王の間
「国王様!マリナ姫とマチルダ姫 ならびに
勇者様をお連れしましたっ!」
「うむ ご苦労 勇者よ よく来てくれた
我が名はアンドラス・フィルビィ この国の王だ」
使いの人に呼ばれるまま移動して王様だと思われる人の前まで来てしまった
歳は30代後半ぐらいに見えるが王様の眼光は鋭く 立派な白い髭を生やし
半端じゃない威厳と威圧を感じる
「 そういえお主の名前を聞いていなかったな
勇者よ 主の名前はなんというのだ」
「は、はい オレは牧野 航太といいます」
こちらに来てから話したのはマリナ達を除けば初めてなので緊張してしまった
「うむ ではコウタよ早速で悪いが本題に入らせてもらおう」
緊張からかゴクリと唾を飲み込んでしまった
一体どんな話をするのだろうか?
「勇者コウタ…お主に魔王を倒して貰いたい」
それは容易に想像できて でも自分がするとなるとあまり実感が出来にくいものだった
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「魔族というもの達は魔族領という所に住んでいて 我々人間の住む場所とは土地からして違い 姿も特性も違うが気性が荒かったりするわけでもないので人間の国と交易を結ぶぐらいの仲であったのだが …10年程前から突然 魔族が攻めてくるようになったのだ。情報によると魔王が命令している事だという。魔族領と近い国は真っ先に攻め落とされ支配下に置かれてしまった。そして我が国も半年前から魔族の軍に攻め込まれている。幸いにもこの国は軍事力が高かった為なんとかなっていたがこのままでは国が落とされてしまうと判断した私達は魔王を倒す事が出来る唯一存在であると言われている勇者を呼び出す為に国の地下に封印されていた切り札である勇者召喚の儀式装置を使ってお主を呼んだのだ。魔王を倒しにいくための装備や旅費など出来るだけの支援はさせてもらう すまない私達にも後は無いのだどうか頼めないだろうか」
王様が腰をおり頭を下げてまで頼んでくる。
魔王を倒すのはオレでないといけないらしい…でもオレはせっかくまた妹達に会えたのに離ればなれになってしまうのがたまらなく嫌だった
だけど魔族の侵攻を止められないと妹達を危険にさらしてしまう
どうしたらいいのかわからないそんな時にマリナの声で思考が停止してしまった
「お父様 勇者航太の旅に私もついて行っていいでしょうか?」