第1話 俺、最強になりました
俺は工藤廉。18才の高校生だ。
特に特筆すべきこともない。ほんとに平凡…よりちょっと下の、モブキャラfだ。
そんな俺は、誰にも言っていない特技がある。それは、「作曲」。まあこれも「凡人の極み」みたいなチンケな曲しか書けないが、5曲くらい作った。
そんな感じで普通の学校生活を送っていた俺だが、ある朝目が覚めると…
草むらに浮かんでいた。…草むらはいいとして、浮かんでるのはなんで?
これもしや…あれか?異世界転生ってやつか?
そう思った俺はとりあえず…
「ステータス・オープン!」
…出てこない。
「…小っ恥ずかし」
何がトリガーなんだろう?(左肩トントン)(ブォン)
「あ、これか」
『工藤廉 Lv-10 必殺技…灼熱の眠り姫』
「は?マイナス?」
0とかならともかく、レベルがマイナス単位なのは訳分からん。そして、
「灼熱は何となくわかる。…ただ、眠り姫とは?」
もう既にハテナまみれのおれの脳内、そこによりそう(というより忍び寄る)キングメタル。
「よし、せっかくだからあれ使うか!『 灼熱の眠り姫』!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
唱えた途端にえげつない眠気が襲ってきた。そして目が覚めたら…
「どこだここ…宿か?まあとりあえず、(左肩トントン)」
『工藤廉 Lv8300』
…????????????????????????????????????
「技の内容見ずに使ったからな…何が起きたんだろう」
技の副作用かと「灼熱の眠り姫」の説明を読んでみると、
(使用者をねむらせ、次の朝または夜までにクエストをある程度進めておく)
…ざっくりすぎやしないか。
いつまで持つのかも分からないし、下手したら知らない間に重要イベントをすっ飛ばしている可能性もある。
「まぁ、物は試しって言うし、楽はさせてもらおうじゃないか。『 灼n…』…!?」(唱えられない…だと?)
技のステータスをよく見ると、
『必要MP 160 所持MP 5』
…足りないからって唱えさせすらしないのはどうなの?
そもそもなんの力が働いて唱えられないのかわかんねぇし…
「機械音声ならどうだろう…」
そう思った俺はスマホを取りだし、読み上げアプリを立ち上げる。そして例の言葉を打つと…
『その言葉はMPが足りないので読み上げられません』
…ICチップが俺本体と連動してるのだろうか?個人情報ダダ漏れは怖いって…たとえMPでも。
「工藤様ー、そろそろチェックアウトのお時間でーす。」
あぁ、もうそんな時間か。まぁ俺が予約した訳じゃないけど。
んな事も言ってられないからとりあえず急いで準備をして、宿代のルビーを支払った。
「草むらでレベル上げするか…」
と思い立ち草むらに向かうと、
…なんかモンスターがこちらを避けている気がする。それどころかスライムに関しては自分からけいけんちを落として去っていった。
「…は?俺は転生先でも避けられなきゃいけないの?」
さすがに悲しくなってきて、とりあえずモンスターは剣でぶった斬って倒した。そしたら初心者ボーナスなのか知らんけど、けいけんちとルビーがどっさり。
「さて、あと2回くらい戦闘するか…」
ここから俺は、この世界で最強に成り上がっていくのだが…
その間俺は基本適当に暮らしてるだけだ。