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ぼっちデイズ  作者: シュウ
六章
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やつあたり

11月。

テストが終わり、木村のバカは連日補習を受けていた。追試があるとかで、真面目に勉強しているらしいけど、あいつの『真面目』なんてたかが知れている。どうせ『昨日は徹夜だったわ・・・』とかってぐらいの、一夜漬けでしょ。そんなんじゃ漬物だって美味しくなりませんわ。

俺はいつも通りの平均点よりちょーっと高いぐらいの点数を維持していたので、のんびりとした学校生活を送っている。

ってゆーか補習とか追試とか受けないとダメな奴ってホントにいるのな。

不良チックで学校に来てないような人が受けるもんだと思ってたら、そうでもないみたいで、木村以外にも同じクラスからは他に2人も呼ばれていた。バカばっかり。

そんなわけで、補習を受けている木村をほったらかして家に向かっている俺。一人で帰るのが普通なので、特に寂しいとかは無い。俺ってばマジで鋼のメンタル。ちょっとのことでは動じないぜ。そろそろ錬金術とかも使えそうな気がしてきた。そのためにはまず弟を鎧にしないとな。

テキパキと歩いて家に着いて、部屋に入るなりパソコンをつける。

ここまでの動作は毎日の習慣になってしまっているので、きっと動画の編集とかするときに違う日の映像を差し込んでも全然問題ないと思われるレベル。

最近、マイクラは誰かとやったほうが面白いというのに気づいて、誰かとやりたいと思っているのだが、いかんせん友達がいない。

なので、マイクラの世界にダイブすることは全然無く、またネトゲの世界へとダイブすることが多くなっていた。

前に所属していたギルドからは、気がついたら除名勧告を受けていたので、仕方なしに新しいギルドに入り、そこで新しいギルドメンバーとの友好度のアップに励んでいた。

チャットルームに入ると、すでに何人かが会話をしており、ちょっとだけ流れを読むためにチャットのログを見ていた。


『やっぱりアッシュとカインのカプは外せないよねー』

『アシュ×カイでしょ?』

『カイ×アシュでしょ。異論は認めない』

『いやいや。何言ってんの? カイの強気受け以外ありえないっしょ』

『カイはツンデレ攻めがいいんだって!』

『私はカイ様に抱かれたい!』

『スイーツは黙ってろ!』

『にわかが口挟むと怪我するよ』


こ れ は ひ ど い 。

アッシュとカインというのは、このネトゲのNPCで、どちらも時々現れては助言をして去っていく。

アニメのポケモンでいうところのジョーイさんとジューサーさんみたいな感じだと思ってくれると話が早い。その2人はあんまり絡むことはないんだけど、いかんせんイケメンだったこともあってか、腐が付く女子層にはそれなりの人気を誇っていた。イラスト投稿サイトとかでもたまに上がるレベル。

それにしてもあっさりとギルドへの参入を認めてくれたから、とても心の広い人だちの集まりだなーとか思ってたら、これだよ。

結構大きいギルドで、確か25人ぐらいのギルドだったはず。

他にももっと真面目な人から、面白い人まで色々いるんだけど、このメンツは酷い。

とりあえずはこのメンバーとのチャットに参加するのは無理だと思い、パソコンの右上の×を押した。

このネトゲもそろそろ潮時だろうか。

俺がマイクラになんかハマってしまわなければ・・・

前のギルドを除名されてなければ・・・

そんなことを考えながら、ニコニコできる動画のランキングで面白そうなのを探した。

とりあえず上がっていたマイクラ動画を見ていると、気がついたら夜になっていた。

いつもならここで弟が気配も無く忍び寄ってきていて、『夜ごはんできたよ』とか呼びに来るはずなのだが、その気配も感じない。

おかしいと思って下に降りてみると、誰もいないのか、リビングは真っ暗だった。

こうやって知らないうちに部屋が真っ暗になってると、ドラえもんの『独裁者スイッチ』の話思い出すよ。あれは見てて怖かった。いくら時間経過で効果が切れるとは言っても、『みんないなくなれ!』って思ってスイッチ押しただけで全員消えるとか怖すぎる。

とはいえ、俺はスイッチを持っていなければ、そんな猫型ロボットにすら会っていない。会ってたらもっと違うもの頼むわ。天狗の抜け穴とか。あ、これキテレツか。

頭の中でそんな冗談を考えていてもしょうがないので、リビングの電気を点けてカーテンを閉めた。

そして腹が減っては戦はできぬとばかりに、冷蔵庫を漁りにキッチンへと向かった。


「な、何もない・・・」


冷蔵庫を開けると、泥棒にでも入られたかのように空っぽだった。

ここまで来ると逆に新鮮! これだけ綺麗に使うのは至難の技だと思いました。

はい。思ったところで腹が膨れるわけでもないので、とりあえずお湯を沸かした。

そして自分の部屋へと戻って、クローゼットを開けて、秘蔵のカップラーメンを取り出してそれを持ってキッチンへと戻る。

そして湧いたお湯を注いで、箸と一緒に持って自分の部屋へと直行。

パソコンでまたマイクラ動画の続きを見ながらカップラーメンをすすった。うん。うまい。

こういう生活をしていると、『あれ? 俺って一人暮らしとか出来ちゃうんじゃね?』とか思うこともしばしば。

カップラーメンを食べ終わって、寝転がってパソコンを見つめていると、弟がドアを開けて部屋に入ってきた。


「ただいま」

「おかえり。遅かったな」

「?」


不思議そうな顔をする弟。

俺、なんか変なこと言った?


「ご飯買ってくるって言ったでしょ」

「はい?」

「だから、お母さんと夜ごはん買ってくるねって声かけたよね?」

「・・・えっ?」


そんなの知らない・・・俺の知らないうちにドンドン話が進んでいたようだ。ボスの仕業か? いや、どうせ俺がマイクラ動画を見ていた時の出来事なのだろう。我ながらすばらしいまでの集中力だ。

そして弟が、机の上に置いてある空のカップラーメンの容器を見つけた。無駄にあざとい!


「・・・もしかして食べたの?」

「いや、だって腹減ってたから・・・」

「じゃあお兄ちゃんは夜ごはんいらないってことで」


ガビーン!

で、でもどうせ惣菜とか買ってきたってことだから、ろくなものは・・・

部屋を出ていこうとした弟が立ち止まって言った。


「あ、ちなみに今日の夜ごはんは、お母さんが作るのめんどくさいってことで、ピザ頼むって」

「ガビーン!!」


そう言い残して弟は階段を降りていった。

ピザは俺の大好物なのに・・・

俺は成すすべもなく、パソコンから流れてくるゆっくりボイスを聞きながらガックリとうなだれた。


マイクラのバカヤロー!!


ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると大変嬉しいです。


お待たせいたしました!!

ついに更新再開となります!

相変わらずの低クオリティではありますが、これからも応援していただけると嬉しいです。


では次回もお楽しみに!

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