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ぼっちデイズ  作者: シュウ
一章
21/128

テストな勉強

結局ノートは取り上げられてしまい、まるでメガネであやとり上手で射的の上手い彼になったようだった。青いロボットはいつ来るの? どら焼きもあるよー。

勉強しようにも、一番大事なノートが無ければ効果もいまひとつだ。

テストは各教科の顧問の先生が作るので、授業の内容からまるまる出ることもあるのだ。現に、中学の時にはそーゆー問題がいくつもあった。そのくらいノートは重要な勉強道具なのだ。あいつからノート取り返す秘密道具でもいいよ。

まぁそんな猫型ロボットが現れるわけないし、現実を見よう。

とりあえず教科書を開いてノートの内容を思い出しながら勉強


ブーブーブーブーブー


えっほん。なんか携帯鳴ってるみたいだけど、今は勉強中なので無視無視。


ブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブー


「あーもううるせぇ!!」


なんなの!? 着信の相手は一人しか心当たりがないから誰かはわかるさ。

でもこのしつこさなんなの!? マジで鬱陶しいわ!!

って電話かよっ!!


「お前友達いねぇのかよ!!」


俺は電話に出て開口一番にそう言った。


『っつ・・・何よ。電話でいきなり大きな声出さないでよ』

「なんで毎回毎回俺なんだよ!」

『そんなの私の勝手でしょ』

「その勝手に付き合わされてるこっちの身にもなれよ。ホントに友達いねぇんじゃねぇのか?」

『失礼ね。みんな勉強してるってあんたが言ったんでしょ? だからメールとか電話とか自重してるんじゃないの』

「おぉ。そういうことか。お前、いい奴だな。・・・ってなるかー!」

『もうなんなの。今日は一段とキモイ』


友達のことを考えて自重した結果、俺の方に火の粉が降りかかってきてんじゃん。それじゃあ本末転倒だ。


「俺のことは友達じゃなかったのかよ」

『あんたが否定したんでしょ。なら自業自得よ』

「くっ・・・」


人の挙げ足ばっかり取って・・・女って最低ね。


『せっかく私が友達になってあげようとしたのに、あんたが断ったんでしょう?』

「俺はリア充の友達なんていらないし」

『あら。私は隠れオタよ』

「あ。認めた。今、認めた」

『リア充って呼ばれるよりはマシよ』

「じゃあ今度学校で呼ぶわ」

『呼んだら殺す』

「おまわりさーん!! この人ですー!!」

『アハハハハ』

「・・・何笑ってんの?」

『笑ってないし』

「・・・・・・」


こいつなんなの?

もうこの言葉を何回言ったことやら・・・

ホント疲れるわぁ。


「で、なんで電話してきたんだよ」

『あんたの声が聞きたかったの』


ピッ。


電話を切った俺は、ベッドにケータイを投げつけた。

白々しい嘘までつきおってあのビッチ。ふざけてんのか。こちとら勉強しようと思ってたのに、それを邪魔しやがって。


ブーブーブーブーブー


またかかってきた。


「はいもしもし」

『なんで切るのよ』

「お前が悪いんだろ。お前の友達と一緒で俺も勉強してんの。邪魔すんなら切るぞ」

『わかったわよ。すみませんでしたー。これでいい?』


罪悪感0の謝り方だ。


「で、ホントになんで電話してきたんだよ。マジでうぜぇ」

『ちょっとわからないところがあったのよ』

「わからないとこ?」


俺のノート見てわからないところなんてあるはずないだろ。あれだけ『誰が見ても美しいノート』を作ることに長けたノートは他にはないぞ? 参考書にしてお金とってもいいレベル。

一応聞いてやるか。


「どこがわからないんだよ」

『多項式って何?』

「・・・は?」

『いや、だから多項式って何?』


こいつ何言ってんの?

数学Iの基本中の基本でしょ?

英語で言うところの『am』的存在でしょ?

初歩中の初歩じゃん。


「お前マジで言ってんの?」

『マジって何よ。わからないんだから仕方ないでしょ』

「これ仕方ないってレベルじゃねぇぞ。医者が黙って首を縦に振るレベルだぞ」


もうお手上げって意味な。


『そんなに!?』

「とりあえず教科書見直せ」


こいつよくこんな状態でテストに挑もうとしてたな。

高校初のテストで0点叩き出すところだったぞ。

こいつよくここの学校受かったな。

賄賂でも送ったのか? それとも裏口かなんかか? あ、一緒か。


『教科書にそんなの書いてる?』

「書いてます。めっちゃ書いてます」

『んー・・・』

「マジで勉強しないとやばくね? 赤点とか取ったらハズいぞ」


教室で『君と君は今度補習ですから』って言われるのは『君はバカなのでここ集合です』って言われてるようなもんだ。公開処刑だ。


『・・・わかった。勉強するわ』

「そのほうがいい。そしてもう電話すんな」

『じゃあまたわからないところあったら電話するね』

「おい。人の話聞けよ」

『じゃーねー』

「おい、コラ!」


切れてしまった。

あいつ、マジでやばいな。誰か友達に先生役をしてもらわないと一年にして留年の危機だな。


ブーブーブー


ん?

ベッドに投げたケータイがまた震えた。

また電話かと思ったが、今度は短く切れたのでメールだ。

とりあえず開いて見てみた。


『ありがとー。勉強頑張りマッスル!!』


・・・諦めろ。一人じゃ無理だ。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


短編書きましたー。

良ければどーぞー。


次回もお楽しみに!

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