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俺の人生ヘルモード  作者: 侘寂山葵
水晶平原
28/109

4−8



 暗い……袋の中で〝私〟は思考の海に沈んでいくことしかできない。

 考える事は相棒の事ばかり、大事な、大事な私の相棒……。

 

 私という存在が生まれたのは多分、ずっと昔からです。でも私という意識がはっきりと芽生えたのは、ごく最近。

 暗く深い沼の底、グランウッド内で、微かな意識漂わせ続けていたあの日。

 人の成れの果てを吸いながら、知識を少しずつ根から吸い上げ、外に思いを馳せていた……。

 そう、初めて相棒に会った時だと思います。

 相棒には初めて会った時、自分でも何故か分かりませんが、この人と一緒に行くべきだっ、と私には無いはずのナニカが叫んだ気がしました。


 一緒に旅をして、一緒に冒険をして、私が見た事のない景色を見せてくれました。私が感じたことの無い、思いを教えてくれました。

 二人でいればどこか心が暖かくなって、楽しくなってきます。

 そばにいると楽しくて……楽しくてしかたがないんです。


 ずっと離れないと思っていたのに、絶対に離れないと思っていたのに。


 地割れの底に落ちて行ったあの時、必死に手を伸ばしたのに届かない……腕だけの私では、彼の元まで届かない。


 相棒は一人で寂しがっていないだろうか、泣いていやしないだろうか。彼は、本当は臆病で、泣き虫で、寂しがり屋なのですから。

私が付いていてあげないと、いけないのに。一緒にいてあげたいのに。

 身体があれば、今すぐにでも探しに向かうのに……無い筈なのに、私に心臓なんて無い筈なのに、なんでこんなに胸が張り裂けそうになるんでしょう。私に身体なんて無いのに、なぜまるで、半身を失ったような気分になるんでしょう。


 苦しくなる、寂しくなる……。


 ドンドン、と落ち続ける気持ち、中々動く気がしない。

 魔力自体は、先ほど初めて飲んだ魔力の篭った水のお陰で少し力が上がった気がしますが、とても今の気分じゃ喜べそうにもない。


「――――ッ!」


 袋の中で落ち込んでいると、何か聞こえてきた気がしました。

 なんでしょう? リーンちゃんの慌てた声だった気がします。

 少し気になりゴソゴソ、と袋から出ていけば、何故かリーンちゃん達が無抵抗で首を絞められている様子が見えました。


『リーンちゃんッ! 何で抵抗しないんですかっ』


 何故でしょう、分からない。リーンちゃん達の目が、虚ろになっています。幻覚か何かの攻撃なんでしょうか。

必死でリーンちゃんの首を絞めている手をどかそうと試みますが、武器も無い私では、リーンちゃんを助ける事も出来ない。


『目を覚まして下さいッ。リーンちゃんお願いだから抵抗をして下さいっ』


 届かない、やはり声は届かない。


 どうしてっ、どうしていつも、大事な時に私は何もできないんですかっ!

 ――助けたい、助けたいのに。相棒だってリーンちゃん達がいなくなったら悲しむはずなんだ。届かせたい、この声を皆に、相棒に届かせたい。


『お願いですっ。目を……目をさましてっ……お願いですからぁ』


 ギリギリ、と絞められる手を叩くがビクともしない。起きて、起きて。


 助けて、誰か助けてください……。


『……助け……て、だすけてくださぃ、あいぼおおおっ』


 その瞬間私の力が何かに流れ込んだ気がした。


「――――ッ!」


 突然、弾ける様に目が覚めるリーンちゃん達。少し抵抗しているようですが、まだ上手く動けないのか、状況は変わりません。

 諦めそうになる。挫けそうになる。だけど……。


 ――バギィッン。


 突如、リーンちゃんを苦しめていた筈のモンスターが、キラキラと光りながら砕け散ってしまいました。

 目の前に……黒いローブが翻る。私の声に駆けつけて来てくれたのだろうその人は、ローブはボロボロになっていて、手足に包帯を巻き、頬には額からながれた血がベッタリと付いた……ここまで来るのは大変だったのだろう、いっぱい、いっぱい苦労した筈です。

 

 でも、来てくれた。


 ――私の相棒。


 目があれば良かったのに、そしたら嬉し涙が流せたのに、身体があれば良かったのに、そしたら相棒に抱きつけたのに。


「てめぇら、よくも、ドリーを泣かせやがったなッ」


 でも、いいんですっ。だって私の声が届いてくれたのですからっ。




 ◆◆◆◆◆



 

 進んでる途中で急にドリーの声が聞こえたと思って走って来てみれば、またこいつらか。どこまで俺の神経を逆なでするつもりなんだ。

でも、皆まだ無事で良かった。なんど駄目かと思った事か、挫けそうになった事か、今だってまだ安心している場合じゃないのはわかっている。けど、今なら負ける気がしない。


「ドリー、迎えに来たぞっ。おいでっ」


 相棒に向かって片手を伸ばす。リーンの肩にしがみついていたドリーが俺に向かって飛びついてくる。


『メイちゃんさん、会いたかったですっ』

「ああっ、俺もだドリー。だけど取り敢えず、まずこいつらを片付けよう」

『はいっ』


 少しだけ離れていただけなのに、ひどく懐かしい気がしてくる。やっぱり肩に乗るこの重さがないと、調子でないよな。

一先ず、ラングとドランに群がっている人型水晶を吹き飛ばし、二人を解放する。リーンの方も動けるようになったようで、ひどく驚いた顔でこちらを見ていた。


『相棒、この部屋から先ず皆を出すべきだと思いますっ』

「それもそうだなリーンっ」

「ええ、確かにドリーちゃんの言うとおりね。先に部屋から出るわ」


 ……ん?


 なにか違和感を感じたような、――いやそんな事を考えている余裕はないか、目の前には敵が迫っているのだから。

迫り来る様々な人の姿をした、人型水晶達を槍斧で吹き飛ばしていくが、やはり出てくる知人の姿に、ビクリ、と身体が硬直してしまった。

 違う、アイツらは本物じゃないんだ。気にしたら駄目なんだ、今はそんな事してる場合じゃないんだ。

しかし、やはり何度見てもジクリ、と痛む心。

 

 だが、気分が落ち込んでいく暇もなく、肩の上で腕を振り回しているドリーの声援が聞こえてくる。妙にテンションが上がっているのか大はしゃぎである。


『いけいけー、メイちゃんさん。そこですっ、おおっ! かっこいいぞー相棒っ。今、めちゃ輝いてますよっ』


 おい、やめろって、そんな褒めるなよ、恥ずかしいだろドリー。


 痛む心はドリーの声援で持ち直し、眼前の人型水晶を次々と破壊していく。やっぱりこいつら自体はあまり強くないんだな。蟹並の強敵だったら俺一人じゃどうしようもなかった。ある意味助かったと言えばいいのか、こいつらで。

 お、リーン達も逃げられたみたいだな、俺も早く脱出しないといけないな。

ワラワラ、と俺に群がってくる人型水晶達を、力任せに砕きながら出口を目指して駆けて行く。

 ――ごめんな、皆の事忘れたわけじゃないんだ。でも、こっちでも俺、大事な物が出来つつあるんだ。だから……いってくるよ。


 今更本物だとは思っていないが、知人の姿をした人型水晶に心の中で声を掛け、部屋を飛び出した。



 ◆◆◆◆◆



 広めの通路までどうにか逃げ出し、座り込みながらドリーの治療を受ける。どうやらモンスターは居ないようなので、少しは休めそうだ。


「でもさ、良かったよ、みんな無事で」

『それはこっちのセリフですっ』

「ドリーちゃんの言うとおりよ心配したんだからね」

「うむ、ドリー殿に同意」

「んだんだ」


 …………。


「なあ、いつの間にドリーの声が聞こえるようになったんだよ皆」

「……え?」

「むむ」

「あー」

『……相棒、事件ですっ。私の声が皆に聞こえるようになっていますっ』


 うん、ドリーそれ今、俺が言ったからね。――ドリー自身かなり混乱しているのかもしれないな。


「それにしても、いつから聞こえるようになったのさ」

『んー、私もよくわかりませんっ。でも、さっき何も出来ない自分が悔しくて、皆に、相棒に、声が聞こえたらって思ったら、何か魔力が別に流れていったのは感じましたっ』


 別の所に魔力ね……ん? あれ、ドリーが何時もとちょっと違うような……。


「あーー! ドリー、花がっ。腕輪に花が咲いているぞっ」


 ドリーのつけているヨモギの腕輪。最近蕾が出来ていたのは知っていたが、今では白い可愛らしい花がチョコン、と咲いていた。


『――ッ! おおおおっ、本当ですっ。きっと、さっき吸った水のお陰かもしれません。どうしましょう相棒、ここはビシッと教育したほうが良いのでしょうかっ、お母さんとしてっ』

「いや、ごめん、わかんない。まず、花相手にどう教育するかのほうが気になるんだが」

『盆栽教育ですっ』


 それは中々新しい教育方針だなドリー。


「メイ達っていつも、そんな会話してたのね。正直想像どおりすぎて、安心したわ。――でも、びっくりしたわよ。ドリーちゃんの声が違和感がなさすぎて、全然気がつかなかったもの」


 確かにそれは少しわかるかもしれないな。俺も最初に聞いた時は違和感がなさすぎて、普通に受け入れてしまったもんな。


「まあ、それはいいとしても、これからどうしようか。正直俺が来た道を戻っても、さっきと同じような部屋があって、通路はマネキンモドキに塞がれちゃったんだけど」


 正直、あそこを壊して進めるとは思えないんだよな。 


「ならばメイ殿、先に進めば良いではないか」

「んー、ラングの言うことも間違いないんだけどさ。多分この先に進むと絶対主がいる気がするんだよ。リーン達が落ちていった時にモンスター達が妙に焦ってたから、間違いないとは思うんだけど」

「そんな物、倒してしまえば良かろうに」


 コノヤロウ、簡単にいいやがって。その自信はいったい何処から出てくるんだか。

肉沼での経験から言うなら、上手くやれば倒せなくもないのか? いや、かなり厳しいと思うんだよな。でも戻っても道塞がってるし、道中、他の道なんかもなかったよな。

あーやっぱ先に行くしかないのかな。


「しかしメイ殿、何故モンスターが焦っていた事で、主が居る事になるのだ?」

「多分奥の方に、獄級を維持する為の? クリスタルがあるんだよね。それがあるなら主もそこに居るだろうって、予想だよ」


 俺の言葉に訝しげな顔をしてラングが唸っているのが見えた。あれ、なんか可笑しいこと言ったか俺。


「メイ殿は、何故そんなものがあると知っておられるのだ、未だ獄級を走破した者はいないというのに」


 あっ、そういやそうだったか。そりゃ可笑しな顔もするよな。

 ――さて、どうしようか。話しても問題ないんだろうか。ラング自体は信頼しても良い気がしているが、ここにはドランもいる。でもここでバレたからと言ってそれほど問題ある話ではないのか? どうせもうグランウッドで発表されてる筈だよな……。


「メイ、いいじゃない別に言っても、問題ないでしょ? ラングさん、グランウッドの北にある、肉沼の森は消滅しました。私とメイはそこに乗り込んだ当事者です。クリスタルの事も、実際この目で確認しました」

「な、なんとっ。それはまことか? 獄級が一つとはいえ消滅するなど、と」


 やっぱり、この世界の人にとってはよっぽどの事なのだろうな。俺にとっては正直初めて見た場所があそこで、初めて冒険した場所も同じだったから、いまいち実感がないんだよな。最悪な場所だったのは間違いないんだが。


「嘘か、本当かは、ここの主を倒してしまえばわかる事です。グランウッドでも既に発表しているでしょうから、いずれクレスタリアにも伝わる事でしょうし」

「いや別に構わん、どうせ奥には行かねばならぬのだ、その上で獄級が消滅するなら願ったり叶ったりであろう」


 やっべえ、こいつらやる気満々じゃねーか、――ッ! ドラン、そうだドランはどうした。

 見れば、主を倒すという話の流れだけで怯えて隅で震えているドランが見える。

 なかーま、凄く彼には共感してしまいそうだ俺。そうだよな、普通行きたくないよな。アイツらが可笑しいんだよな。

 俺がドランに仲間意識を芽生えさせていると、ドリーがなにやら気になる事があった様子で、俺に訪ねてくる。


『そう言えばメイちゃんさん、ここまで来る間はいったい何があったんですか? 是非聞かせてくださいっ』


 むむ、ドリーに言われたら答えるしかないよな。

ドリーの頼みを聞かないわけにもいかず、ここまでの道のりで起こったことを〝少々〟脚色して話してあげれば、ドリーは、キャッキャ言いながら話を聞き、道具屋で買ってあげた日記帳、いや日記書かな? にせっせと何かを書き込んでいるようだった。

少し気になりはしたが、多分大した事は書かれてないだろうから放っておくことにしよう。



 ◆◆◆◆◆



 皆で話した結果、この先に進む事にはなったのだが、俺の体力が心配だという理由で、しばしの休憩を挟むことになる。

今更敵にばれるも糞もないので、魔法で火を起こし、食事を取る。ドランとリーンはその間に少し仮眠を取るようで、横になって寝ている。ドリーも安心したのかフードの中で寝ているようだ。


 そうなると、自然とラングと二人になり、兼ねてより気になっていた質問をしてみる事にする。


「なあ、ラング。ドラゴニアンになんでそんな固執してるんだよ。俺が居ない間にもまた苛々してたらしいじゃないか」

「…………」


 ラングはじっと火を見つめたまま押し黙っている。やはり言い難い事なんだろうか、あまり無理をしてまで聞く気はないんだけどな。


「いや、言いたくないなら別に構わないんだよ、でも今そんな事してると主を相手になんて到底できないと思うんだよ。だからせめてここを出るまでの間は、どうにか我慢してくれないか?」


「……腰抜け……グ」


 炎見つめ、身体を少し強ばらせながら、ポツリと呟いたラングの言葉は酷く聞き取りづらい物だった。


「――ん?」

「昔のあだ名が『腰抜けラング』と言われていた……正直ここから先は、メイ殿に話す必要があるのかは、自分にはわかりませぬ。だが自分でも、どうして良いかわからぬのだ」


 ギチリ、と歯を擦り合わせながら吐きだしたラングの言葉は、少々意外なものだった。

 流石に少し驚いたな、今のラングからは想像もつかない、あだ名だな。だが、余計な事は言わず、黙って聞いてみるのが一番かね。

 

 ――目の端で、ラングの背後で寝ているドランがピクリっ、と動いた気がした。

 ドランの奴、あの様子だと実は起きてるんじゃないのだろうか。やはり自分が関係している話だ、気になりはしてるが、堂々と聞くほどの勇気は出ないって所かね。

 まあ、取り敢えずドランはほっといて、ラングの話を聞いてみることにするか。


「まあ、カカシだと思って話してみたら? 少しは楽になるかもしれないし」


 少しの間葛藤していたようだが、ポツリ、ポツリ、と少しづつラングは語りだしていった。


「……自分は本当にその名の通り腰抜けだったのだ。毎日虐められても仕返しすら出来ず。モンスターが現れて部族の皆が戦っていても、怯えて腰が抜ける始末。


 ……出来る事といったら、毎日決まった時間に食料を山に取りに行く事くらいでしてな。

その山は、モンスターなぞ弱いものしか出ない場所で、安心して行ける場所でしたからな。

だが、ある日、何時もの様に山に行った時、今まで見たこともないモンスターに出会ってしまった。

奴を見た瞬間、情けなくも、体中が震え、止らなくなった。

今でも忘れはせぬよ、ハッキリと覚えている。人型で、妙な帽子を被った影のモンスター、顔にはなぜか口だけ付いていて、自分をみて真紅の口をニタリ、と笑わせておった。すぐさま逃げたのだが、まるで猫が鼠をいたぶるかの様に、殺しもせず延々と追い回され、弄ばれ続けた」


 その時に事を思い出したのか、ラングは少し身体を震わせて、拳を握りしめている。


「山を走りまわって、体中には切り傷だらけになり、全身は血で真っ赤に染まり、最後には腰が抜けて動く事も出来なくなりましてな。それを見たモンスターはつまらなそうに口を歪め、止めを刺そうとしてきた。

もうダメだ、――と思ったのだが、そこに、ドラゴニアンの男が助けに入ってきてくれたのだ。

腰が抜けて動けぬ自分に『大丈夫だ』『もう安心だ』『ドラゴニアンは負けない』と声をかけてくれた。

自分は悠長にも、ああ、助かった等と思ってしまい申した」


 眼の前のラングは酷く弱々しく、語る声すら震えていた。


「――その後、眼前で繰り広げられた戦闘は凄まじいものでした。地面は砕け、木々は倒され、魔法やブレスが飛びかい、空気が引き裂かれていく。

その光景に、震えながらも憧れを抱いてしまった。それに本当にあのドラゴニアンは強かった……自分が後ろで腰など抜かしていなかったら、もしかしたら勝てたかもしれない程に強かった。

だが、自分の盾になり戦い続けたドラゴニアンは、やがて力尽き、最後は目の前で八つ裂きにされてしまった。そして影は満足したのか自分を残して去っていった。

悔しかった、歯がゆかった。自分が強ければ、自分が腰抜けじゃなかったら。恩人である彼を殺さずに済んだ筈だったのに。

きっと、本当に彼を殺してしまったのは自分なのでしょうな。だからせめて、彼の様に強くなって……彼の様に格好の良い漢になりかったのだ。

勝手な事だとは分かっていても、ドラン殿の臆病さが自分に重なり、彼の種族が我慢ならなかった。いやはや、本当に勝手な話ですな……」


 そこまで言うとラングはまた、押し黙り、一人で何かを考え込み始める。


 俺には彼になにか言える程の経験も無かった。それに力の無さを悔やむのは、俺も同じなのだから。






――――――――――――――――――――――――――――――――

『ドリーの、相棒伝説記録帳』



 キラキラ平原に向かった相棒と私たちは、敵の罠にかかり離れ離れになってしまいました。

私自身の話は覚えているから良いのですが、相棒側の話を本人から聞いたので、しっかりと記録しておこうと思いますっ。


 一人残された相棒は諦めなかった。迫り来る水晶達をバッサバッサ、と切り倒し、唸る頭脳で私たちの場所を割り出して、風のように向かって行きます。

 通路では群がる水晶をものともせずに突破して、敵の幻術など相棒の溢れる、ぱぅわぁ(めいぢからぁ)には通用しなかったようです。

 

 地割れの底では恐るべき蟹さんに襲われるも巨大な力でドゴンッ、と一捻り。

 その後に出てきたクネクネが出してきた水晶塊も踊るように避け切ったらしいですっ。凄いですねっ。

 

 そして私の声を聞きつけて一目散に向かって来てくれたようですが、何故かボロボロになっているので相棒に尋ねた所、あまりにも当たってやらないと、敵が可哀想だからおまけしてあげたんだそうです。やはり私の相棒はとても謙虚で優しいと思いましたっ。


 いつか相棒の凄さを世界に広げるべく、記録は欠かさないようにしていきたいと思いました。


 ドリー。



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