差がないんだけど、必要性も感じない。

なくても流れと文面でどうにでもなるだろ。

そんなに感情を伝えたいなら電話でもなんでもすればいい。


『ダメだ。会話にならない。顔文字やめますー』

『勝手にしろ』


木村からのメールが止まった。

寝たのかと思って、時計を見てみたが、時刻は午後9時。

良い子は寝る時間だが、高校生は良い子じゃないので、寝るにはまだ早い時間だ。

すると着信アリ。あれ怖かったなぁ。


『メール読み返してた。渡辺は悪い奴じゃないんだけど、なんか暗いんだよねー』

『お前の友達はクールだのって言ってるじゃん』

『クール系とかダメなんだよねー』


まぁクールと暗いは紙一重だからな。

オタク=暗い、イケメン=クールだからな。この方程式はずっと続いてきて、これからもずっと続いていくんだろうなぁ。イケメンならなんでも許されちゃう世の中だからな。イケメンも爆発しろ! そして顔歪め!


『そういえば渡辺に楽しいかどうかって聞いてたけど、お前は楽しいかどうかで判断してんの?』

『大人になってからはわかんないかもしれないけど、今は楽しい方が楽しいじゃん』


合ってるんだけど日本語の使い方が間違えてますね。

そりゃ楽しい方が楽しいのはわかる。楽しいからな。でもその理由にはなってない。

カラスが黒いのは黒いからと言っているようなもんで、『あ、ですよねー』って言うしかなくなる。

ということは、俺とこうやってメールしてるのは楽しいってことか。

ちょっと優越感。渡辺ざまぁ。


『まぁ楽しいのはいいことだよな』

『でしょ? 友達と遊ぶのも楽しいけど、アニメ見たりするのも楽しい!』

『よく周りにそのオタク隠し通せてるよな』

『みんな興味なさすぎて話題にも上がってこないからね。ドム子なんかはよくバカにしてたけど、他は全然興味ないみたい。大衆向けマンガとかにしか興味無いって言ってた』


果たしてこいつの言う『大衆向けマンガ』とはどこまでが含まれているのだろうか?

メジャーなところはほとんど含まれていて、マイナーなところらへんからがオタク向けになるのだろうか? 難しいところだ。


『お前からしてみたらほとんどが大衆向けマンガじゃん』

『そんなことないですー。ちゃんとそのへんはわきまえてますー』

『へいへい』

『ちょっとバカにしてるでしょー』

『どっちかっていうと、一周回って感心してるかな』

『そう? えへへ、褒められちゃった(照』

『いや、お前のオタク度を友達が知ったらどうなるんだろうな?』

『引くかな?』

『それはどうだろうか?』

『どうだろうか? やっぱり引くよね。だってキモイもん』


自覚症状あったんかい。でも引き返せない。それがオタク。


『まぁその時はその時じゃね? なんとかなるって』

『そうだよねー。もし引かれてもあんたがいるしね』


たいしたこと言ってないはずなんだけど、これはこれでなんか照れるな。

俺は照れ隠しというわけでもないが、ちょっとそっけなく返した。


『まぁな』


だってあんまり言い過ぎて木村とフラグが立っちゃうのも嫌だし。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


渡辺ェ・・・


次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ