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君は誰?

読んで頂き感謝します。

精霊国のシリーズものとなります。


僕、長下拓真。

年は15歳。2月生まれだからもう高校生なんだけど、この童顔のせいで人からはまだまだ中学生扱いされてる。

ファニーフェイスって言うの?

可愛らしい顔だけど、空手とかやってるからまぁ、体つきは年相応。


いやいやいや。


そんな話はどうでも良いよね。

おいおいそんな事話せば良いだけ。


今、僕の一番出さなきゃいけない、答えは・・・・・・。


ねぇ、皆ならどうする?





****************************************




今日僕は、尊敬する叔母さん、に会いに行く予定だった。

漢字は得意なんだ。

母さんの妹だから叔母さん、でしょ?

全く日本語って理解に苦しむよね―――――――ってまたそれちゃったね。



えと、取り合えず僕は今日叔母さんに会いに行く予定だった。

叔母さんちは家から車で30分。

電車なら1時間はかかる。

何故って僕の家が駅から遠いから。

だから僕は早く18になって免許を取りたい。


とまぁ、良いや。

で、僕の愛車の自転車。ちなみに名前はブルータス。

何故か「ブルータス、お前もか」って歴史の授業で出たその格言?みたいなのが気に入ったから。

ネーミングセンス?そんなの無いよ。


で、ブルータスに乗って家の川沿い・・・・・田舎だけど桜が綺麗な僕の自慢の道をサイクリングがてら駅まで走ってた。

それも鼻歌なんか歌っちゃって。


そしたらこの季節、桜が咲いてるんだけど・・・・・。

ぶわって。

本当に風がこう、ぶわって吹いたんだ。

その風に一瞬僕は目が眩んだ、気がした。光なんて風には無いよね?

だけど、本当に目が眩んだ、気がして。

僕は慌ててブルータスにブレーキをかけた。

キキィって音が響いてさ。ああ、ちゃんと油を差さなきゃって。

髪に掛かる桜の花びらを手で払いのけながら僕は考えた。


そうしてふと目を上げたら。

桜の花びらが遊歩道にらせん状に堕ちてて。

そのらせんの真ん中には。


金髪、碧眼。ピンクのフリルって言うのかこう、ふわふわーって素材の。そんなドレスを纏った美少女が座り込んでたって訳。

それがもう、本当に口に表わせないほど。これが美少女ってやつかって納得してた。


金髪はくるくるふわふわ。頭の真ん中にドレスと同素材のリボンがちょこんと乗ってるし。

長ーい睫毛は大きな瞳をぐるりと囲んで。鼻筋の通った鼻にしても、控え目に色付くピンクの唇も。

ああ、本当。

信じられないほどの美少女ってやつだ。



「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」


その時の僕たちはお互いを見つめ合い、そして同じように辺りを見回した。


さっきまでは間違い無く居なかった。

この遊歩道は見通しも良いし、それに僕は眼だけは良い。


こんな遠目からも派手な外人さん(失礼)もとい海外の人が居たら、ちゃんと気付くはずだ。


「ՃՂԲՂՁՀ?」

「んっ?」


僕は素っ頓狂な声を出した、と思う。

だって鈴の鳴る様な声だったんだ。


「աղղՓՑՑՐՄփք・・・・?」

「ごめん、僕に言ってるの?」


僕は美少女の声にブルータスを止め、彼女の前にしゃがみながら自分を指し示す。

こくん、と頷くその姿も。ああ、もう本当に可愛いったら!


でも、ごめん。

僕は英語は苦手だ。

と言うか、日本語以外はまるでダメ。

許してね、かわいこちゃん。



「ノーノー!あいきゃんのっとすぴーくいんぐりっしゅ!」


発音はいまいちとして、日本に観光に来るくらいだ。

多少は解ってくれるだろう。


そう言うと僕は大げさに手を振って立ち上がる・・・・・いや、立ち上がれなかった。

美少女がそっと小さな手で僕の手を握って来たから。


初めて触れるその手は本当に柔らかかった。

ドクン、と心臓が跳ね上がる。

一気に汗が噴き出した。

いや、決してやましい気持ちじゃ無い。

胸の高鳴りは健全な高校生男子なんだから許して欲しいってことで。



さっと、美少女が手を上げた。

またも桜の花びらが舞う。

まるで、美少女を守りこむ様に。


何だ、こりゃ。


僕は唖然、としてたと思う。

そうしたらゆっくりとその風が治まった。



「は・・・・・・・」


小さく美少女が息を吐く。

そうして僕を見つめ、にっこりと微笑んだ。



「ありがとう、タクマ」

「いえいえ、どう致しまして」


・・・・・・・・・ん?

今、日本語が聞こえたような?


「私の名前はユーフォルビア・パルストリス。初めまして、タクマ」


僕の手を離し、美少女はドレスの裾を両手で掴み、優雅に礼をする。

そんな美少女に僕も慌てて頭を下げちゃった。

うん、日本人だから。



「えーと、日本語喋れたんなら良かった。じゃぁ、これで」

「え、待って、タクマ!」


踵を返そうとした僕のシャツの裾を美少女は掴んでくる。

グイ。ちょ、意外に力強いね、君。



「タクマ、貴方は私のマスター候補生です」



まいますたー?

私のマスター・・・・・。

ああ、マスターってどっかの喫茶店とかの店主と間違えてるの?

違う違う、僕は普通の男子高校生だって。



まぁ、如何せん何だか理解できないとことか有るけ・・・・・どって、僕いつ君に名前教えた?


僕は挙動不審な目付きになってたと思う。正直。

そんな僕の眼差しに美少女は逡巡困った顔を見せ、それかた極上の満面の笑みを浮かべ、更にこう続けたってわけ。


「えとですね、ご主人様候補なのです」




ねぇ、いきなり美少女に「ご主人様」って・・・・・

皆ならどうする?




読んで頂き感謝感激です。ぺこり。

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