あの日の出来事
※希奈視点です
「航太め〜あとちょっとだったじゃん 乗れたじゃん 大丈夫だったじゃ〜ん」
「お兄 荷物をいっぱい持ってたからね 疲れて気が緩んじゃったんだろうね」
「こくこく」
バスにゆられながら お兄のことについて喋っていた
「というかあの時 照が お兄の隣の席は自分だとか言いだすから出発時間に遅れたんだからね」
「なっ あれはしおりがおかしいでしょ!わたしが航太と座るはずだったのにいつのまにか航太の隣がマチになってるのだもの おかしいわよ 席を決める紙には念入りにボールペンで書いたのに〜っ!」
「……だいたい二人のせい」
「そこ三人いい加減にしろっ!今回の航太の遅刻は特別に不問にしてやるんだから その話は終わりってさっき言っただろう!くそっ お前らは航太のことだと自制がきかんのかっ!」
「「はい そうでーす」」
「お前らなぁ〜」
いつものことながら先生に叱られてしまった
先生はため息を吐く …反省はしている
「まったく…静かにすることができないのかしら」
「まったくだ」
委員長の桜ちゃんと剣道部部長の錦川さんがそう呟いた 二人はとても真面目な性格なのでバスの中でのレクリエーションでさえ反対していた人達だ それぐらい別にいいだろうに
「いやっふー 楽しいですねーっ!! 修学旅行さいっこーてやつですよー」
「まだまだこれからだよ〜 本当元気だねー」
めいいっぱい楽しもうとしている人達もいる
周りを見ればそわそわしたり 周りの景色が気になるのかキョロキョロしている人もいた
目的地までこのまま何事もなく行けると
思っていたのに…
「きゃっ 何?地震 結構強い揺れ」
「うぎゃー 怖っ」
「とめてとめてとめてとめて…」
「もう…ダメだ……」
突然バスが強い揺れにおそわれてみんながパニックに陥ってしまった
「お前ら 落ち着けっ!とにかくなにかに掴まっておけっ!絶対離すなっ!」
先生が指示をするが揺れが強すぎて耐えられる気がしない
「一体なんなのこれどんどん揺れが強くっぷっ」
照が言うがそんなのわかるわけない
世界の終わりなのだろうか?
そんなことを考えながら意識を手放した
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目が覚めると揺れは無くなっていたが…
「国王様!双子の女の子ですよっ」
「本当かっ!おお〜かわいいなぁ」
状況は全くつかめなかったのだ