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ぼっちデイズ  作者: シュウ
六章
114/128

協力者たち

どうしてこうなった。


「いや、だから私は織田さんを学校にいるときに、ここに来るように呼んだほうがいいって言ってるじゃん」

「織田はここ知らないだろ。だから学校のどこかに呼び出すのがいいって」

「紗枝ちゃんと仲直りするのが先の方がいいんじゃないですか?」

「もうカレンとしては、仲直りしない方がいいと思います! あんな女は放っておけばいいんですよ!」

「秋山。全然解決になってないじゃん」

「・・・・・・」


ホントどうしてこうなった?

オホン。ちょっとレポーターごっこでもしちゃおうかな。

えー、わたくし、ただいまとあるお宅のリビングに来ております。

そのリビングの真ん中にあるテーブルを6人で囲んであーでもないこーでもないと話し合っております。

どうやら内容は、例の木村さんと織田さんのことのようです。

織田さんをどこに呼び出すか、木村さんの問題を先に片付けるか、それとも違う意味で木村さんを片付けるか、など色々な議論が飛び交っております。

っていうか、なんでうちの弟軍団も混ざってるわけ?

いやね。作戦会議をするために、俺の問題だからってことで、俺の家でやることになったんだけど、たまたまうちの弟が家で遊んでで、まぁ可憐ちゃんあたりが興味津々で近づいてきたわけですよ。そしたら弟が『迷惑でしょ』とか言いながらなんやかんやで参加してきて、挙句の果てには浩一くんも暇だったからってことで参戦を決意。

結局、弟軍団を含めた3人を加えた計6人での作戦会議を行うことになった。


「こんなんじゃ一向に進まんぞ。どうするんだよ」

「じゃあお兄ちゃんもなんか案出してよ」

「そんなこと言ったって、俺が参加するまでもなくドンドン話進んでるじゃねぇか」


チャットで文字打ってる間に会話が進んでて、打ち終わった時にはすでに違う話になっちゃってた時みたいな感じ。

全員が自己主張が激しすぎるんだよ。もうほとんどツッコミ役に徹している浩一くんよりも喋ってないもん。


「お前が作戦会議しようって言ったんだろ。お前が案を出さないでどうするんだよ」

「そんなこと言われても、やることは一つしかないだろ」

「その心は?」

「とりあえず話すしかないだろ」

「だからどこに呼び出すかって話をしてるんでしょ?」

「もう二人とも呼んじゃおうぜ」

「「「・・・・・・」」」


あれ? なんかリアクションがおかしいぞ?

一番手っ取り早いと思うんだけど。無理にどっちがーとか悩むよりはそっちのほうが良くね?


「まぁ・・・お兄ちゃんの考えることなんてわかってはいたけど、そこまでとは思ってなかったかな」

「おい弟よ。今の発言はどういう意味かな?」

「じゃあ聞くけど、誰が呼ぶの?」

「そりゃあ・・・お前だろ」

「僕が呼んで来ると思うの?」

「・・・来ないと思います」


あー見えて意外とガンガンガンガンガンコちゃんな木村のことだから、適当に理由をつけて断ってきそうだ。


「じゃあ織田さんはどうやって呼ぶの?」

「メール?」

「アドレス知ってるの?」

「俺は知らないけど・・・渡辺とか知ってるんじゃねぇの?」

「知ってたらお前経由で仲良くなろうとは思わないだろ」

「うわっ。俺のことを踏み台にしたな」

「吉川さんも知らないって」

「まぁそれは予想できた」

「ほら。連絡できないでしょ?」

「・・・はい」


オゥフww誰も連絡できないとかマジワロスww

・・・って笑えんわ!!


「じゃあどうするんだよ!」

「それを考えてるんでしょ」

「あ、はい」


弟の厳しい目線が俺の勢いを殺した。

もう話さないようにしようと心に決めた。


「じゃあどうする?」

「どうしましょうか・・・」

「うーん・・・」


悩む渡辺と吉川さんと弟の3人。

そんなとき可憐ちゃんが口を開いた。


「わかりました! じゃあカレンがあの女を呼んでやります!」

「えっ?」

「可憐ちゃん、紗枝ちゃんの連絡先知ってるの?」

「言いたくなかったんですけど、あの女とは一時停戦協定を結んでいた時があったんです。それからケータイを変えていないなら知ってます!」


すごく悔しそうな顔をしながら可憐ちゃんはテーブルの上に立ってそう言い放った。

弟に下ろされて絨毯の上に足をつけた。

とはいえ、まさか木村に連絡するのが可憐ちゃんになるとは思ってもみなかった。


「というわけで、今から凸電してやります!」


ポケットからケータイを取り出すと、ピポパポと操作をしてケータイを耳につけた。

その様子を緊張した面持ちで見守る一同。


「あ、もしもし。カレンですけど。木村さんのケータイで合ってます?」


圧倒的な丁寧に、俺たちは肩透かしを喰らったような感じになった。


「・・・あっ。うん久しぶり。えっ? ・・・ちょっとやめてくださいよー。まだそんなんじゃないですってー」


からだをクネクネさせながら話しているカレンちゃん。

なんの話してるんだ?


「えっ? あっ! そうでした! ちょっと言いたいことがあるんです!」


今、絶対に電話した目的忘れてただろ。なんてやつだ。


「ちょっと幸人くんの家に来なさい! これは命令だ! 貴様に拒否権などない! 今すぐだ! わかったなら今すぐに来やがれってんだぁあああ!!」


そう叫んでケータイを閉じた。

満足そうな顔をして、俺たちを見下ろす。


「やってやりました!」

「えっ、あれで来るの?」

「あいつは絶対に来ます!」

「その根拠は?」

「女の勘です!」


俺たちはエヘンと無い胸を張っているカレンちゃんを、口を開けて見上げることしかできなかった。

・・・人選ミスったかな・・・

ここまで読んでいただきありがとうございました。

感想とか書いていただけると嬉しいピョン。


久々にコメディっぽくなった気がします。

渡辺とぼっちくんの口調が似てきた気がするのは気にしない方向でお願いします。


次回もお楽しみに!

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