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ぼっちデイズ  作者: シュウ
一章
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べんちできゅうけい

ひらがなで書くとなんでも萌えてしまうような気がする。

『じぇっとこーすたー』、『じごく』、『きもちわるい』、『おうと』

はい。わかったと思うかもしれませんが、吐きました。

じぇっとこーすたーさん、こわい。


「はぁ・・・」


ベンチに座って、完全に乗り物酔いで潰れている俺の隣で、ポチポチとケータイをいじっている木村。

もう一人にしてくれたほうがいっそ楽なんだけど、一応自分に責任があると思っているのか、さっきから心配はしないものの一緒にいてくれている。

そんなことで俺は感謝しないよ? だってぼっちは一人に慣れてるもん。別に寂しくなんかないんだからね。

多分大人になって一人暮らしとかして、風邪引いても自分で看病できると思う。だって誰も看病してくれないなら自分でなんとかするしかないでしょ? ぼっちはそーゆー技術が高いんだと思う。つまりそーゆー能力がある人間しかぼっちになれないってこと。ぼっちになるにも素質があるんだと俺は思った。

ってゆーかさっきからコイツ何してんの? リア充ってケータイで何してんの?

オタクならケータイゲームとかあるじゃん。コンプガチャとか、ただのデータにお金を出しまくったりもするじゃん?

でもリア充ってそういうゲームに『マジでウケるぅ』とか言ってバカにするだけじゃん?

あれか。ツイッターとかラインとかしてんのか。

ツイッターってリア充にはピッタリだよな。

だってこの世のリア充の大半が『かまってちゃん』になるわけだから、そのかまってちゃん達が『かまってかまってー』する場所を作り上げたんだよ? 開発者マジ神様。敬意を評するね。

でもその一方でツイッターってバカ発見器って言われてるんだよね。


『万引きなう』

『マックの引換券パクッたなう』

『お金印刷したなう』

『チャリで来た』


みたいな感じで、自分の犯罪を世間様に好評したりするやからもいるわけ。

ちょいワルなところをアピールしてるつもりなんだろうけど、それただの犯罪ですからね?

しかもそれをやってるのが大学生とか高校生だって言われると、日本終わったなぁって思う。

まぁオタクが蔓延してる段階で終わってるんだけどな。いや、逆に始まったのか? オタク大国日本が始まったのか?

頭がいい人はどこかおかしいって言うように、日本も明晰な頭を別のベクトルに向けちゃったからおんなことになってるんだろうなぁ。さすが日本。日本に生まれてよかった。


「もうほかの友達のとこ行ったらいいじゃん」


俺はそれなりに気分が落ち着いてきたので、隣でケータイをいじいじしている木村に言った。

隣にいられても何もしないんだったらどっかに行ってくれたほうがマシだ。正直気まずい。


「別にどこに行こうと私の勝手でしょ」

「いや、勝手だけどさ、楽しむとかなんとか言ってたのは誰だよ」

「もういいじゃん。うるさいなぁ」


そう言われると返す言葉がない。

ここは遊園地のベンチであって俺の部屋ではないのだ。だから誰が使っていても悪くはない。つまり隣でジェットコースター酔いしたやつが座っていようとも、リア充が座っていようとも別に問題はないのだ。

しばらくまた無言が続いた。

せっかくだから聞きたいことでも聞いてみるか。


「あのさ、なんで俺と一緒にいんの?」

「別にいいじゃん」


お前それしか言えないの? それとも流行語大賞とか狙ってるの?


「さっきも言ったけど、これはオタトークをするために仲良くしてるだけで、変な気持ちはもってないからね」

「ツンデレ?」

「足、潰されたいの?」

「すんませんでした」


うわぁ。マジでこえぇ。日向小次郎よりもこえぇ。油断してたらレヴィンシュートとか打ってくるんだろうな。顔面で受ける勇気無いです。


「まぁ・・・一応あんたが酔ったのも私のせいだし。そもそもあんたがジェットコースター苦手だって知ってたら無理矢理乗らせなかったし」

「いや、俺もあそこまで弱いとは思わなかった」

「もしかして初めて乗ったの?」

「そもそも遊園地の乗り物に乗ったのが初めてだな」

「マジで? そんな人居るんだ」

「悪かったな」


子どもの頃も遊園地とか連れていってもらったことないし、もし連れていってもらったんだとしても、小さすぎて覚えてない。


「別に悪くないけどさ」


なんなんだ。こいつ。めんどくせぇ。


「ってゆーか俺と一緒にいて大丈夫なのか? こんなとこで一緒にいたら誰かに見られるぞ」


男と女が一緒にいるとそれだけでカップルに見られるってもんだ。


「いざとなったら他人のフリするから大丈夫」


それって大丈夫なの?


「何気に酷いこと言うよな」

「酷くないわよ。だってあんたと仲良くしてるなんて思われたくないし」

「はいはい」


相変わらずこいつの考えてることは意味がわからん。

思われたくないなら一緒にいなければいいのに・・・ハッ!

もしかしてこいつ、口では色々言ってるけど、実は俺に惚れてるんじゃね?


「ちょっと何よそのニヤけた目は」

「ハッ!」

「言っておくけど、あんたのことなんか好きでもなんとも思わないからね。オタクだって言うだけで仲良くしてるんであって、あんたがただのキモオタならホントに話しかけもしないし」

「お前のほうがキモオタだしな」


足に蹴りが飛んできた。

加減しているのか、いつもよりは痛くなかったが、それでも痛かった。


「照れ隠しか?」


また蹴られた。はやくこの痛みが快感に変わらねぇかな。いつまでたってもこれじゃ身が持たない。

こいつがツンデレ発言するのが悪い。ツンデレに反応してしまうというのは、オタクの宿命なのだ。


「あんた・・・ドMなの? 蹴られたいから言ってるんでしょ?」

「別にそんなんじゃねぇし。・・・ん?」


俺と木村がこんなやりとりをしているとどこかで見たような顔をしたやつが、俺と木村の座っているベンチに近寄ってきた。


「紗枝、何してんの?」

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


なにやらリア充仲間が出てきました。


次回もお楽しみに!

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