表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼっちデイズ  作者: シュウ
一章
19/128

テスト前

「キャハハハ!」

「ウェーイ!」

「ウェヒヒヒヒ!」


朝っぱらからやかましいリア充軍団が気持ち悪く笑っていた。

あの笑い方ってどう考えてもわざとらしいと思う。だってわざとらしいもん。

女子の前で変な笑い方してる男子って、気を引きたいからあーやって笑うんでしょ? 前にテレビでやってた。

逆に男子にそれをやる女子は女子から嫌われるんだって。男で良かった。女はめんどくさい。

多少単細胞でも男のほうが楽しく生きられると思う。バカでもなんとでも言うがいい。楽しければそれで良いのだ。

ぼっちで楽しいのかと言われると微妙だけど、それなりに楽しんでいるつもりだ。

自分よりも劣っている人間を達観した目線で見ていると見えてくるものがある。人間観察は楽しい。

例えばあの窓際に座ってる男女各二人の四人。

あのうち一組は出来てると見たね。だって相手を見る目が違うもん。俺ぐらいになると、目を見るだけでだいたいわかってしまう。でも目をあわせるのは無理。相手の視線怖いもん。視線恐怖症ってやつかな。

そんな俺の鍛え上げられた人間観察力はスカウターに匹敵する。

しかしサイヤ人の数値を見ると爆発してしまうように、俺もリア充を見ると爆発しろと思ってしまう。なのでリア充の数値はなかなか測れない。むしろ測りたくない。

計り知れないリア充の数値に俺は恐れているのかもしれない。


「って俺は何を言っているんだ・・・」

「あんたこそ何言ってんの。キモい」


こ、こいつ・・・いつの間に・・・

と思ったけど、教卓に担任が立っていた。朝のHRが始まろうとしていたのだ。

楽しい時間は早くすぎると言うが、さっきまで俺がしていた思考は「楽しい」と判断されたわけか。


「はい。では始めます。来週からテストですが、みなさん勉強は始めてます?」

「やってませーんww」

「マジかよww」

「それやばくなくなくなーい?ww」

「てか俺もしてねーww」


リア充の勉強してない自慢マジパネェッスww

どう考えてもバカ自慢だもんね。

それでも中には勉強しているやつはいて『0点になるかと思った!』とか言ってても、なんやかんやで70点台を軽く叩き出す裏切り者もいる。

ようはあの会話ってリア充になるための必要不可欠な会話なのかもしれない。

ところでこの隣に座っている女はテスト勉強とやらをしているのだろうか?

頭悪そうだからしてなさそうだけど、そんなこと言ったらマジで殺される。

じーっと見ていると、木村に気づかれて目が合ってしまった。

俺はいつも通り目が合うと死んでしまう病なので、ささっと目線を逸らす。

木村はさして追求はしてこなかったが、チッと小さく舌打ちをした。



授業中も隣の木村からいつ蹴られるのかとヒヤヒヤしていたが、意外と何もなくいつも通り家に着いた。

いつもならばこのまま部屋に入るなりネトゲと洒落込むところだが、朝も言っていたようにテスト一週間前なのだ。

ならば勉強をするしかないでしょう。

そういうことで勉強をするために机にノートと教科書を置いていざスタート。


「お兄ちゃん」


こいつのタイミングの悪さはとてつもないな。人生諦めかけた頃のノストラダムスの大予言と同じくらいにタイミング悪いな。そのまま人生諦めちゃうよ。

ってゆーか帰ってきてたのかよ。全く気付かなかった。


「なんだよ。これから勉強するんだけど」

「なんか女の人来てる」

「女の人?」


・・・えっ? ちょっと、嘘でしょ? 俺を訪ねてくるってどういう神経してるの?

俺はカレンダーを確認した。とりあえずバレンタインデーでは無い。

何の用だ? ってゆーかマジで誰だ?

俺を訪ねてくるような女・・・ってゆーか男すら訪ねてこねーし。


「ど、どんなやつだった?」

「木村っていう人」


自宅特定キター。

マジこえー・・・

なんなの? 学校ではできないようなことをするつもりですか? もうボロ雑巾として使われるフラグですか? まだ時止めてないしシャーリーも殺してないのに・・・

とりあえず出るしかないだろ。家の前にいられて誰かに見られたらたまったもんじゃない。

慎重かつスピーディに玄関へと向かう。


「お兄ちゃん。こっち」


そう言ってリビングを指さす弟。

この子にはちょっと常識を教えておかないといけませんね。めんどくさいセールスの人だったらどうすんのさ。まぁこいつも似たようなもんなんですけどね。


「・・・なにしてんの?」

「ちょっと話があってさ」


俺・・・こいつ帰ったらテスト勉強するんだ・・・いい人生だったなぁ・・・

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


今、ファンタジー考えてます。


次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ