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ぼっちデイズ  作者: シュウ
一章
20/128

コミュニケーション能力

リビングにいた木村を部屋まで連れてきた。

俺の部屋に家族以外の人間がいるなんて驚きだ。何年ぶりだろうか? わかんね。


「で、何してんだよ。ストーカーか?」

「あんたが人のことジロジロ見てたから追いかけてきたのよ」


学校から? 電車に乗って? 

この人怖い。


「勘違いしないでよ。別にストーカーじゃないからね」


こういう時は大抵が墓穴を掘っているのだ。そしてこのときにツッコミを入れるとケガをする可能性がある。自分の部屋で痛い思いをするのは嫌なので黙っている。無言が正解なのだ。


「・・・で、なんで見てたのよ」

「いつ見てたっけ?」

「朝見てたじゃん」


あの時か。結構根に持つタイプなんだな。嫉妬深そうだもんな。浮気とかしたら殺されそう。


「なんで見てたのよ」

「あれは・・・正直に言っていいのか?」

「別に言っていいわよ」

「蹴らない?」

「蹴って欲しいの?」

「嫌です」


めっちゃ怒ってるじゃん。目線が怖いもん。ワニみたい。

覚悟を決めて言った。


「えーとですね、テスト勉強とかしてなさそうだなぁって思ったんです・・・はい」

「テスト勉強? してないわよ。だってみんなもしてないもん」


うはー。こいつバカでやんのー。

俺は心の中で笑った。

するとなぜか蹴りが飛んできた。


「ちょ、なんで蹴ったし・・・」

「なんか顔がムカついたから」


これは俺の両親に謝って欲しいレベル。

この世界に生んでくれたことを感謝してるんだぞー。


「ホントに勉強してねぇのかよ」

「そうよ。でもみんな点数取れてるのよね。すごいと思うわ」

「お前バカだろ」

「はぁ?」

「ごめんなさいっ!」


はっ! 目線の怖さに思わず謝ってしまった!


「いやいや。他の奴なんて勉強してるに決まってるだろ。マラソンで一緒に走ろうよって言う奴と同じ原理だよ」

「あんたにそんな友達いんの?」

「いねーよ! 悪かったな!」

「ソースは誰よ」

「ソースは・・・み、見てればそんなのわかるだろ!」

「あ、逃げた」

「逃げてねぇ! これは戦術的撤退だ!」


なぜか俺を見る目がかわいそうなものを見る目に変わってきた。

これはこれで嫌だ。


「ま、そんなことだろうとは思ってたけどね」

「ん?」

「勉強の話よ。だって伊織なんかいっつも90点台よ? 一夜漬けであれだけ取れてたらすごいもんね」

「今まで疑ってなかったお前がすごいよ」


バカなんだか違うんだかわからんな。でもただ一つ言えるのは、こいつはそんなことだろうと思っていなかったと言うことだ。あの汗は嘘をついている味に決まっている。舐めたら殺されるけど。


「で、今度からお前は勉強するのか?」

「それは無理」

「なんで。ノートとか教科書とか見て・・・」

「できると思う?」


自信たっぷりで言う木村だが、どこからその自信が湧き出てくるのやら。

木村はいつも授業中寝ている。よって黒板を写したり、教科書に書き込みなんかしているはずもない。

オタクというのは結構真面目な人間が多いと思っていたんだけど、リア充のほうが濃く影響されてしまうみたいだ。リア充こえぇな。


「そこでよ。私は考えたの!」


何SOS団団長みたいなこと言い出してんだ。


「あんたのノート貸して」

「俺はどうやって勉強すればいいのかな?」

「コピーしてあげるからそれで勉強しなさいよ」

「普通逆じゃね?」

「コピーのノートなんて見にくいでしょ」

「いやいや。それ借りる側の人間のセリフじゃないよね」

「いいじゃない。テストなんて所詮は赤点以上ならみんなおんなじでしょ」

「おんなじじゃないです」

「あーもーめんどくさいなー。いいから貸しなさい」


そう言って机の上に置いていたノートを取り上げる木村。

これは横暴だ。警察に連絡すれば勝てる。裁判でも圧勝だ。


「これ。お兄ちゃんのノートです」

「ありがとー」

「ちょっとまてぇーい!」


なんでお前がいるんだー!

さりげなーく人のカバンからノート取るってひどくなーい?


「いい弟さんね」

「そうですね。ってそういう問題じゃないから。お前も早く出て行けよ」

「お兄ちゃん。友達は大切にしないとダメだよ」

「友達じゃねぇし」

「違うの?」


そう言って木村のほうを見る弟。

弟に見つめられた木村は、


「友達よ」

「えぇー・・・」

「なによ。友達じゃないの?」

「だって俺、リア充の友達とかいらんし」

「そんな・・・」

「お兄ちゃん」


弟が声を大にして言った。


「友達は大切にしないとダメだよ」

「なんで二回言ったし」

「大切だからよねー」


異様に仲良しになる木村と弟。

なんで俺だけ置いてかれた感が強いんだよ。こんなところでもコミュ力が必要とは・・・

おそるべし日本。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


仮面ライダーウィザードの滑り出しがいい感じですね。

あの中二っぽい感じはたまらなく好物です。

シャバダビタッチヘンシーン


次回もお楽しみに!

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