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ぼっちデイズ  作者: シュウ
一章
23/128

やったね紗枝ちゃん

というわけで土曜日。

ネトゲ三昧と洒落込もうと思っていたのだが、いつの間にか弟のアドレスをゲットしていた木村の策略により、弟が俺に『明日デートでしょ。寝なよ』と精神攻撃を仕掛けてきたのだ。デートじゃねぇよ。

なんやかんやで、俺って弟に弱いよな。まぁ親の後ろ盾があるからかもしれないけど。

そして待ち合わせ場所の札幌駅。

細かい場所まで決めていなかったので、直前に聞いてみると『新しく出来たあの地下道』と指定された。

俺は適当に壁に飾ってある謎の絵画を見ながら上手いと下手は紙一重なのだと実感していた。


「おませー!」

「本当におませちゃんだな。ふざけんな」

「あら。意外と普通の服なんだね」

「意外とはなんだ。失礼な」


今日はもちろん私服だ。

俺は黒いポロシャツにジーパン。うん。可もなく不可も無くだ。

それに比べて木村は、足首が見えるか見えないかの長さの白いロングスカートに黒いTシャツを着ている。思ってた以上に地味だった。

俺が想像していたリア充の服は『何それ。誘ってんの?』というようなスケスケの上着に『何それ。見せてんの?』というようなミニスカートを着ているイメージだった。


「どう?」


じろじろ木村の服を見ていると、木村が何を勘違いしたのかその場でくるりと一回転し始めた。


「ふつー」

「うわぁ・・・絶対あんたモテないよ」

「モテなくてもいいし。まだ彼女とかいらん」

「・・・キモッ」

「ってゆーかどこに行くんだよ。できれば帰宅ラッシュまでには帰りたい」

「あんた何? 9時には寝てるの?」

「ちげーよ。混んでるのが嫌なんだよ」


何が悲しくて休みの日にまで満員電車に乗らないといけないんだ。満員電車は通学の時だけでいい。就職したら会社の近くに引っ越すんだ。


「そういうことね。善処するわ」

「それNOと同じ意味じゃねぇか」

「さ。行きましょ」

「・・・どこ行くんだよ」

「オタ友達なら行く場所はひとつでしょ?」


もうコイツって自分が行きたいところに俺を連れ回すだけなんじゃね?



そして木村と歩くこと10分ぐらい。

青い看板のお店とオレンジの看板のお店が並ぶビルの前に俺たちは立っていた。

片方は大手アニメショップ。もう片方は同人系商品の取り扱いでは超大手。


「どっちから行きたい?」

「俺、隣のブックオフで立ち読みしてるわ」

「じゃあこっちからね」


答えなんて聞いてませんでした。あいかわらずの都合の良い耳。

ズカズカ青い看板のお店に入っていく木村。仕方なしについて行く。

中はグッズやら本やらCDやらDVDやらが置いてある。

俺は来たことが無いわけじゃないんだけど、どこから見ていいのかよくわからない。

もちろんルールとかなんてないんだろうけど、ちょっと一歩引いてしまう。

何故かというと・・・萌え系と呼ばれているあのジャンルが苦手なのだ。

木村に言ったら殺されるけど、目の大きすぎる絵がどうも受け入れられない。

だから集めてる本とかもそういう系のものは全然無い。でもラノベは別な。絵よりも内容重視で買うからあんまり気にしない。

そうこうしていると、早速木村とはぐれてしまった。

特に欲しい本も無いし、グッズには興味無いので、仕方なくそのへんに見本として置いてあったコスプレ雑誌を手に取って読む。

ピッコロのコスプレする人ってすごいよな。色とかだけじゃなくてスタイルも半端ないもんな。どこで鍛えたの?って感じ。もしかすると魔貫光殺砲とか打てそうだもん。月が邪魔だからって壊しちゃいそう。

うはっ。自宅警備員カッコイイ。俺もこんな自宅警備員だったら目指してみたい。でもこんな格好してるけど、守るのは自分のパソコンとそれ関連のものぐらいが警備範囲なんだよな。もったいね。


「あんた何も買わないの?」


ふと気づくと隣に木村が立っていた。

カゴには薄い本が何冊かとマンガが何冊かが入っている。


「お前、買う気満々じゃん」

「だって欲しかったんだもん! この本の特典はここでしかもらえないし、この同人誌だってここにしか委託されてないし、あとフェア特典も欲しかったんだもん!」

「はいはい。じゃあさっさと買ってこいよ」

「言われなくても買ってくるし」


レジに並びに行く木村。

ホント、なんで俺今日誘われたんだか・・・居る意味なくね?

会計を終えた木村が俺の元へやってくる。顔に笑みを浮かべて。


「なんでニヤニヤしてんの?」

「べ、別にいいでしょっ。本当に何も買わないの?」

「特に買いたいもん無いし」

「そっか・・・ねぇ」

「ん?」

「楽しくないの?」


悲しそうな顔をする木村。

なんでそんな顔するんだよ・・・NOとは言えない雰囲気。


「あー・・・お前は楽しそうだよな」

「うん! 誰かとこんなとこ来たこと無いから楽しい!」


こいつ時々子どもっぽいよな。あのリア充グループの中でもこんな顔してんのか?


「それは良かった。じゃあ次行くか」

「じゃあ次は隣ね!」


そう言って階段を先に降りていく木村。

なんか妹と買い物に来てるみたいだ。俺は妹萌えはしない。

俺は幼馴染み以外は認めn(ry

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


毎年コミケとかのコスプレ見ますけど、一番自宅警備員の方達のコスプレはかっこいいですね。

でもあれってCoDのコスプげふんげふん


次回もお楽しみに!

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