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ぼっちデイズ  作者: シュウ
一章
3/128

電車内妄想

放課後。

それは学生にとっては憩いの時間。

授業が終わってのんびり帰るもよし。

友達と遊ぶもよし。

または部活に励むもよし。

俺は真面目な部員だから、毎日部活動に取り組んでいる。

帰宅部はまっすぐ帰るのが基本なのだ。だって帰宅部だもの。

というわけで、電車通学の俺は電車で帰宅している。

電車ってなんかいろんな意味でドキドキするよね。

ただ目の前にちょっと可愛い人が座っているだけであれこれ考えちゃってドキドキするし、満員電車だと俺の方によろけただけで『あれ?これって俺に気があるんじゃね?』って考えちゃってドキドキするし。

違う意味だと、ズボンのチャックが開いてないかを何回か確認しちゃうし、ちょっとガタイの良いウホッな人が来ただけで『アーッ』ってならないかドキドキするし。

あ、そうそう。毎日同じ電車に乗ってると、顔馴染みの人とか出来てきて、なんとなく所定の場所っていうのができてくる。

俺の所定の場所は、ドアの真横の手すりの近くだ。

そこから毎日見える可愛い子がいるんだけど、ある日その子が朝の電車に俺の知らない男とイチャイチャしてたわけ。俺の中でイメージしていた彼女の人物像が音をたてて崩れた。

もう男に結局使いどころを逃しがちて手元に残り続けていたマスターボールを投げつけて捕まえて、シロガネ山のなみのりと滝登りがないと行けないところに放置してやりたいって気分になる。これは誰でも思うよねー。

まぁそんな妄想ばっかりしてるわけですよ。

そして妄想以外でも楽しみはある。


「昨日さ、父ちゃんと一緒に水族館行ったんだ」

「お前のとこのおじさんって水族館とかってタイプじゃなくね?」

「でさでさ、父ちゃんったら自分から行こうって言い出したくせに、マンボウっているのかなだってさ!」

「マンボウとか!」


そして大爆笑する二人。

・・・どこが面白かったんだ?

電車内での会話って聞いてるとめっちゃ面白い。


「マジデ!? テレレレレー! ダショダショ!!」


うわー・・・あの電話の内容気になるわー。

テレレレーなんて日常会話で使わないぞ?

ってゆーか電車内で電話って迷惑だけど、微妙に空いてる車内だとただの羞恥だよな。

恥ずかしいと言えば、駆け込み乗車で乗りそこねた時の恥ずかしさはハンパない。

目の前でドアが閉まっちゃって、中にいる人から『あの人乗りそこねてるし。ププッ』って思われるし、降りてきた人からは『乗りそこねてるし。ププッ』って思われるし、車掌さんからは『駆け込み乗車はおやめくださいー(誰が乗らせるか!)』って思われながら扉閉められてるはずだ。

良いことなんか一つもない。『危ないから止めよう』じゃなくて『恥ずかしいから止めよう』のほうが駆け込み乗車する人の数は減ると思う。うん。JRに売り込もうかな。

たまに駆け込み乗車に成功して乗り込めたとしても、汗だくの人が車内に乗ってきたらそれだけで不快になる。少なくとも俺はそうだ。電車遅れたらどうするんだバカヤローって思うもん。

でもそれが可愛い子だったら別だよ?

可愛いは正義だもん。イケメンは犯罪だけど。

汗だくの女の子ってなんかそそるよね。なんつーか・・・エロイ。

こう考えると電車っていろんな人が乗ってくるな。

こんなに老若男女が存在する空間なんてあんまりないぞ?

そう考えると結構どんな人が乗ってても違和感無いな。

有名人も電車通勤しててもバレないんじゃね?

あ、でもオーラとかあんのか。有名人ぱねぇ。

社内恋愛ならぬ電車内恋愛とかもありそう。


「あっ・・・」

「今日もこの電車だったんですね」

「えっと・・・はい」

「良かったらここ座りますか?」

「膝の上ですか?」

「ハハ。さすがに違いますよ。僕の席で良ければ譲りますよ」

「いえいえ、そんな悪いですよー」

「遠慮なんかしなくてもいいのに」

「遠慮ってゆーか・・・その・・・」

「あ、僕が座った席には座りたくないですよね・・・」

「そ、そういう意味じゃないです!」

「じゃあどうぞ・・・あ、座ります?」

「最近の若者は優しいねぇ。じゃあお言葉に甘えて」

「お祖母さんに座らせてあげるつもりだったんですか・・・」

「いえ、君に座らせようと思ってたんですよ」

「でも座られちゃいましたね。フフ」

「ですね」

「お兄さんとお姉さんは付き合ってるのかい?」

「「えっ・・・」」

「照れてるってことは付き合いたてかい。ひゃひゃひゃ。若いっていうのは良いねぇ」

「そんな・・・私達付き合ってなんか・・・」

「実は付き合いたてなんです」

「えっ、ちょっと・・・」

「今から付き合うんです。ダメですか?」

「そんなこと・・・ないです・・・」


そして手を繋いで電車を降りる二人。



あれ? なんだこれ。俺、今ちょっとトリップしてたわ。

こんな出会いがあるなら一日中電車乗ってるし、おばあちゃんだろうがおじいさんだろうが誰にでも席讓し。もう環状線とかぐるぐる回り続けるし。まぁ北海道にはそんなの無いけど。乗り続けてたら倉庫に入れられちゃうし。

あ、着いた。

って、このクソ高校生共! 扉の前で座るな! 俺が降りれないだろーが!!

俺と同年代だとは・・・日本も終わったな。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


電車に乗ってるといろんな人がいますよね。

よだれをたらしながら寝てる人がいるとすれば、それは僕です。


次回もお楽しみに!

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