ガールズ・トーク
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ガールズ・トーク
作:狩屋ユツキ
【亜莉亜】
天然じゃないぶりっ子天然ボケ。
時々黒い面が見える。
基本は可愛い女の子。
服飾販売員。
【理恵】
クールで理知的……を装った感情派。
ツッコミ役。
基本はかっこいいお姉さん。
教師。
【鈴鹿】
平々凡々の常識人。
ただし三人の中で怒らせると一番怖い。
基本は気の弱そうな女の子。
OL。
20分程度
男:女
0:3
亜莉亜♀:
理恵♀:
鈴鹿♀:
------------------
(某ファミレスにて)
亜莉亜「ここのパフェってチェーン店の割に映えするから好きー」
理恵「またインスタ?昨日もクレープ上げてたじゃん」
亜莉亜「あーあれ?あんまりインスタ映えしなくて下げた」
鈴鹿「あんまり甘いものばっかり食べると太るよ?」
亜莉亜「大丈夫、食べないから。これも鈴鹿の注文だしー?」
理恵「……あんた、まさかよくあるインスタグラマーみたいに、買って食べないで捨ててるんじゃないでしょうね」
亜莉亜「悪いー?買ったものどうしようと私の勝手じゃん」
鈴鹿「それは食べ物にも作った人にも失礼だよ!」
理恵「……ま、亜莉亜のワガママに今更付き合う気もないけど。で、どうして今日私達を呼び出したのよ、亜莉亜」
亜莉亜「よっくぞ聞いてくれました!あのねー、カレシがねー、今度プラネタリウムに連れてってくれるんだー」
鈴鹿「プラネタリウム?いいね、私もこの間プラネタリウム彼氏と行ったよ」
理恵「あら、私もよ。結構前だけど」
亜莉亜「定番だけどいいよねープラネタリウム。空調効いてるからどんなお洋服着ていってもいいしー、暗いからベタベタしてもバレないしー」
理恵「星を見なさいよ、星を」
鈴鹿「ていうか、ベタベタするために行くんじゃないと思うけど……」
亜莉亜「バッカねー!ここで一気に距離を詰めて、相手をメロメロにするんじゃない!!あーお洋服どうしようかなー、やっぱりオフショルで肌見せ必須だよねー。ね、どう思う?オフショルと、キャミソール、どっちがいい?あ、シースルーもセクシーだよねー」
理恵「あのねえ……プラネタリウムって結構冷えるわよ。防寒対策していったほうが良いと思うけど。ブランケットとか、ストールとか」
鈴鹿「それに暗くて肌見せもあんまり見えないんじゃないかな。いっそお嬢様っぽい格好の方が受けよさそうだけど」
亜莉亜「ちっちっちっ、ホントわかってないんだから。プラネタリウムはあくまで前座。その後に『プラネタリウムよかったねー』ってカフェで話すのが本命なんだから気合い入れていかないと!」
理恵「はあ……」
鈴鹿「そういうものなの……?」
亜莉亜「そういうものなの。あー楽しみー。一周年記念にはディナー連れてってくれるって言ってたし、楽しみがすぎる!!その時はドレスアップしていくんだー!!」
理恵「へえ、素敵な彼氏じゃない。何処行くの?」
亜莉亜「えっとねー、最近入ったホテルのビュッフェ。チョコフォンデュあるところ。マリアージュっていうの、もうこれ結婚秒読みじゃない?!」
理恵「マリアージュ?……え、私も今度の休み、そこ彼氏に連れてってもらうんだけど」
鈴鹿「え?理恵も?私もいつか行こうねって話してたところ……」
亜莉亜「有名所だからねー、被るのもしょうがないかー」
理恵「……にしても、ちょっとおかしくない?」
鈴鹿「うん……」
亜莉亜「何が?」
理恵「この前集まったときにもさ、私が『映画館に“愛と情熱の狭間で”見に行くんだー』って言ったとき、結局皆DVDやら映画館やらで彼氏と見てなかった?」
鈴鹿「うんうん」
亜莉亜「……言われてみれば」
理恵「そしてその前も、最近できたっていう遊園地に、私、亜莉亜、鈴鹿の順で連れて行ってもらった惚気話、したじゃない?」
鈴鹿「そう……いえば……」
亜莉亜「そんな話を……した気がする……」
理恵「そして私達はお互いの彼氏の名前を知らない」
鈴鹿「そうだね……」
亜莉亜「……ちょっと待って、理恵、それってさあ……もしかして……」
理恵「……あくまで可能性の話よ?可能性の話だけど……これっておかしくない?」
鈴鹿「……ねえ、提案なんだけど」
亜莉亜「何よ、鈴鹿」
鈴鹿「……いっせーの、せ、で皆の彼氏の名前、言ってみない?」
理恵「……いいわね」
亜莉亜「……異議なし」
鈴鹿「じゃあ、……いっせーの、せっ!!」
全員「赤石達郎!!」
間
亜莉亜「……同姓同名ってことはないよね」
理恵「……そいつ、営業職やってる?」
鈴鹿「でもって、趣味はバイクだったりして……」
間
亜莉亜「どーいうことよこれ!!!!」
理恵「落ち着きなさいよ!!ここファミレス!!うるさい!!」
鈴鹿「理恵ちゃんが一番うるさいよ!……ちょっと、落ち着いて話しよう」
亜莉亜「そうね……」
理恵「……考えたくないんだけれど」
亜莉亜「何よ」
理恵「これ、三股じゃない?」
鈴鹿「うわ、言いにくいことをばっさりと」
亜莉亜「い、一番は私だからね!!二人はリサーチ組で本命じゃないから!!」
理恵「はあ?いつも最新のところができたら大体一番最初に連れてってもらってるのは私なんだけど!!」
鈴鹿「でも無難にリサーチして、喜ばせてくれて、後釜に据えるっていう順番を繰り返すことが多いのは私だよね……」
亜莉亜「私が一番愛されてるに決まってるでしょ?!こーんな可愛い子、達郎が逃すはず無いんだから!」
理恵「あーらご愁傷さま。達郎の好みは好きな芸能人から言ってもクールで理知的な美女ですー」
鈴鹿「でも達郎、いつも『結婚するなら鈴鹿みたいな家庭的な子がいいな』って言ってくれるよ」
亜莉亜「なにそれ初耳!!」
理恵「何で言わないの、そういうこと!!」
鈴鹿「だ、だって率先して言うことじゃないし……」
亜莉亜「あーもっと生活科の授業まともに受けとくんだったー!!」
理恵「コンビニ弁当やめて自炊しよう……」
鈴鹿「いや、その前に達郎が本気でそれを言ってる可能性を考えようよ、皆」
亜莉亜「……それもそうね」
鈴鹿「この際、達郎は全員に都合のいい嘘を言ってる可能性も出て来てる訳だしね」
鈴鹿「そ、そうだよ……他にも女の人がいるかも知れないし……」
亜莉亜「他の女ぁ?!あんの男ぶち殺す!!」
理恵「私の襟首掴んでどうするのよ!!!」
鈴鹿「亜莉亜ちゃん落ち着いて!!」
亜莉亜「この亜莉亜を侮辱する者はたとえカレシだって許すもんですかー!!!」
理恵「だから私の襟首掴んで叫ぶんじゃないわよこの養殖天然女!!」
鈴鹿「あああああここファミレスだから!!他のお客さんの迷惑になっちゃうよー!!」
亜莉亜「はあはあ……あ、すみませーん、山盛りポテトフライ一つ」
理恵「切り替え早っ」
鈴鹿「亜莉亜ちゃんの良いところでもあるんだけどね……」
亜莉亜「で、どうする?証拠固めして絞める?」
理恵「でも、絞めるたってどうやって?」
亜莉亜「それはボコるに決まってるでしょう」
鈴鹿「暴力は良くないよ!……それに一応、相手は男の人なんだし……」
亜莉亜「大丈夫、私スタンガン持ってるから」
理恵「物騒!!」
鈴鹿「なんで持ってるのそんなもの!!」
亜莉亜「だってほらー、私って可愛いからぁ、痴漢とかストーカーとかに遭ったら怖いしー、か弱いしー」
理恵「か弱い女子が自分からスタンガン持ってるわけ無いでしょ!!」
鈴鹿「でも……結局誰が本命なんだろう……達郎……あんなに好きって言ってくれたのに……(涙ぐむ)」
理恵「鈴鹿……」
亜莉亜「そんなの私に決まってるじゃない。私もう一周年経つんだからね?あんた達、まだ付き合って数ヶ月でしょ?」
理恵「そうだけど、新しい物好きって可能性もあるわよ」
鈴鹿「そうしたら私が一番愛されてる可能性もあるのかなあ……」
亜莉亜「ちょっ……鈴鹿!!何調子乗ってるのよ!!あんたみたいな地味な子、達郎の趣味なわけ無いでしょ!!(鈴鹿の髪を掴んで引っ張る)」
鈴鹿「痛い!!髪引っ張らないで、亜莉亜ちゃん!!」
理恵「亜莉亜、やめなってば!!ええい、鈴鹿から手を離しなさい!!(頬を張り飛ばす)」
亜莉亜「いったあ……!!何するのよ、理恵!!」
理恵「あんたが先に鈴鹿に手を出すのが悪いんでしょ!!ちょっとは落ち着きなさいよ!!」
亜莉亜「……」
鈴鹿「ありがとう、理恵ちゃん……。でも、亜莉亜ちゃん、私、達郎に本気なの。本気で達郎のこと大好きなの……」
亜莉亜「そんなの……私だって同じよ……達郎のこと、愛してるんだから」
理恵「それを言ったら私だって……ずっと昔から片思いしてて、やっと叶ったと思ったのに……」
間
亜莉亜「……でもさ、……許せなくね?」
理恵「…うん?」
亜莉亜「例え三人の誰かが本命だとしてもさ、まじで私達騙して、三股かけてた事実は事実じゃん」
鈴鹿「た、確かに……」
亜莉亜「この際さあ、いっそ電話かけて誰が本命か聞いてみようよ」
理恵「え、ええ?!そ、それはちょっと心の準備が」
亜莉亜「何よ、聞きたくないなら理恵だけ帰ってもいいわよ?」
鈴鹿「というか話が急展開過ぎない……?!」
亜莉亜「ぶっちゃけ、私、男なんて星の数ほどいると思ってるわけ。達郎は好きだけど、三股かけられて黙っていられるほど器用じゃないの」
理恵「それは……その通りね。頬の一発……いや、右ストレートくらい食らわしてやらないと気がすまないかも」
鈴鹿「私……本命じゃなかったら達郎刺しちゃうかも……」
亜莉亜「鈴鹿が一番怖っ!!」
理恵「鈴鹿、悪いこと言わないからここで帰りなさい。悪いこと言わないから」
鈴鹿「ううん……私……本当のことが知りたい……。頑張って刺すのはやめるから……」
亜莉亜「頑張ってやめられるものなの……?」
理恵「ま、まあ本人がそう言うなら……」
鈴鹿「……」
亜莉亜「ってことで早速達郎に電話してみようと思います」
理恵「……異論なし」
鈴鹿「覚悟は決めました」
亜莉亜「じゃあ。……かけるよ」
間
亜莉亜「って出ないんかーい!!」
理恵「達郎、この時間仕事なんじゃない?」
鈴鹿「そ、そうだよ、だから出なかったんじゃ……」
亜莉亜「その辺は抜かり無い。仕事携帯にかけたから」
理恵「策士……!!」
鈴鹿「でも、そうしたらおかしいよね……仕事の連絡って営業さんには命綱だって言ってたもん」
亜莉亜「私の番号は登録してないはずだから、仕事中なら十中八九出るはず」
理恵「なんでそんな事知ってるの」
亜莉亜「仕事携帯のパスワード、盗み見て覚えた。そしてアドレス帳に私の名前はなかった」
鈴鹿「もはやスパイかストーカーの域だよ亜莉亜ちゃん……」
亜莉亜「これは怪しすぎる」
理恵「そうね……そして今日は花金」
鈴鹿「今日は皆の飲み会があるからって会うの断られてる、私」
亜莉亜「私も」
理恵「……私も」
全員「…………」
間
亜莉亜「結託しよう」
理恵「は?」
亜莉亜「同盟組もうって言ってんの」
鈴鹿「同盟?」
亜莉亜「この際、誰が一番愛されてるかなんてちょっと置いといて、あの男に他に女がいないか、女を他にも食い漁っていないか確かめようって言ってるの」
理恵「あー……なるほど」
鈴鹿「で、でもそんなに上手くいくかな……」
亜莉亜「行かせるの!そんなに気弱でどうするのよ鈴鹿!!あんた一番愛されてなかったら達郎刺すんでしょ?!」
鈴鹿「うん、刺す」
理恵「それは抑えるんじゃなかったの?!」
亜莉亜「もういっそその意気でいいわ。あの男の正体、暴いてやるわよ」
鈴鹿「わかった……」
理恵「ああもう、どうにでもなれだわ」
亜莉亜「じゃあ、達郎の正体を暴く会、ここに結成ってことで」
理恵「同盟の内容はどうするの?まさかなんにもなしってわけにも行かないでしょ」
鈴鹿「1,抜け駆けしない、2,わかった情報は全て開示する、3,誰が最終的に愛されていても恨みっこなし」
亜莉亜「す、鈴鹿、凄いわね……。でも、うん、それでいいと思う」
理恵「じゃあ結成の証に乾杯でもしましょうか」
亜莉亜「じゃ、ドリンクバー行こ」
鈴鹿「そうだね」
理恵「ちょうど飲み物なくなったしね」
間
亜莉亜「私カルピスオレンジー♪」
理恵「あんたいっつもそれねえ……たまには野菜も摂りなさいよ」
鈴鹿「そう言う理恵ちゃんはいっつも野菜ジュースだね。私はどうしようかな、ホットだけどハーブティ飲もうかな……」
理恵「……!!!」
亜莉亜「どうしたの、理恵、固まっちゃって……って」
鈴鹿「理恵ちゃん?亜莉亜ちゃん?どうしたの、二人共……、っ?!」
全員「(小声で)達郎……?!と女……?!」
理恵「(小声で)やっぱりあの男、他の女と会ってやがった……!!」
亜莉亜「(小声)まじ許さん……」
鈴鹿「(小声)ファミレスのナイフって刺さるのかな……フォークの方がいい?」
理恵「ナイフもフォークも置きなさい、鈴鹿……!!」
亜莉亜「……あったま来た、行くわよ」
理恵「え、何処に?」
亜莉亜「あの現場に」
鈴鹿「の、乗り込んじゃうの?も、もしかしたら勘違いかもしれないよ?実は商談とか……」
理恵「あの雰囲気で商談とかありえないでしょ。あ、ポテト、あーんで食べさせた……!!」
亜莉亜「もー許せない。私は行く。二人はそこで見てて」
理恵「待って、私も行く。私も聞きたいこといっぱいあるわ」
鈴鹿「私も……!!本当に三股……ううん、四股かけてたら許さない……!!」
亜莉亜「よーしじゃあ三人で行くわよ」
理恵「わかった、覚悟決める」
鈴鹿「私も、覚悟決めた」
亜莉亜「じゃあ、行こう」
間
亜莉亜「ちょっと失礼、お二人さん」
理恵「申し訳ないんだけど」
鈴鹿「少しの時間でいいので」
全員「お話、いいですか」
了
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