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ぼっちデイズ  作者: シュウ
一章
12/128

おそろしいまでのやっちまった感

野外学習。

学習とは名ばかりで、この学校は遊園地に学年単位で行って遊びまくろう!という校外学習である。

中学の時もこんな感じだったのだが、これはもう学校によるリア充のためのリア充祭りである。

何人かハメを外しすぎて先生たちに怒られたりもするが、最初から最後までずっとリア充のターンである。そのかわりにぼっちはぼっちらしく、ひと目につきそうにない場所を探してはそこで時間を潰すのだ。

だがしかーし!

そんなひと目につかないところでも侵入してくるリア充がいるのだ。それはリア充のカップルである。固有結界なんてあったもんじゃない。この時期のカップル達は、先生たちの監視を掻い潜っては、人気(ひとけ)のないところでイチャイチャするのだ。もう家に帰ってから好きなだけイチャコラしてろよ。

そんな人気のないところというのはすでにぼっちの住処となっているわけで、そんな場所をプレデターミサイルのごとく簡単に侵入して破壊していってしまう。行き場を失ったぼっちは、仕方なしに他のところを探してまたさまようのである。あぁ哀れなりぼっち。

とかまぁそんなことを考えていると、HRではついに班決めが始まった。

ここでも高度な駆け引きが繰り広げられる。うちのクラスは35人。そこから1グループ5人の班を7つ作ることになる。

そう。どこの班に入ると一人で行動しやすくなるかを見極めなければ、野外学習が大変なことになってしまうのだ。もう乗る電車を間違えたとかっていうレベルではなくなる。ギャルゲーで攻略しようとしていたキャラをフラグの立て間違いで殺してしまうぐらい大変なことである。

とにかく今からぼっちの野外学習は始まっているのだ。

さて。狙い目としてはリア充ほどではないにしろ、そこそこ仲良しグループが固まってるところがいい。そのくらいのグループに入ると、絡まれないし居なくなってもめんどくさくて探さないという素晴らしい特典がついてくる。もしもこれがリア充グループだと、絡まれるわネタにされるわ変に連れ回されるわでもうめんどくさい。俺は一人が好きなんだーーー!!って叫びたくなるレベル。

とはいえどもここで問題が浮上してくる。

小学校から持ち上がりの中学の時と違い、高校に入ってから知った奴らの方が多い。だからクラスの人間関係が分からない。

これは俺のプロファイリング能力を駆使してもちょっとヤバイ。

どうしたものか・・・


「余ったのか?」

「プ・・・川崎・・・」


あぶねぇ。完全に油断しててプジョルって言いそうになった。

どうやら俺が考えている最中に、周りでは着々と班が決まっていっており、残りは数人の一人組達が決まれば終わるような状態だった。そして川崎の班はあと一人だそうで、良かったらということで誘ってくれたらしい。考えすぎるのも良くないな。


「・・・なんで俺?」

「いや、余ってるのかなぁって思って。俺たち、サッカーでゴールを守った仲だろ?」


ナニコノイケメン。惚れてまうやろー!

俺が女だったら川崎に抱かれてるね。ってゆーかモテるんだろうなぁ。

『ゴールだけじゃなくて君のことも俺は守るよ』とか言って口説いてそう。


「見た感じ誰とも組んでなさそうだし・・・どう?」


そう言って出迎えてくれる川崎。

ここまで言われて断れる俺じゃない。


「じゃあ・・・よろしく・・・」

「おう! じゃあ報告してくるな」


そう言って白い歯を見せて笑う川崎。

先生に報告するために離れていく川崎を見送った。

・・・これ、地獄ルートまっしぐらだな。川崎は俺が居なくなったら探すタイプだもんな。あー積んだわ。


「なんであんたが同じ班なのよ」


地獄行きを宣言された野外学習のことを考えていたら、俺の席に近づいてきた木村が声をかけてきた。

えー。こいつも一緒なの? めんどくさ。


「川崎に誘われたんだよ」

「断ればよかったじゃない」

「お前、さっきの川崎見てたらマジで惚れるぞ? 超かっこよかったし」

「ふんっ」


何か不満だったのか、木村は鼻をならして去っていった。

なんなんだよ。意味不明。

そんなわけで俺は川崎グループの傘下に入ることになった。

川崎グループは、川崎・川崎の友達・木村・木村の友達・俺という5人だった。俺だけ仲間はずれ。ポーカーで2ペア揃った時の残りの1枚状態。

どうすっかなぁ。本気で休むことも考えないとダメかな。

まぁ内申点を悪くしたくないから行くけどさ。行くけどさぁ・・・

はぁ、しんど。幸せ一杯飲もうかなー。

だれか幸せくださーい!!

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけるとウルトラハッピーです。


野外学習で遊園地は毎年謎でした。


次回もお楽しみに!

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