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勇者召喚

バス事故のことを聞いてから何日ひきこもったかわからない。何も飲まず食べず布団にくるまっているだけの生活を過ごしていた


だからなのだろうか…


「牧野航太くん あなたに勇者になって欲しいの」


変な幻覚が見えてきてしまった


「勇者を呼ぶ時にはいくつか条件があったりするんだけどね 一定以上の能力値とか本人の了承を得たりとか 一番大事なのは呼びやすさかな異世界との親和性が高くないとどうしても費用が……」


美女の幻覚だけじゃなく幻聴まで聞こえてきた…もうすぐオレは死ぬんだな マチ、希奈、照、みんなオレもすぐそっちに行くからな


「…それで魔王が他の世界に干渉しているのが発覚して早急に手を打たないといけないんだけど協定だかなんだかで神が直接解決するのはダメらしくて でも今魔王倒せる人材がいないらしくて…」


あの時もう少し早く出ていればあんな所で転ばなければ みんなと一緒にいられたのにと何度考えたことかでも意外とすぐに会えそうだ


「…じゃあステータスの強化と固有スキルの付加はしたから私の世界で勇者召喚をしようとしてる人達の所に座標を合わせて転送するから がんばって魔王を倒してきてね」


「うっ」


謎の浮遊感と眩しさに襲われて意識を失った



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「国王様!勇者の召喚に成功しました!」

「本当かっ!よくやった!」


ここは…何処だ……?

さっきまで…オレ…は……


「勇者様が倒れたぞっ!」

「いますぐ医務室にお連れしろっ」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



目が覚めるとベッドの上だった


「うわっ」


そこまでならわかるのだがなぜ両隣に知らない女の子がいるのだろう。


「マチっ お兄起きたよっ!起きてっ」

「むにゅー」

愕然とした 顔と声は違えどそのやりとりには覚えがあった


「マチと希奈…なのか?」

信じられず確認せずにはいられなかった


「そうだよ お兄 会いたかった〜」

「……ん」


二人は涙を流しながらオレに抱きついてきた




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