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ぼっちデイズ  作者: シュウ
一章
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よけいなもの

なぜだか一人で物思いにふけろうと思っていたのに、木村がついてきてしまった。マジでいらねぇ。ジーパンのポケットの中についてる小さいポケットと同じくらいいらねぇ。

せっかく今日この日のために、頭の中で考えたいことを考えてきたのに、それが無駄になってしまった。

例えば英語の教科書に出てくるトムの頭の悪さとか。


「私はベンですか?」

「いいえ。あなたはトムです」


とか


「これはパンですか?」

「いいえ。これはメアリーです」


みたいな。トム、眼科行った方がいいよ。

だいたい友達の輪に入るのが気まずいからって、俺と行動することないよね。俺に迷惑だろ。やっぱりリア充界ではぼっちに人権はないらしい。


「で、どこ行くの?」


そしてこれだよ。

俺にどうしろと。

なんで「選択肢を作る権」はあるんだよ。肩たたき券かよ。握手券にしてくれ。


「どこも行かん」

「なんでよ。何も乗らないの?」

「元々乗るつもりないし」

「はぁ?」

「そんな怖い顔されても俺は乗る気はないからな。乗りたいなら一人で行けよ」

「あんた、そんなんだと彼女できないわよ?」

「別に彼女なんて作る気ねぇし」


リア充が言うと嘘にしか聞こえないが、ぼっちやオタクが言うと僻み(ひがみ)とか妬みとかにしか聞こえないから不思議なもんだ。

でも俺は違う。

彼女に気を使って自分を失うよりも、一人で悠々自適に生きたい。今カッコいいこと言ったよ。テストに出るからねー。


「彼女できないだけじゃん」

「そ、そんなことねぇし! 作らないだけだし!」

「その言い方だと好きな人居るみたいに聞こえるけど」


この質問って、もしかしてこいつ俺に気があるのか?

いやいや。こんなすぐに足が出るような女には好かれたくない。


「好きな人なんていねぇし。だって俺は二次元しか愛せないし」


そうだ。二次元は正義だ。

三次元はすぐに見た目が変わったり性格が変わったり年取ったりするけど、二次元ならいつまで経っても変わらないし俺のことを一途に思ってくれるし歳をとらない。二次元最高!!

あとは画面から出てきてくれたら言う事無しなんだけどなぁ。全く・・・液晶が邪魔くさい。


「うわっ。いくら私でもそれはないわ」

「ふん。お前にわかってもらおうなんて思ってないし」

「はいはいそうですか。どうでもいいからどっか行こうよ。時間無くなるよ」


こいつの行動力なんとかならないの?

誰かマドハンドさん呼んできて、木村の足押さえててくれるように頼んできてもらえる?


「だから行かないっつーの」

「意外と頑固だよね」

「お前に言われたくない。なんでそんなに行きたいんだよ」

「だってすることないじゃん」

「いやいや。それはお前だけだろ? 俺はちゃんとこの遊園地でするべきことを用意してから挑んでるんだ。俺の覚悟を邪魔すんな!」

「なんなのよ。あんたがオタトークをするためには仲良くしないとダメって言うから誘ってんのにさ」


それが本音かい。

ってゆーか仲良くするまでの方法が強引すぎるだろ。


「そういう理由かよ」

「そうじゃなかったらあんたなんか誘わないし」

「何それ。ツンデレ? イデッ!!」


イデオンなんか呼んでないからね。

こいつ本気で足の甲を潰しに来たよ。

『未来のサッカーA代表の俺の足を潰すことによって、日本のサッカーのレベルがどれだけ下がると思ってるんだ!!』と言いたいところだったが、足の痛みで何も言えない。痛すぎて何も言えねぇ。あ、涙出てきた。


「わかったら早く行くよ」

「・・・はい」


もう人権どころか拒否権すらないんですね。

最終的に暴力に頼るとかカタギの人がすることですよ? もうヤンクミって呼んじゃうぞ?

あ、怖いんでこっち見ないでください。

俺は木村の後ろを歩きながら、遊園地の乗り物を見ていた。

観覧車にメリーゴーランド、お化け屋敷にジェットコースター、ゴーカートなんかもある。あとバイキングとか空中ブランコもある。

ちなみに絶叫系は多分乗れるけど、あの空中ブランコだけはダメ。

だってきっと遠心力であの回ってる部分ごと取れちゃうよ? 危ない乗り物には乗らない方が良いと思っている。だから乗らない。バイクも乗らない。滑って転んでポックリとか嫌だもん。

でもジェットコースターは大丈夫。だって超計算されて作られてるもん。全然怖くないし。


「じゃあまずはジェットコースターね」


えっ、マジで?


「おう。全然ヨユーだし」


マジかよ。なんかミサワみたいになりそうなんだけど大丈夫か、俺?

『いやー。マジで眠みーわ。超眠みーわ。昨日3時間しか寝てなかったから超眠みーわ。えっ? 震えてるって? ちげーし。これ武者震いだし。昨日マジで強い奴と戦ってたから思い出して武者震いしてるだけだし』みたいな。

そんな俺の心境なんて全く知らないというように、ズカズカとジェットコースターの列に俺を連れていってくれる。もうエスコートしてくれるとか、木村さんマジデビル!


「早く来なよ」

「進んでるじゃん」

「遅いんだよ」

「すみませんでした」


何故かご立腹の木村さんマジなまはげ。いや、嘘です。ぶたないで。




列もサクサクと進み、乗った。乗った。乗った!

マジで死ぬかと思った。

いやージェットコースター舐めてたわ。今度からジェットコースターさんって呼ぶわ。

・・・いやー、マジで怖かった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


ミサワさん結婚してましたねww

意外でした。


次回もお楽しみに!

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