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イチオシ短編

夢枕

作者: 七宝

 兄貴の命日。

 線香をあげて、大好物だったケンタッキーのチキンを60ピース供えた。喜んでくれているだろうか。


 兄貴は高校生の頃、病気でこの世を去った。

 優しくて面白くて、最高の兄だった。だから俺は耐えられなかった。毎日泣いた。おかしくなるくらいにわんわん泣いた。


 そんな俺ももう大学生だ。時間が解決してくれるわけではないが、なんとか俺も前に進み始めている。泣いてばかりじゃ兄貴が心配して成仏できないからな。


 そんなことを考えながら、俺は60ピースのチキンを食らいつくした。さすがに腹がパンパンだ。兄貴、いつも誕生日にこんなに食ってたのかよ。どんな胃してんだ。


 その晩、夢で兄貴に会った。


 嬉しそうな顔をしている。もしかしてチキンのお礼を言うために、わざわざ会いに来てくれたのか?


 そう思っていると、兄貴がニコニコしながら口を開いた。


「あそこの信号の角の喫茶店、潰れたろ」


 えっ?


「あれ俺だよ」


 それだけ言うと、満足そうに消えていった。


 兄貴⋯⋯


 もしかして悪霊になってる?

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― 新着の感想 ―
ケンタッキーは4P食べたあたりで血糖値スパイクで倒れるのでたぶん60ピース食べたのが死因でしょう。 てことは60ピースたべた主人公、三途の川で兄貴と会ってませんか……?
えっ? やりやがったなw お見事。
60ピースのチキンで、こいつ(主人公)の感覚おバカなのかな、とコメディ要素にクスッとしたら、兄貴の感覚の方がおバカだったwwww 兄貴の死因、偏りすぎな不摂生じゃね? って思いました笑 弟よ、もうチキ…
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