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つまり養ってくれるってことですか?  作者: なおほゆよ
無人島編
21/52

そろそろ島にも新しい風が欲しいところ、後半

前回のあらすじ


前回は前回のあらすじを書き忘れた。以上。








人物紹介


ゲームマスター側


Mr.X 殺し合いサバイバルゲームのゲームマスター、本名は田中。機械音痴。


助手 Mr.Xの助手。Mr.Xの部下だがときどきMr.Xを呼び捨てで呼ぶ。


ボス ボスはボスでボス以外の何者でもない


Q プレイヤー達の安否の偽造工作員。兄貴と接触を試みる。




プレイヤー


萩山レンジ (ニート)高校を中卒後、就職が決まらずそのままニートになった。家に帰っても居場所がないため家に帰りたがらない。行方不明と記憶喪失の経歴がある。


月宮カグヤ (JK) 女子高生。Mr.Xから支給された携帯を即行で無くしたドジっ子。レンジとは旧知の仲らしい


天城ショウタ (ショタ)7歳のショタ。虐待を受けて育って来たために家に帰りたがらない。


平間和也 (イケメン) 24歳のイケメン。島が気に入ったので家に帰りたがらない。


西谷マキ (アパレル) アパレルショップで働いていたが、親が残した借金が返せず、日々取り立てに追われていたので家に帰りたがらない。じつは農家の娘。


小坂慎太郎 (係長) 年頃の娘と妻を持つ係長。娘から一緒の洗濯機で下着洗いたくないと言われたのがショックだったのか、家に居場所がないと感じて家に帰りたがらない。娘の名前はモトコ。


黒崎サナエ (ビッチ) 大学生のクソビッチ。イケメンを好きになったために家に帰りたがらない。ビッチに効く足ツボを刺激されると身も心も美少女のヴィッチさんに転生する。


鬼塚ケイ (犯罪者) 犯罪を犯し、警察に追われていたところを拉致された。シャバにいるより島の方が安全と判断して家に帰りたがらない。


石川哲也 (おじいちゃん)89歳のおじいちゃん。昨年ひ孫の顔も見れたのでもう現世に思い残すこともなく、少なくとも人を殺してまで家に帰ろうとはしない。


エンジェル プレイヤー達の殺し合いを阻止すべく動く謎の人物





その他


タケシ 黒崎サナエ(ビッチ)の彼氏と思われる人物。頑張れ、タケシ。


兄貴 タケシが襲ったヤクザの舎弟頭的な存在のインテリヤクザ。鬼塚ケイを探し出し、殺すことを目的としている。


ヤクザ 兄貴の部下のヤクザ。主に兄貴の解説役。


Mr.X「じゃあ引き続き、後半戦をやりますか」


助手「次のプレイヤーは誰ですか?」


Mr.X「イケメンに電話をかけよう」


TEL イケメン。


Mr.X「もしもし?チョリース」


イケメン『チョリース、田中さん。どうしたんだい?僕の声が恋しくなったのかい?』


Mr.X「いきなりで悪いんだけどさ、イケメンって苦手な人とかいるか?」


助手「なにっ!?。あの田中さんが話題をスルーしていきなり本題に入っただと!?」


Mr.X「なんでその程度のことでそんなに驚いてるの?」


イケメン『それで、田中さん。さっきの質問はどういうこと?』


Mr.X「あぁ、いまプレイヤー達に苦手な人物について聞いているところでな…」


イケメン『へぇ…どうしてだい?』


Mr.X「新しいプレイヤーの候補…じゃなくて、単なる興味で聞いているのさ」


イケメン『へぇ…本当に?』


Mr.X「も、もちろん!!本当だとも!!このワシが嘘なんてつくはずないだろ!!疑っているのか!?さては疑っているのか!?ざ、残念ながら疑ってなにもないぞ!!。ほ、本当になにも隠してなんてないんだからね!!」


助手「田中さん、誤魔化す才能なさすぎ」


イケメン『まぁ、田中さんにもいろいろあるんだろうし、詳しいことは聞かないでおくよ』


助手「実は十人目のプレイヤーを追加しようと思ってるんですが、どんな人物にするかを決めるためにあなたがたにアンケートを取ってるのです」


Mr.X「え?それ言っちゃっていいの?」


助手「相手はあのエンジェルです。下手に誤魔化しても逆効果ですよ」


Mr.X「そういえば、君はイケメンがエンジェルだと思ってるんだっけ?」


イケメン『僕が天使だって?。残念ながら僕はキューピットなんかじゃないよ。どちらかというと僕はスナイパーさ、君のハートを撃ち抜く罪深きスナイパーさ』


ビッチ『キャー!!イケメンさんカッコいい!!』


ニート『死ね!!出来るだけ苦しんで死ね!!』


Mr.X「…なんか電話越しに黄色い声と死の宣告が聞こえるんだが?」


イケメン『とりあえず、事情は察したよ。君達は僕達が苦手な人物像に当てはまる人物を十人目のプレイヤーとして選別して、争いの種としてその十人目のプレイヤーを送ろうとしているんだね』


Mr.X「よくいまのだけでわかったな。ムカつくけど頭の回転は速いんだな」


イケメン『だけど困ったな…僕に苦手な人物なんていないし、それに僕のことが苦手な人物もいないだろうから、争いが起きるはずがないんだよね…』


ニート『は?言っておくが、俺はお前のこと苦手だぞ?』


Mr.X「あ、ワシも苦手だ」


助手「僕もです」


イケメン『どう足掻いても僕は好かれてしまうからな…田中さんにはこんなに美しくて悪いと思ってるのだが…』


Mr.X「なんでこいつは自分に対する悪口だけは頭が回らないの?」


イケメン『あ、そうだ。そういえば僕でも苦手な人物がいた』


Mr.X「へぇ、どんなやつ?」


イケメン『他でもない、美しすぎる僕自身が…』


ここで田中さんは無言で通話を終了させた。


Mr.X「…次に行こうか、次に」


助手「そうですね」






ネクストプレイヤー、ショタに電話。


ショタ『もしもし?田中のおじちゃん?』


Mr.X「もしもし?。元気にしていたかい?ショタ君」


ショタ『うん!。今日も楽しかったよ!。これも田中のおじちゃんのおかげだね!』


Mr.X「そうかそうか、それはよかった。ところで、ショタ君はなにか苦手なものってあるのかな?」


ショタ『苦手なもの?。えっとねぇ…僕、狭いところが苦手なんだ」


田中「狭いところ?。洞窟とかかな?」


ショタ『ううん。洞窟くらいなら大丈夫なんだけど、もっと狭いところ…動けないくらい狭いところは苦手なんだ』


田中「そうなのか…ショタ君は狭いところが苦手なのか」


助手「閉じ込められたトラウマとかでもあるんですかね?」


田中「父親に虐待されていたらしいからな…その線が濃厚だろう」


ショタ『田中のおじちゃん?なに話してるの?』


田中「いや、なんでもないよ。もし今度狭いところに閉じ込められたらおじちゃんが助けてあげるよ」


ショタ『ほんとに!?。ありがとう田中のおじちゃん!!。あっ、そろそろ晩御飯ができるから電話切るね、それじゃあまたね、田中のおじちゃん!!』


田中「うん、また明日ね、ショタ君」


通話終了。


助手「…っていうか、苦手な人物じゃなくて苦手なものを聞いてどうするんですか?」


田中「つい、うっかりな」


助手「『狭いところ』が候補な人物ってどういうことですか?」


田中「心が狭いって解釈でいいだろう」


助手「あと『チョリース』はどうしたんですか?」


田中「ショタ君がそんなチャラい死語を言うところなんて聞きたくないからな」


助手「死語って自覚はあるんですね」






続きまして、犯罪者に電話。


田中「もしもし?」


犯罪者『もしもし?なんのよう?』


田中「いまプレイヤー達にアンケートを取ってるんだがな…」


犯罪者『あぁ、なんでも新しいプレイヤーの候補の参考として苦手なものを聞いてるんだって?』


田中「そうそう、話が早くて助かるよ」


犯罪者『っていうか、この情報さ、プレイヤーに漏れてもいいのか?。俺が言うのもなんだけど、こういう大事な情報が露呈するなんて管理者として自覚あるのか?。責任感のない人間は社会に出ても仕事任されないから出世できないよ?』


田中「申し訳ございません。その件に対しては私自身に非があったと認めております。今後二度とこのような失態を犯さぬよう、精進していく所存です」


犯罪者『ほんとに?。今度からは気をつけろよ』


田中「はい!ありがとうございます!」


助手「…なにこの茶番は?。まぁ、部下の僕として、無能な上司を叱ってくれてありがたいけど」


田中「それで、犯罪者の苦手な人物ってなに?」


犯罪者『うーん…そうだなぁ…幽霊とか苦手だな』


助手「それって人物に換算されるの?」


田中「幽霊が苦手?。意外だな」


犯罪者『だって、もし幽霊が本当にいるとすれば、死人から復讐される危険があるだろ?』


田中「…ごめん、言ってる意味がよく分からない。っていうか、分かりたくない」


犯罪者『まぁ、そういうことわけで幽霊が苦手だ』


田中「そ、そうか…参考にさせてもらおう」


助手「参考って…『幽霊』が候補な人間ってどういうことですか?」


田中「老い先短そうな人ってことでいいだろう」






ネクストプレイヤー、JKに電話。


田中「JKの苦手な人物ってなに?」


JK『私の苦手な人物?。うーん…自分のカーストが下がらないように必死になって徒党を組んで、自分のカーストを守るためなら仲のいい友人だろうが、誰彼構わず相手を蹴落としておいて、その子がイジメのターゲットから外れたら平然を装って仲良しのフリをして、今度は自分がターゲットにならないように躍起になって毎日を過ごす女子とか苦手だな』


田中「うっ…生々しい…」


助手「女社会って怖いですからね」


JK『まぁ、そう言う私は友達もできずに一人で便所飯食ってるやつですが…』


田中「お願いだから止めてあげてよ」


JK『でもマジレスすると、もっと苦手な人物はいるんだけど…』


田中「へぇ、どんな人?」


JK『昔、通り魔に襲われたことがあってさ、その時のことがトラウマでね…。そう言うわけで、通り魔は苦手だな』


田中「通り魔ねぇ…」


助手「難しい新人候補ですね」


田中「あ、そういえばJKってニートのことどう思ってる?」


JK『どう思ってるってどういうこと?』


田中「実はニートに頼まれて、JKがニートをどう思ってるか知りたいのだそうだ」


助手「悟られないようにさりげなく聞いてとはなんだったのか…」


JK『なんでニートがそんなこと聞くのさ?』


田中「そりゃあJKに気があるからじゃないの?」


助手「…筒抜けにベラベラ話されるニートが可哀想だ」


田中「いやいや、好意があるってことは伝えておいた方がうまくいくと思うぞ。自分のことが好きなやつの方が好きになりやすいだろ」


助手「そうかもしれないですけど…」


田中「それで、JKはニートのことをどう思うんだ?」


JK『えっと…ニートは…そうだなぁ…。大切な友達、かな?』


田中「うーむ…友達か…」


JK『…いや、違うな。友達というより、ニートは私にとって…ヒーローかな』


田中「…ヒーロー?」


JK『うん、ヒーロー』


田中「…これはどう受け取ればいいんだろうな?」


助手「友達よりは脈がありそうですね」


田中「よし、わかった。ワシからニートに伝えておこう」


JK『え?いや、待ってよ。なんか恥ずかしいからやめ…』


JKの静止を無視して田中さんは通話を終了させた。


田中「この恋は実るんじゃないか?」


助手「田中さん、下世話な話が好きですね」


田中「そういう君だって興味あるだろ?」


助手「そりゃあ、興味ありますけど…。っていうか、田中さんって気のいい親戚のおっちゃんから、恋のキューピットまでなんでもやれるのに…どうしてゲームマスターだけは出来ないんですか?」


田中「そんなこと言うなよ。ワシだって真剣にやってるつもりなんだぞ?」


助手「アレで?」


田中「そんな目でワシを見るなよ」


助手「っていうか、田中さん、気がついてますか?」


田中「なにが?」


助手「途中から、田中さんのセリフの前の名前が『Mr.X』じゃなくて『田中』になっちゃってますよ」


田中「…え?。…ほんとだ」


助手「…とうとう『田中さん』で公式認定されちゃいましたね」


田中「そんなバカな!!」



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