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78話_セレシアとの戦い 後編

「セレス、行くよ!」

「サクラ。…ありがとう。」


氷の支配(ニブルヘイム・改)


 全力で魔素を固定してセレスを動けなくする。

 セレスの創った植物は止まってもセレスは止まらない。

 セレスが爪を振り下ろしてくる。


 横に躱しつつ氷華で爪を弾き魔力でセレスを覆いこもうとする。

 しかし、セレスを覆っていた私の魔力が動かなくなってしまう。


『ふふん。私だって固定(停止)させるのは得意なんだよ?』


 少し間を取ったセレスから念話が届く。セレスを見ると生き生きとした感情と共にドヤ顔をしていた。

 なんだか今の状況についていろいろと忘れてない?そう思いつつもさっきまでの昏い感情よりはやりやすいかと思い直す。


『セレス、本気で来てね?』

『…死なないでよ?』


 言うが早く、植物が大量に生えてくる。魔素の停止した世界でも動ける植物を創ったらしい。なんでもあり過ぎる。向かってくる植物を氷華でいなしつつセレスに向かう。

 しかし、近付いた途端に全身から力が抜け、目も見えなくなる。

 身体の魔力を無理やり動かして対応し、氷華を振るう。感覚の無い状態には慣れておらず、動かしすぎて腕の骨が折れる。


『私の位置はそこじゃないよ?』


 目が見えないのにドヤ顔のセレスが頭に浮かぶ。どうやら魔力感知の裏をかかれたようだ。

 かつてない強敵に自然と笑みが浮かぶ。


『まったく。耳も聞こえない筈なのになんで笑えるんだか。』


 既にセレスの場所も分からなければどこから攻撃が来ているのかも分からない状況だ。普通であればセレスを倒すのは絶望的だろう。

 嫌な予感がして一歩前に出る。


『よく躱したね。次は躱せるかな?』


 やはりセレスが攻撃してきていたみたいだ。


 でも一つ確信できた。セレスと過ごした時間が長かったからか、繋がりが強いからなのか、セレスがどこをどう攻撃しようとするのかが直感で分かる。


『ねえ、氷の支配(ニブルヘイム・改)は解除した方がいいんじゃない?私にも私の植物にも効かないし、意味無いよ?』


 セレスの疑問には答えず、魔力の操作に集中する。

 動いて躱し、氷華でいなし、鏡を作ってレーザーを逸らしつつ再度セレスに近付く。しかし、近付くにつれて攻撃の勢いと密度が増していき、段々と身体がボロボロになっていく。


 前回、ニブルヘイム・改を使った時に感じた天の適正の可能性。一年半もの間ずっと戦いに身を置いてきた今だからこそできる私なりの天の適正の極地。それがこれだ!


魔素の支配(ニブルヘイム・真)


 ニブルヘイム・改では魔素を停止させることしか出来なかったが、真になったことで魔素を好きに動かしたり、魔素の働きを不活化させたり活性化させたりできるようになった。


 火の魔法でセレスの創った植物を焼き払い、闇の魔法でレーザーを吸収する。聖の魔法で怪我を癒し、光の魔法で五感の停止状態を解除する。


 改めてセレスを見る。


「セレス、ありがとう。」


 私がここまでの極地に至れたのは祝福の試練での経験に魔国での色んな魔法を受けてきた経験。他にも今までの修行や戦いの経験のおかげだけど、その多くはセレスが機会を用意してくれていた。


 セレスが魔法を使って再度植物を創ろうとするのを先読みして魔素を不活化させる。さすがのセレスも魔素無しに魔法を使うことはできないみたいだ。


「やるね。それでこそサクラだよ!」


 セレスから純粋な賞賛と寂しさが伝わってきた。


 そろそろ決着がつくと予感がしているのだろう。


 一定の距離まで近付くとセレスが噛み付きをしようとしてると分かった。私はこれをわざと受け止める。無理やり受け止めたため、セレスの歯が私のお腹に食い込む。


「どうして避けなかったの?」


 慌てた様子のセレスが口を離そうとするけど離れないようにしっかりと捕まえる。


「戦闘中に相手の心配してちゃダメだよ。」


 私はそう言いつつ全力でセレシアの祝福を扱う。祝福は人によって効果が変わり、過去、現在、未来の関わり方によって効果が決まる。それならば今が使うタイミングだろう。


 天の適正を使いつつセレスのスキル(・・・・・・・)に干渉していく。本来なら天の適正で極地に至れたとしても決してできないレベルの干渉。しかし、セレス相手なら、魂の欠片を持ち、セレシアの祝福を受け、セレスとの繋がりが深い私だからこそできると踏んだのだ。


 魔素の支配(ニブルヘイム・真)の補助も受けつつスキルへ干渉する力を強めていく。



 そして…。


*****

Tips 魔素の支配(ニブルヘイム・真)

 サクラが天の適正を鍛え、到達した一つの極地。魔法の大元となる魔素を支配し、魔素の性質すら変えることができるため、相手に魔法を使えなくする他、使用者自身は適正に囚われずに好きな魔法を使えるようになる夢のような魔法。

サクラ「セレスが攻撃してくる意味なくない?」

セレス「サクラが攻撃しやすくするためだよ。」

サクラ「私が攻撃始めたらもう攻撃する必要ないじゃん。」

セレス「…。そ、そう。サクラが魔王と戦いたいって言ってたから本気で殺らないとって思ったの。途中でサクラとの戦いが楽しくなったとかじゃないよ?サクラが私のために戦ってくれたのに楽しくなんてなってないからね?」

サクラ「嘘下手か。」

セレス「…。て、てへぺろ?」





次話は明日の17時投稿予定です。


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