表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
つまり養ってくれるってことですか?  作者: なおほゆよ
無人島編
7/52

愛する人のために男達は立ち上がる

前回のあらすじ


男には、愛する人のために戦わなければならぬ時がある。






人物紹介


ゲームマスター側


Mr.X 殺し合いサバイバルゲームのゲームマスター、本名は田中。機械音痴。


助手 Mr.Xの助手。Mr.Xの部下だがときどきMr.Xを呼び捨てで呼ぶ。


ボス ボスはボスでボス以外の何者でもない




プレイヤー


萩山レンジ (ニート)高校を中卒後、就職が決まらずそのままニートになった。家に帰っても居場所がないため家に帰りたがらない。


月宮カグヤ (JK) 女子高生。Mr.Xから支給された携帯を即行で無くしたドジっ子。


天城ショウタ (ショタ)7歳のショタ。虐待を受けて育って来たために家に帰りたがらない。


平間和也 (イケメン) 24歳のイケメン。島が気に入ったので家に帰りたがらない。


西谷マキ (アパレル) アパレルショップで働いていたが、親が残した借金が返せず、日々取り立てに追われていたので家に帰りたがらない。


小坂慎太郎 (係長) 年頃の娘と妻を持つ係長。娘から一緒の洗濯機で下着洗いたくないと言われたのがショックだったのか、家に居場所がないと感じて家に帰りたがらない。


黒崎サナエ (ビッチ) 大学生のクソビッチ。イケメンを好きになったために家に帰りたがらない。


鬼塚ケイ (犯罪者) 犯罪を犯し、警察に追われていたところを拉致された。シャバにいるより島の方が安全と判断して家に帰りたがらない。


石川哲也 (おじいちゃん)89歳のおじいちゃん。昨年ひ孫の顔も見れたのでもう現世に思い残すこともなく、少なくとも人を殺してまで家に帰ろうとはしない。


エンジェル プレイヤー達の殺し合いを阻止すべく動く謎の人物





その他


タケシ 黒崎サナエ(ビッチ)の彼氏と思われる人物。頑張れ、タケシ。


兄貴 タケシが襲ったヤクザの舎弟頭的な存在のインテリヤクザ。鬼塚ケイを探し出し、殺すことを目的としている。



ショタ「釣れないね」


JK「そうだね」


島に送られていた食料が断たれたいま、自力で食料を確保する必要があるため、二人は自作の釣竿で釣りをしていた。


ショタ「なんでお魚さんは僕たちに寄って来ないんだろう?」


JK「どうして魚も男も私に寄って来ないのか…。うーん…わたしの女の魅力が足りないせいか?」


JKはわざとらしく悩ましげにそんなことをつぶやいた。


ショタ「え?お魚さんも綺麗な女の人が好きなの?」


JK「そうよ、綺麗な女の人は種族や性別関係無く、みんな好きなのよ」


ショタ「JKのお姉ちゃんも?」


JK「もちろん。綺麗な女の人って言うのは柔らかくて、なにより匂いが良いのよ」


ショタ「匂いにつられてお魚さんもやってくるの?」


JK「そうよ」


ショタ「じゃあ、どうしてお魚さん釣れないの?」


JK「ん?」


ショタ「だってJKのお姉ちゃんも綺麗な女の人だよ?」


JK「あら、ショタ君良いこと言うね。ショタ君はお世辞も上手だね」


ショタ「お世辞なんかじゃないよ!ほんとだよ!」


JK「ふふっ、ありがと」


そのとき、JKが持っていた竿に力がかかる。


それと同時にJKは力一杯竿を振り上げた。


すると海面から勢い良く一匹の魚が飛び出て来た。


ショタ「わあ!釣れたね!」


JK「やったあ!!」


ショタ「これってやっぱり、お姉ちゃんも綺麗な女の人だってことだよね!?」


JK「そういうことなのかな…」


ショタ「うん!お姉ちゃんは綺麗な女の人だよ!」


JK「そうなのかもね。…あれから、もう8年も経ってるもんね」


JKは小さくそう呟いた。


ショタ「…どうかしたの?」


JK「いや、ただ昔憧れていた人に近づいて来たのかなって思っただけ」


ショタ「…?」


JK「なんでもない。この調子でどんどん釣ろうか!!」


ショタ「うん!」


JKは再び釣竿を海に向かって勢い良く投げた。





所変わってここは林の中、のそりのそりと係長が歩いていると、前方からニートが歩いて来た。


やがてニートは係長の進行方向に立ち塞がるように立ち止まった。


係長「…ニート君か」


ニート「…係長」


係長「悪いがそこを退いてくれないか?。守るべき人(娘)が助けを待っているんだ」


ニート「…悪いが通すわけにはいかねえ。俺も愛する人(初回限定版予約特典)を待たせてるからな」


係長「そうか…君にも大切な人がいるんだね。…でも、僕にとって娘は何にも変えられない宝なんだ、分かってくれ」


ニート「係長はよっぽど娘が大切なんだな。…だけどな、俺にもこれは何にも変えがたいものだ。これを逃したらもう二度とチャンスは来ないんだ」


係長「…どうやら、お互い引くに引けないようだな」


ニート「ああ、これは避けられない戦いなんだ」


係長「君に僕が倒せるかな?。通信空手で技を培って来た、この僕に…」


ニート「数々のマンガやアニメで武術を学んだこの俺が、負けるはずがない!!」


係長「ではゆくぞ!!いざ尋常に…」


ニート「勝負!!」


こうしてニートと係長の熾烈きわまる激戦は幕を開けた。


1人は愛する娘を魔の手から救うため、もう一人は愛する嫁のスペシャルポスターを手に入れるため…






イケメン「こんなので本当に作物が育つのかい?」


アパレル「ええ、意外に野菜っていうのは根強いものだから、ある程度は放ったらかしにしておいたほうが良く育つわ」


イケメン「そうなのか…」


自作の農具を肩に抱えながら、泥だらけのイケメンはつぶやいた。


ビッチ「あのぉ、イケメンさん。よかったらぁ、このタオル使ってぇ」


イケメン「ああ、ありがとう」


ビッチ「それとあと…お水も持って来たんだけどぉ…」


イケメン「ありがとう、気がきくね」


ビッチ「そんな、当たり前のことだよぉ。私のために働いてくれてるイケメンさんを付きっきりでサポートしたいんですぅ。どこか疲れていませんかぁ?マッサージしますよ?」


イケメン「大丈夫、ありがとう。でもそう言うビッチさんだって疲れてないかい?。なんなら僕で良かったらマッサージしようか?」


ビッチ「えっ!?そんなの悪いですよぉ!!。でも…イケメンさんにならマッサージされたいかなぁって…」


イケメン「わかった。じゃあいつも寝てる洞窟でやろうか」


ビッチ「えっ!?。きゃー!!イケメンさんと暗いところで二人っきりとか…」


そんな会話をしている二人を尻目に、アパレルはある心配をしていた。


アパレル「いままでの作業に抜かりはない、土も肥えてるから問題ない。あとは…」


おじいちゃん「天気、じゃな」


心配そうに空を見上げる二人の視界に大きな雨雲が流れてきた。






係長「通信空手流、奥義!!『ブラックタスク』!!」


ニート「自宅警備員流、奥義!!『マザーパラサイト』!!」


激しくぶつかり合う二人の戦いは熾烈きわまる激戦だった。


二人の熾烈きわまる激戦は熾烈をきわめており、両者とも一歩も引けぬ熾烈きわまる激戦であった。


熾烈きわまる激戦は熾烈きわまる激戦であり、それ意外のなにものでもなく例えるならまさに熾烈きわまる激戦であった。


とにかく熾烈きわまる激戦で、めちゃくちゃに熾烈をきわめていた。


それはもう具体的な描写をするまでもなく熾烈をきわめており、それはもう熾烈きわまるがゲシュタルト崩壊するほど熾烈きわまる激戦であった。


そんな熾烈きわまる激戦に変化が起きた。


係長「通信空手流、ニの型!!『社畜万歳モード』!!」


ニート「二の型だと!?」


係長「この二の型は私が長年会社のために勤め、命を削り会得した最強の布陣!!例え多くのマンガやアニメを見てきたお前でもこの型は破れない」


ニート「だったら俺ももったいぶってる場合じゃねえな。自宅警備員流、第二形態!!『無職童貞三十歳』」


その瞬間、ニートから熾烈きわまるなにかが周りに迸った。


その熾烈きわまるなにかは熾烈きわまっていたので、戦いはさらに熾烈きわまった。


ニート「さあ、第二ラウンドだぜ、係長!!」


係長「それでこそ我がライバルだ!!ニート!!」


二人の熾烈きわまる激戦はさらに熾烈をきわめていた。






ビッチ「そ…そこはらめぇ…」


イケメン「そんなこと言って…本当は気持ちいいくせに」


ビッチ「らめぇ…」


イケメン「じゃあもうやめようか?」


ビッチ「それもらめぇ…もっと欲しい…」


※ただのマッサージです。


イケメン「ほら、じゃあ続けるよ」


ビッチ「あああああああぁぁん!!!!」


※ただの足ツボマッサージです。


イケメン「ここのツボで痛がるってことはよほど肩が凝ってるんだね」


ビッチ「はぁはぁ…最近…腰も悪くって…」


イケメン「じゃあ腰に効くツボも刺激しないとね」


ビッチ「アンッ!!」


イケメン「ここはお腹に効くツボ」


ビッチ「ああんっ!!」


イケメン「ここが頭に効くツボ」


ビッチ「ああああああああん!!」


イケメン「そしてここがクソビッチに効くツボ!!」


ビッチ「あああああああああああああああああああんん!!!!!!!!!」


洞窟にはビッチの喘ぎ声が鳴り止まなかった。







一方、熾烈きわまる雨が降りしきる熾烈きわまる決闘はいよいよ大詰めに差し掛かってきていた。


係長「通信空手流、終の型、『過労死寸前モード』」


ニート「アレは…長年、仕事に命をかけ続けた者だけが会得できるという最強の布陣!」


係長「その通り。これが幾数年、社畜として生き続けた者の最後の姿」


ニート「だが、その姿は諸刃の剣!!。いつその代償が自分の身に降りかかるか分からないんだぞ!?」


係長「かまわん!社畜として、それが本望だ!!」


ニート「…そうか、お前の覚悟を見せて貰ったよ。だが、とっておきを持っているのはお前だけではない!!」


係長「…まさか、お前!!」


ニート「自宅警備最終形態!!『キングパラサイト』!!」


係長「その姿は…親の貯金を骨の髄まで吸い取り尽くした寄生生物の形の果て…」


ニート「そうだ。親の貯金も尽き、お金も仕事も後先も無いニートが行き着く最後の姿…」


係長「その姿になった以上、もはやお前には絶望しか残されていない…」


ニート「そうだ。これはいままで一度も自立しなかった代償が集結した存在。お前のその覚悟に応えるかために、俺も何もかも失うことにしたのさ」


係長「…どうやら俺たちが戦うのは運命であったようだな」


ニート「1人は仕事に命を懸け…もう1人は仕事しないことに命を懸けた…。俺たちが戦い合うのは運命であったようだ」


係長「もはや言葉は意味を成さない。あとはこの拳で語るしか無い」


ニート「そうだな、最終ラウンドを始めよう」


係長「…この命、全て会社に捧ぐ!!!!」


ニート「それでも俺は、自宅警備員を諦め無い!!!!」


係長「行くぞ!!」


ニート「来い!!」


係長「モトコおおおおおおおお!!!!!(娘の名前)」


ニート「レイラああああああああ!!!!(二次元嫁の名前)」


熾烈きわまる二人の最後の熾烈きわまる激戦が始まる。







JK「ビックリしたよ。急に降ってくるんだもん…」


突然の豪雨に襲われたJKとショタは洞窟に避難していた。


JK「でもショタ君、ここに洞窟があるなんてよく知ってたね」


ショタ「うん、以前島を冒険していたときに見つけたんだ」


JK「よく見てるね、さすがショタ君だ」


JKはそう言うと洞窟の奥に入ろうとした。


ショタ「お姉ちゃん、どこ行くの?」


JK「せっかくだから、ちょっと洞窟を探検しようと思って…」


ショタ「奥は暗いし危ないよ」


JK「大丈夫大丈夫、ちょっとだけ。先っちょだけだから…」


ショタ「ちょっと待って、お姉ちゃん…」


二人が洞窟の奥に入ろうとしたとき、奥の方から誰かが歩いて来るのがわかった。


JK「…誰かいるの?」


コツコツと足音を響かせたその人物はJK達の前に姿を現した。


犯罪者「なんだ、誰かと思ったらお前達か…」


ショタ「犯罪者のお兄ちゃん!!」


JK「この洞窟を探検してたんですか?」


犯罪者「いや、散歩してたら雨が降りそうだったから雨宿りできる場所を探していたらこの洞窟を見つけてな…。中を探検しようとしたところにお前たちの声が聞こえて戻って来たんだ」


JK「じゃあまだ中は見てないんですか?」


犯罪者「ああ、一緒に来るか?」


JK「はい、お伴します」


ショタ「でも、洞窟暗いから危ないよ?」


犯罪者「大丈夫だ、おじちゃんライター持ってるから」


このライターはこの島に連れてこられた時に回収されなかったライターである。


犯罪者「そういうわけで、三人で行こうか」


JK「洞窟探検とかウキウキする!」


ショタ「危なくないかな…」


こうして三人は洞窟の奥に入って行った。






豪雨によってぬかるんだ地面の上で大の字になって二人は倒れていた。


ニート「強えな、お前…」


係長「お前こそ…やるな…」


二人はボロボロの体で息を切らしながらそんなことを言っていた。


いつの間にか降っていた雨も止み、太陽が顔を出し、空には虹がかかっていた。


そんな夕焼けの空の下でお互いの実力を認め合う二人の様子はさながら青春漫画の1ページのようであった。


そして、二人は棒切れのような足でフラフラと立ち上がり、がっちり握手をした。


これが二人の熾烈きわまる決闘の末の熾烈きわまる結果である。


もはや当初の目的を忘れてしまった二人はただただ、自分のライバルの出現を祝うように握手をするだけだった。


こうして、二人の男の間に熱い友情が生まれたのだった。


めでたしめでたし。






JK「きゃっ!」


洞窟を歩いていた三人のうち、JKが何かにつまづいて転んだ。


JK「イタタタタ…」


ライターの明かりがあるとはいえど、足元まで照らすまで至らなかったがために起きた転倒である。


犯罪者「大丈夫か?」


JK「大丈夫、転んだだけです」


犯罪者「足元に気をつけろよ」


そう言うと犯罪者はライターで足元の方を照らした。


するとそこには幾つかの骨が散らばっていた。


JK「ひっ!!」


それを見たJKは骨の太さや大きさからそれが人骨であることを直感した。


犯罪者「…どうやら、これは人間の骨のようだな」


JK「ひぃ!!」


ショタ「………」


犯罪者「怖いのなら先に洞窟から出てな。俺はもう少しここを調べる」


JK「そ、そうだね、い、行こう、ショタ君」


JKはショタの手をがっしりと掴むといそいそと出口の方に向かった。


ショタ「………」


ショタは手を引かれながら黙ってその場を去って行った。


犯罪者「さてと…」


犯罪者は2人がいなくなったのを確認するとライターを明かりにして足元の骨を拾い集めだした。


犯罪者「おそらく、骨の大きさから見てこれは10代から30代までの女性の遺体。白骨化してるってことはもう何年もここに放置されていたってことだな…」


何かを考えながらもせっせと骨を集める。


犯罪者「おそらくは…前回のデスゲームの被害者だろうな。…流石に誰かは分からないが、せめて供養してやるとするか…」


一通り骨を集めたところで犯罪者はあることに気がついた。


犯罪者「…頭蓋骨が見当たらないな」


辺りを探したが、頭蓋骨と思しき骨は見つからなかった。


代わりにこの遺体が生前彫ったであろう遺言のような文字が壁に刻まれていたのがわかった。


犯罪者「……しの天…を守って…」


深く刻み込まれたであろうその文字はところどころかすれていて見えないが、少しだけ読み取ることができた。


犯罪者「しの天…死の天使、とかかね?」


犯罪者はぼそりとそんなことを呟いた。




Q&Aのコーナー


Q、なんで毎回登場人物の紹介をしてるんですか?


A、作者も名前を覚え切れないから

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ