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つまり養ってくれるってことですか?  作者: なおほゆよ
無人島編
9/52

このキノコはデジャブする

前回のあらすじ


ネズミーマウス「ハハッ!!」








人物紹介


ゲームマスター側


Mr.X 殺し合いサバイバルゲームのゲームマスター、本名は田中。機械音痴。


助手 Mr.Xの助手。Mr.Xの部下だがときどきMr.Xを呼び捨てで呼ぶ。


ボス ボスはボスでボス以外の何者でもない




プレイヤー


萩山レンジ (ニート)高校を中卒後、就職が決まらずそのままニートになった。家に帰っても居場所がないため家に帰りたがらない。


月宮カグヤ (JK) 女子高生。Mr.Xから支給された携帯を即行で無くしたドジっ子。


天城ショウタ (ショタ)7歳のショタ。虐待を受けて育って来たために家に帰りたがらない。


平間和也 (イケメン) 24歳のイケメン。島が気に入ったので家に帰りたがらない。


西谷マキ (アパレル) アパレルショップで働いていたが、親が残した借金が返せず、日々取り立てに追われていたので家に帰りたがらない。


小坂慎太郎 (係長) 年頃の娘と妻を持つ係長。娘から一緒の洗濯機で下着洗いたくないと言われたのがショックだったのか、家に居場所がないと感じて家に帰りたがらない。


黒崎サナエ (ビッチ) 大学生のクソビッチ。イケメンを好きになったために家に帰りたがらない。


鬼塚ケイ (犯罪者) 犯罪を犯し、警察に追われていたところを拉致された。シャバにいるより島の方が安全と判断して家に帰りたがらない。


石川哲也 (おじいちゃん)89歳のおじいちゃん。昨年ひ孫の顔も見れたのでもう現世に思い残すこともなく、少なくとも人を殺してまで家に帰ろうとはしない。


エンジェル プレイヤー達の殺し合いを阻止すべく動く謎の人物





その他


タケシ 黒崎サナエ(ビッチ)の彼氏と思われる人物。頑張れ、タケシ。


兄貴 タケシが襲ったヤクザの舎弟頭的な存在のインテリヤクザ。鬼塚ケイを探し出し、殺すことを目的としている。



イケメン「…またネズミにやられたよ」


イケメンはため息まじりにそんなことをみんなに話した。


厳重に食料を保管しているつもりなのだが、どこかに抜け穴を作り侵入してくるネズミが後を絶たなかった。


犯罪者「やっぱりあの高床式倉庫を修理して使うしかないんじゃないか?」


犯罪者は前回見つけた壊れた高床式倉庫の修理を提案した。


イケメン「そうですね、修理することは確定してます。でも修理するにしても何日かかかるし…その間、どうやってネズミの侵入を防ぐか…」


犯罪者「そうだな…備蓄してある食料ももう残り少ないわけだし…」


イケメン「なんでもいいから意見が欲しい。一人ずつなにか案を言ってくれないか?」


アパレル「意見って言われても…」


イケメン「どんな些細な案でもいいから言って欲しいんだ。まずは犯罪者はなにかないか?」


犯罪者「当番制で食料を見張る人をつけるっていうのはどうだ?。見張っていればネズミも近寄れないだろ」


ニート「その見張りっていうのは寝ててもいいのか?だったら俺が24時間見張ってもいいが?」


ビッチ「このニートを食料の代わりにネズミに食べさせればいいんじゃない?」


ニート「え?」


ビッチ「なにか問題でも?」


ビッチは先日とは違い、いつものビッチであった。


ニート「あれ?ビッチさんがビッチに戻ってる…」


イケメン「どうやら足ツボの効果が切れたようだね」


JK「はいはい!!私は保存方法を変えればいいと思います!!」


イケメン「どのように?」


JK「水の中にいれて保存するんです!。そしたらネズミも手出し出来ないと思います!」


係長「でも物によってはふやけたりするんじゃないか?」


アパレル「それに腐りやすくもなりそうですね」


JK「ダメですか?」


イケメン「でもいい意見だと思うよ。他にはなにかないかな?」


ショタ「ネズミさんにもう食べ物勝手に食べないで下さいってお願いするのはどうかな?」


JK アパレル ビッチ「ショタ君かわいい!!」


女性陣が口を揃えてそんなことを言った。


ちなみにモニタールームでそれを見ていたMr.X達は…


Mr.X「聞いたか!?いまのショタ君の萌える発言を!!」


助手「え、ま、まぁ…」


Mr.X「いまのショタ君の発言を録音して着ボイスにするにはどうしたらいいのだ!?」


助手「そんなの自分で考えてやってください」



話は戻って島の方では…。


ニート「いいか、ショタよ。ネズミに言葉は通用しないからそんなことやっても無駄だぞ」


ショタ「そっか…ネズミさんは僕たちのお願い聞いてくれないんだね…」


アパレル「ニート!ショタ君にそんな言い方しなくてもいいでしょ!!」


ニート「子供に現実を教えてやるのが大人の務めだろ。それに仮にネズミに言葉が通じたとしても、食料に困ってるのはネズミも一緒だから説得なんてできないだろ」


ショタ「そっか…ネズミさんも必死なんだね…」


ニート「そうだ。これは俺たち人間かネズミのどちらかが犠牲になるしかない戦いなんだ。ショタが牛や豚とか生き物を食べるために殺して人間の生活を維持するのと同じで、食料を守り生活を維持するためにネズミを殺さなきゃいけないんだ」


ショタ「…僕たちが生き残るために…ネズミさんは殺さなきゃいけないんだね」


イケメン「そうだな。至極勝手なことだが、所詮この世は弱肉強食ということだ」


ショタ「…うん、わかったよ。誰かのために何かを犠牲にしなきゃいけないんだね…」


犯罪者「物分りがいいな、ショタ君は」


ショタ「だったら…毒を使うのはどうかな?」


イケメン「毒?」


ショタ「うん。この島ってキノコが生えてるでしょ?。中には毒キノコもあるだろうから、それをエサに混ぜるの」


イケメン「なるほど。島に生えてる毒キノコを殺鼠剤として使うのか」


係長「良いアイデアだと思うよ」


イケメン「そうですね。ネズミには申し訳ないけど、それが一番手っ取り早いですね」


犯罪者「賢いな、ショタ君は」


JK「でも、毒キノコかどうかなんてわかる人いるんですか?」


JKがそんな疑問をみなに投げかけるが、それに答えられる者はおらず、会議に沈黙が流れた。


だが、そんな中で一人の男が手を挙げ、発言をした。


ニート「毒キノコなら知ってるぞ…たぶんだけど」







JK「それで、本当に毒キノコなんて知ってるの?」


ニート「あぁ、知ってるよ」


ニート達は毒キノコを探して森に来ていた。


ショタ「すごいね!!物知りだね!ニートのお兄ちゃん」


ニート「ふっふっふ、もっと褒めて良いんだぞ」


ニートは鼻を高くして言った。


JK「普段が褒められるようなやつじゃないから余計に嬉しそうね」


ニート「ほら、ああいう倒木によく生えているんだぞ」


ニートは雨や風によって倒されたであろう倒木を指差した。


ショタ「本当だ!いっぱいキノコが生えてる!」


JK「うーん…どれも食べられそうなキノコね…」


ショタとJKが倒木に生えたキノコを眺めていると、ニートはある白いキノコを手に取った。


ニート「これだな」


JK「これが毒キノコ?。そんな感じには見えないけど…」


ニート「これはドクツルタケって言ってな、これ一本で成人男性を殺せるほどの毒があるんだ」


JK「へぇ…」


ショタ「じゃあこのキノコをいっぱい取れば良いんだね?」


ニート「ああ、頼んだぞ。俺は休憩してるから」


ショタは意気揚々と毒キノコを採取し始めた。


JK「それにしても、なんでレンジは毒キノコなんて知ってるの?」


ニート「…さぁ?なんでだろ?」


JK「レンジってキノコ狩りが趣味って感じじゃないし…」


ニート「そうだな、そんなアウトドアな趣味は自殺行為だもんな」


JK「それなのに、ずいぶんと慣れてたからさ、不思議だわ」


ニート「たぶん前にこうやって毒キノコを探したことがあったんだと思う」


JK「へぇ…なんで?」


ニート「さあ?」


ショタ「見て見て!!いっぱい取れたよ!!」


そう言いながらショタは嬉しそうに毒キノコを見せびらかしてきた。


こうして三人の毒キノコ狩りは終わり、帰路に着いた頃には日も沈みかけ、空が紅くなっていた。


帰り道の途中、毒キノコがたくさん取れて喜び、スキップで歩くショタを先頭に三人は歩いていた。


JK「ショタ君、あんまり浮かれてると危ないよ」


ショタ「大丈夫!!」


ニート「いやぁ、しかし今日はよく働いたなぁ」


JK「キノコ取ったのはほとんどショタ君でしょ」


ニート「そう言うお前もなんにもしてないがな」


JK「…確かに」


ニート「なんでお前は毒キノコ狩り付いてきたんだ?。他のみんなは俺が毒キノコ知ってるって言っても信じてくれなくて、付いて来てくれなかったけど…」


JK「いやぁ、流石にみんなにあそこまで信用されてないレンジが気の毒で…」


ニート「お人好しなんだな」


JK「というか私はさ、小さい頃のレンジのこと知ってるから余計に放っておけなかったんだよね」


ニート「あぁ、そういえば俺のこと知ってたんだっけ?。俺たちって記憶が無くなる前はどういう関係だったんだ?」


JK「レンジが行方不明になったのは…8年くらい前だったっけ?。その前はよく遊んだりしたんだよ?。幼なじみって感じかな?」


ニート「そういえば、母親からそんな人がいたんだと聞かされたことがあったような…」


JK「レンジが発見された時にレンジが引っ越しちゃったからさ…」


ニート「なるほど、そういうことね。俺が引っ越したから記憶が無くなってからは会ってないってことか…」


JK「いや、一回会いに行ったんだよ?。でもそのときのレンジは何かに取り憑かれたかのように上の空だったから…」


ニート「ふーん…それは申し訳ないことしたな」


JK「いや、それは別にいいんだけどさ…レンジ」


ニート「ん?」


JK「五年の間、君はどこにいたの?」


ニート「それをまるまる忘れちゃったんだ。覚えてるのは発見されてからの記憶だけだ」


JK「そうなんだ…五年間も行方不明でレンジも大変だったね」


ニート「いや、そうでもないぞ。もしかしたら俺は空白の五年間、悪の組織と戦って世界を救う旅にでていたんだと考えると自分には未知の力が隠されている可能性があると思えば、ニートの俺でも生きる希望が湧いてくる」


JK「無駄にポジティブだね」


ニート「だだ…記憶を失ってから、義務とか責任とか、そういうのを背負うのが嫌になったんだよな…」


JK「背負うのが嫌になったから高校を中退して職にもつかずにニートになったと?」


ニート「そういうことだな」


JK「レンジは五年間もなにしてたんだろうね…」


ニート「これはただの推測なんだが…もしかしたら俺はこの島に…」


そのとき、遠くの方からショタが二人を呼ぶ声が聞こえて来た。


ショタ「二人とも!来て来て!」


ショタは二人の元に駆け寄り、JKの手を引っ張りってどこかに行ってしまった。


走るのがだるいニートはゆっくり歩いてその後を追った。


ショタに引っ張られどこかに行ってしまったJKは歓喜の声をあげたあと、ニートを大きな声で呼びかけた。


西日を背にしてニートに大きく手を振るJKが眩しくて、ニートは少し目を細めた。


そのとき、再びJKと誰かの面影が重なって見えた。


ニート「…お姉…ちゃん?」


思わずニートも足を速めてそこに駆け寄った。


二人の元に駆け寄ったニートを待っていたのは大きな崖から見下ろす島の景色であった。


美しく茜色に輝く海に囲まれ、緑が生い茂る自然豊かな森の中心から見るそれはまさに絶景であった。


JK「うはぁ!キレー!!」


ショタ「ね?綺麗でしょ!?」


ニート「………」


景色に感嘆する二人とは違い、ニートはその絶景の前に言葉が出なかった。


それは景色が美しかったからという理由だけでなかった。


ニートはこの景色に既視感を覚えたからである。


ニート「やっぱり…俺はこの景色を見たことがある…。この島に…来たことがある」


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