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ぼっちデイズ  作者: シュウ
一章
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ヒキツリスマイル

学校へ到着する。

俺はいつも10分前行動をする。今日もいつものように落ち着いて学校へ来て席へと座る。

ふと隣の席の人、もとい木村の席を見た。

カバンは机の上に置いてあるものの、木村本体がいない。

どうせリア充グループと集まって話したりしているんだろ。

その時大きな笑い声が聞こえてきた。


「アハハハ! 昨日の夜中にさ、メールしてたんだけど、マユのやつが寝落ちしやがってさぁ!」

「だからごめんって言ってるじゃーん」

「でねでね! あんまりにも暇だったから、テレビつけたのよ!」

「寝ろよー!」


アハハハ!と頭の悪そうな会話を繰り広げている連中がいた。その中に木村の姿を見つけた。

あいつもよくあんな連中と話してられるよな。

俺なら無理だね。デッキからカードを引いて『くっ! ブルーアイズ・・・許せっ!』とか言ってカード手裏剣でサクサクっと倒したくなる。あの世界のカードは高価格だから、きっと金属製なんだよな。バイクの上で並べても風で飛ばないし。

そうそう。いつになったらうちの近所でも『おいデュエルしろよ』って勝負を仕掛けてもいいようになるんだ? かれこれ7~8年は待ってるぞ?

ふと俺が見ているのに気がついたのか、木村がこっちを見た。

やべっ・・・と思ったが、木村は何事もなかったかのように目をそらした。

そういえば俺と木村は学校ではただの隣の席の人なんだよな。

昨日のメールとか電話とかがまるで夢のようだ! でも夢じゃなかった! メイちゃんがそう言ってた。

頭の悪そうなグループの話はまだ続く。


「でさでさ! その時になんかマンガが始まったんよ!」


ピクッと木村が反応した。


「そんな夜中にマンガってやってんの?」

「アタシも初めて見たんよ! でねでね! なんかみんなこんなに目がデカイの!」


そう言って顔を手の平で縁どるようにして大きさを表すリア充。

それだと一つ目だろ。目玉オヤジかよ。


「どんだけー!」

「マジマジ! どこに脳みそ入ってんのって!」

「顔のほとんどが眼球で出来てるんじゃね!?」

「「アハハハハ!」」


楽しそうに笑うリア充達。その中でも顔を引つらせながら笑っている木村は、とても浮いているように俺には見えた。

よくあんな連中と一緒にいれるよな。

木村の笑顔を見るところ、多分あの時間にやっていたあのアニメは木村が見ているアニメなのだろう。

たしかにアレは目がデカイ。

コンタクトとかで黒目を大きく見せるやつとかあるらしいけど、そんなレベルじゃない。

目が大きいほうがいいなら顔のほとんどを目にしちゃえばいいじゃないって状態。

まぁ見たことないアニメをあれこれ言うのはルール違反な気がするからあんまり言わないけど。

一般人から見たら『なにこれ。どう見ても小学生じゃん』ってキャラが『小学生だと思った? 残念。28歳でした!』なんてのは最近アニメにはよくあること。合法ロリというやつだろう。

ちなみに俺はロリコンじゃない。かといって年上が好きというわけでもない。一番は同い年だ。これ以外の異論は受け付けない。同い年最強説をここに確立する。だから幼馴染みなんかは最強であって彼女にしたいタイプNo1だ。どうして俺には幼馴染みが居なかったんだろう。両親のご近所付き合いの悪さのせいだな。共働きだし。

幼馴染みと言えば、幼馴染みが男だった場合ってよくBLのネタにされてるよな。

そういう意味では幼馴染みが居なくて良かった。俺はノンケでも食っちまうんだぜ系幼馴染みだったら人生積んでたわ。両親に感謝しよう。


きーんこーんこーん

「はいチャイムなったぞー。席つけー」


チャイムが鳴って先生が教室に入ってくる。

先生って廊下でスタンバってるのかな? 鳴ってから入って来るまでが超早いんだけど。瞬歩使えるの?

クラス内で散らばっていた生徒達が席につく。当然隣の席に木村も座る。

それと同時に先生の話を無視して、ノートに何かを書き始める木村。

俺はなんとなく予想できた。

そして差し出されるノート。


『目が大きいと何がダメなのさ! 自分だって化粧して目大きく見せてるじゃんね!?』


いや、その理屈はおかしい。

二次元と三次元は大きな差があるんだ。だから二次元での『目が大きい』と三次元での『目が大きい』は全然違う。

それは木村も分かっているはずなのだが、あえてそう言ってくるということは相当お怒りなのだろう。席に座る前に俺の座っている椅子を蹴ったのもそれが原因なのね。コワイコワイ。

触らぬ神に祟りなし。

俺はチラリとノートを見て先生の話に耳を傾けた。

すると足に蹴りが飛んできた。

今すぐにことわざの訂正を要求する!!

仕方なくルーズリーフを取り出して筆談開始。


『痛いんですけど』

『あんたがムシするからでしょ』

『学校では関わるなって言ったのは誰だよ』

『へりくつばっかりいって』


屁理屈って・・・ただの正論じゃないの?


『もう蹴るなって言ったのに』

『あんたがちゃんとしてればけらないわ』


お前のほうが屁理屈だろうが。

足癖悪すぎー。

先生の話が終わりに近づいてきたっぽいのでちょっとだけ耳を傾けた。


「というわけだから、今日の5時間目のHRは今度の野外学習の班決めとかやるからなー」


かしらかしらご存知かしら? 野外学習ってぼっちには大変なんですよ?

かしらかしらご存知かしら? 野外学習ってぼっちには地獄なんですよ?

嫌なところだけ聞いちゃた。学校やめたいなぁ・・・

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


好きなアニメをけがされることの悲しみ。

木村は怒るタイプでした。


次回もお楽しみに!

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