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つまり養ってくれるってことですか?  作者: なおほゆよ
無人島編
12/52

ニートミーツジェーケー

前回のあらすじ


おじいちゃん、名誉ある殉職。








人物紹介


ゲームマスター側


Mr.X 殺し合いサバイバルゲームのゲームマスター、本名は田中。機械音痴。


助手 Mr.Xの助手。Mr.Xの部下だがときどきMr.Xを呼び捨てで呼ぶ。


ボス ボスはボスでボス以外の何者でもない


Q プレイヤー達の安否の偽造工作員




プレイヤー


萩山レンジ (ニート)高校を中卒後、就職が決まらずそのままニートになった。家に帰っても居場所がないため家に帰りたがらない。行方不明と記憶喪失の経歴がある。


月宮カグヤ (JK) 女子高生。Mr.Xから支給された携帯を即行で無くしたドジっ子。レンジとは旧知の仲らしい


天城ショウタ (ショタ)7歳のショタ。虐待を受けて育って来たために家に帰りたがらない。


平間和也 (イケメン) 24歳のイケメン。島が気に入ったので家に帰りたがらない。


西谷マキ (アパレル) アパレルショップで働いていたが、親が残した借金が返せず、日々取り立てに追われていたので家に帰りたがらない。じつは農家の娘。


小坂慎太郎 (係長) 年頃の娘と妻を持つ係長。娘から一緒の洗濯機で下着洗いたくないと言われたのがショックだったのか、家に居場所がないと感じて家に帰りたがらない。娘の名前はモトコ。


黒崎サナエ (ビッチ) 大学生のクソビッチ。イケメンを好きになったために家に帰りたがらない。ビッチに効く足ツボを刺激されると身も心も美少女のヴィッチさんに転生する。


鬼塚ケイ (犯罪者) 犯罪を犯し、警察に追われていたところを拉致された。シャバにいるより島の方が安全と判断して家に帰りたがらない。


石川哲也 (おじいちゃん)89歳のおじいちゃん。昨年ひ孫の顔も見れたのでもう現世に思い残すこともなく、少なくとも人を殺してまで家に帰ろうとはしない。


エンジェル プレイヤー達の殺し合いを阻止すべく動く謎の人物





その他


タケシ 黒崎サナエ(ビッチ)の彼氏と思われる人物。頑張れ、タケシ。


兄貴 タケシが襲ったヤクザの舎弟頭的な存在のインテリヤクザ。鬼塚ケイを探し出し、殺すことを目的としている。


少年はかじかむ手に温かい息を吹きかけた。


辺りは雪で白く染まり、少年が歩くたびに新雪に足跡が残って行った。


やがて少年はとある青年に出会う。


その青年はスコップのような物を肩に下げ、地面に積もる雪を見つめていた。


少年「お兄ちゃん、なにしてるの?」


少年の呼び掛けに青年は振り向くことなく、ひたすらスコップで地面を掘りながら返事をした。


青年「穴を掘ってんだよ」


少年「なんで?」


青年「うーん…寝床を作るためかな…」


少年「地面を掘って寝床ってことは…もしかして冬眠するの!?。僕知ってるよ!冬眠!!」


青年「ははは、冬眠か…まぁ、そんなところだな」


少年「そっか、冬眠か…だからみんな寝てるんだね」


少年は近くで横になって眠っている人達に目を向けて言った。


少年「じゃあみんな…春になったら目が醒めるんだよね?」


青年「………」


少年の問いに青年はなにも答えることなく、ひたすらにスコップを振るった。


ただひたすらに…みんなの寝床を作るため…。


雪に埋もれても動かないみんなのために…。


どれだけ雪が積もっても…。


みんなが安らかに眠れるように…。







ニートはおじいちゃんの墓の前で記憶に無い昔を思い出していた。


ビッチ「まだ気にしてんの?」


そんなニートの元にビッチが歩いて来た。


ビッチ「意図的でないにしろ、おじいちゃんの死にあんたが関与しちゃったんだって?。だからってあんたが気にすることはないでしょ?」


ニート「そうなんだが…」


ビッチ「それにおじいちゃん、もともと持病でもう長く無かったそうよ。どのみち長くは無かったらしいし、むしろこの島に来て寿命が延びたって言ってるくらいだし…」


ニート「でもそれで終わらせたら、成り行きで死んじゃったおじいちゃんがさすがに可哀想だからな」


ビッチ「どんな心配してんの?あんた」


ニート「っていうかもしかしてお前、俺のこと心配してくれてるのか?ビッチのくせに」


ビッチ「いや、ビッチでも人の心配くらいするわ」


ニート「ビッチなのはいいのか?」


ビッチ「この際だからビッチなのは別にいいわ」


ニート「そしてもう一つ言わせてもらうと、『俺のこと心配してくれてるのか?』の模範解答は『別にそんなんじゃないわよ!』と照れながら否定することだぞ。そうすればビッチのお前にだってツンデレキャラルートが確立するのに…」


ビッチ「…あんたの脳をもっと有効活用してくれる人に移植すればいいのに」


ニート「発想が物騒だな」


ビッチ「それはそうと…JKを探してるんだけど、あんた知らない?」


ニート「JK?。知らないけどなんで?」


ビッチ「Mr.Xが呼んでるのよ」


ニート「Mr.Xが?」




時を遡ること数時間前…


おじいちゃんの死によってなんとかボスからの指令を達成できたとはいえど、今度はいつ別の指令が下るかわからない現状、Mr.Xとその助手はエンジェルをなんとかしなければいけなかった。


だが具体的な案がない現状、頭を抱えるしか無かったMr.X達の元にエンジェルからメールが届いたのである。


メール「お、おじいちゃんの死は、予想外であった。お前達もなかなかやるではないか…。だが、やつは四天王最弱。我々の足者にも及ばぬ存在。ゲームオーバーにはまだ早い。さあ、セカンドラウンドといこうか…」


誰も死なせないと宣言したエンジェルであったが、さすがに89歳の持病持ちのおじいちゃんの死を止めることはできなかったようだ。


Mr.X達も今回のことはおこぼれをもらっただけだと捉えている。


おそらく今回のような幸運は二度とない。


エンジェルの妨害を乗り越え、殺し合いをさせるか…あるいはエンジェルを無力化するか…。


どちらにせよ、まずはエンジェルの正体を探る必要がある。


助手「JKに話を聞きましょう」


Mr.X「JKに?なにをだ?」


助手「エンジェル話をいまJKが落とした携帯を使って我々に連絡を取っています。なのでJKに携帯を落とした時の経緯を聞けばエンジェルの正体についてなにか分かるかもしれません」


Mr.X「なるほど、聞いてみる価値はあるな」


そして…


JK「もしもし?みんな大好きJKです」


自分の携帯を無くしたと言い張るJKはビッチの携帯を使ってMr.Xに電話をかけてきた。


Mr.X「ふっふっふ、御機嫌よう、JK」


JK「なんでも私に聞きたいことがあるとのことで連絡したんですけど…なにを聞きたいんですか?私の足のサイズでも聞きたいんですか?」


Mr.X「なんでお前の足のサイズなんか聞かなきゃいけないんだよ…毛ほども興味ないわ」


JK「もしかしたら田中さんが足フェチの可能性があるじゃないですか」


Mr.X「そんなニッチな趣味はない。あと田中って呼ぶな」


JK「じゃあなにが聞きたいんですか?」


Mr.X「お前、携帯を無くしたと言ったな?。その経緯について聞きたいのだ」


JK「私の携帯を無くした経緯に興味があるんですか?。もしかして携帯を無くした女性フェチなんですか?」


Mr.X「いや、別にワシの性癖の話をしてるわけじゃないからな。…っていうか、高尚なフェチにもほどがあるだろ」


JK「そんなこと言っちゃって…本当は好きなくせに…」


Mr.X「いいから携帯を無くした経緯を話せ」


JK「仕方ないですね…あれは私がこの島に来たばかりのことです…」











目が覚めたら私は森にいた。


見知らぬ土地で突然目が覚めた私は混乱していた。


必死で状況を整理しようとしても、情報は目に見える森の光景だけ。


調べようにも荷物もなにもない。


私はこの行き詰まったこの状況にうろたえるしかなかった。


そんな私のすくそばでけたたましく黒い携帯が鳴り響いた。


まるで私の不安を煽るかのような不協和音で構成されたメロディーであったが、いまの状況を打破する鍵はその携帯しか無かった。


私は藁にもすがるかの思いでその携帯を開いた。


それがさらなる絶望への序章とも知らないで…。


JK「…もしもし?」


吹けば消えるかのようなか細い声で私は通話に応じた。


Mr.X「ふっふっふ、初めまして、私はMr.Xというものです」


Mr.Xは不気味な笑い声と共に私に絶望を突きつけた。


Mr.X「ふっふっふ、君たちプレイヤーにはこれから殺し合いをしてもらう」


JK「そ、そんな…」


声高らかにあざ笑うMr.Xに反して、私は恐怖で声すら出せなかった。


突然、見知らぬ無人島に連れてこられ、そこでの生活を強要され、さらには他の人間との殺し合いを迫られたこの状況は齢十数年の私には到底受け止めきれない事実だった。


それでも私にはまだ望みがあった。


それはこれは壮大なただのドッキリである可能性があるということだ。


私は真実を知るために駆け出した。


地を蹴り、木々を駆け抜け、山を登った。


希望という名の光を渇望して全力で走った私を待っていたのは無慈悲な景色であった。


切り立った崖から見下ろすその光景は360度海に囲まれた島を一望できた。


そして、私は悟ってしまった。


これはドッキリなどではなく、本当に殺し合いなのだと…。


どうして私が?なにがいけなかったの!?誰が仕組んだの!?!?私は殺されるの!?!?


頭に浮かぶ疑問になに一つ納得のいく回答を得られなかった。


この無慈悲で不条理な状況に私はただただ絶望するしかなかった


そしてこみ上げる思いが我慢できなくなり、私は島を見下ろす絶壁の上から悲痛の叫びをあげた。







JK「ヤッホーーーーー!!!!!!!!!」








Mr.X「…どこらへんが悲痛の叫び!?」


助手「絶望したとか言ってるけど、けっこう余裕ありますよね」


Mr.X「途中までバトルロワイアル系の話らしく、いい感じに絶望してる描写できてたじゃん!!。なんでそこでヤッホーなの!?」


JK「島を見下ろす景色に我慢できなかったんや」


Mr.X「お前楽しんでない!?」


JK「…。それから私は山を降りた…」


助手「こいつ無視して話し続けましたよ」


Mr.X「…とりあえず続きを聞こうか」


JK「私は自分の見た景色を信じることができなかった…」


もしかして先程見た光景は自分が作り出した幻で、この島は無人島などではない。


そう考えた私は海を目指した。


石につまずき、木にぶつかり、必死な思いで山を駆け下りた。


頼むから嘘であってくれ、幻であってくれと信じることでしかこの絶望的な状況下で自我を保つことができなかった。


だが山を降り、森を抜けた先の光景に私は愕然とした。


嫌になるほどどこまでも続く青い海が私を待ち構えていたからだ。


そして、私は悟ってしまった。


これはドッキリなどではなく、本当に殺し合いなのだと…。


どうして私が?なにがいけなかったの!?誰が仕組んだの!?!?私は殺されるの!?!?


頭に浮かぶ疑問になに一つ納得のいく回答を得られなかった。


この無慈悲で不条理な状況に私はただただ絶望するしかなかった


そしてこみ上げる思いが我慢できなくなり、私は目の前に広がる海に駆け寄りながら悲痛の叫びをあげた。


JK「わーい!!海らー!!」




Mr.X「だから悲痛の叫びってなに!?」


助手「めっちゃ楽しんでますね」


JK「そして私は浜辺へとたどり着き、海の方に歩き出した…」


私は太陽に反射してきらめく海に触れた。


海の冷たさが手の感覚を通して、私に現実を再認させる。


そして、私は悟ってしまった。


これはドッキリなどではなく、本当に殺し合いなのだと…。


どうして私が?なにがいけなかったの!?誰が仕組んだの!?!?私は殺されるの!?!?


頭に浮かぶ疑問になに一つ納得のいく回答を得られなかった。


この無慈悲で不条理な状況に私はただただ絶望するしかなかった


そしてこみ上げる思いが我慢できなくなり、私はきらめく海に足を浸しながら悲痛の叫びをあげた。


JK「水着持って来ればよかったあああああ!!!!!」





Mr.X「うん、今のはまぎれもなく悲痛の叫びだ。…でもなんか違う」


助手「完全に旅行気分ですね」


JK「水着のない私は海に入ることもできず、ただただどこまでも広がる海を呆然と眺めていた…」


やがて現実を悟り、私は疲れた体を休めるため浜辺に座った。


無限に広がる広大な海の前に無力な私は浜辺でコロッセオを作ることしかできなかった。


Mr.X「コロッセオ!?」


JK「立派なコロッセオが完成する頃にはもう日も沈みかけていた」


助手「しかも完成したのか…」


JK「殺し合いのデスゲームに反してあまりにも美しく輝く夕日に我に帰った私は母親と犬のスカーレットのことを考えた…」


私のことを心配してないだろうか?。スカーレットはちゃんと夕ご飯を食べられるのだろうか?。スカーレットが寂しがってないだろうか?。スカーレットは元気だろうか?。誰がスカーレットの夕ご飯前の散歩に連れて行ってくれるのだろうか?。スカーレットはちゃんとご飯食べてるのだろうか?


助手「この後半のスカーレット占有率はなんなんですかね?」


Mr.X「もっと学校の友達のこととか心配しないのか?」


JK「私、学校に友達っていう友達はいませんから。お昼はいつもトイレで食べてるし」


Mr.X「お前、意外にも寂しい学生生活送ってんな…」


JK「私が浜辺でそんなことを考えていると、近くで足音が聞こえてきました…」


私は足音に驚き、思わず近くのコロッセオに身を隠した。


さっきまで余裕ぶちかましてたけど、これはあくまで殺し合いのデスゲーム。


他のプレイヤーに殺される可能性だってある。


そう考え、私はコロッセオに姿を隠したのだ。


徐々に近づいてくる足音に怯え、震えていた私はこの殺し合いという状況下で改めて死の恐怖を感じた。


死の恐怖に直面することによって、かつての惨劇が脳裏に浮かぶ。


またあの時のように私は理不尽に襲われ、そして殺されてしまうのだろうか?。


そんなのいやだ!!。


お願い、助けて。


心の中で私は助けを求めた。


誰も助けてくれないのはわかってる、このデスゲームから救ってくれないのも理解してる。


それでも私は信じたかった。


あの人が助けに来てくれると…。


でも、誰も助けてくれないのは分かっている。


殺らなきゃ殺られる。


いまはそういう状況だ。


そう、殺らなきゃ…殺られる…。


だったら…殺すしかない。


そう…殺すしかない!!。


やがて足音が止まり、声が聞こえてきた。


「そこに誰かいるの?」


妙に懐かしい声だった。


その声は私の不安を吹き消すかのように、体全身に響き渡り、わたしを落ち着かせてくれた。


そして私はその声を聞いて、直感的に大丈夫であると悟り、おそるおそる姿を現した。


私の前に立っていたのはニートこと、萩山レンジであった。


レンジ「そういえば俺以外にも何人か人がいるって言ってたな…あんたもプレイヤーなのか?」


なんの緊張感もなく、無防備に話しかけられた。


JK「え、ええ…」


相手の様子からは怪しいそぶりは見られなかったが、それでも私は警戒せざるを得なかった。


もしかしたら私が隙を見せたその瞬間に殺そうとしてくるかもしれない。


そう考えると相手が怖くて怖くて仕方がなかった。


だが、レンジはそんなことも御構い無しに話を続けた。


レンジ「それにしても…あんたもラッキーだな」


JK「ラッキー?」


この男はなにを言っているんだ?。


こんななにもない無人島に放り出されて、殺し合いを強要させられて、なにがラッキーだというのだ?。


もしかしてこの男はあまりの絶望的な状況に頭がおかしくなったのかもしれない。


それとも実は彼は殺人狂で人を殺せるこの状況を喜んでいるのかもしれない。


そう考えた私は得体の知れないこの男にさらなる恐怖を感じた。


だが、レンジはそんな男ではなかった。


この男は絶望的な状況下で頭がおかしくなったわけでもなく、ましてや殺人狂などではなかった。


そんなものと比べ物にならないほど、もっと恐るる存在だった。


レンジ「だってさ、一人になるまでこの島を出なくていいってことは、ここでずっとご飯をもらえるってことだろ?」


JK「…は?」


そう、もっと恐ろしい存在。


それは…


レンジ「だからさ…つまり養ってくれるってことだろ?」


JK「………」


パラサイトだ。


あまりの斜め上の発想に私は一瞬言葉がつまり、そして…


JK「ハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」


大いに笑った。


JK「つまり養ってくれるってことだろって!!あんた頭おかしいよ!!おかしすぎるよ!!ハハハハハハハハ!!!!!」


レンジ「お、俺なにかおかしいこと言ったか?」


JK「おかしい!!頭おかしい!!ハハハハハハハハ!!!!!」


そして私は笑いすぎて荒げた息を整えて一言付け加えた。


JK「でも、それってサイコー」


レンジ「だろ?」


今まで絶望するしかなかったこのデスゲームで私は希望の光を見つけた。


不安だった未来が一気に光が射した。


どうしようもないこのデスゲームから、彼は私を救ってくれたのだ。


JK「私の名前は月宮カグヤ。あなたは?」


レンジ「俺は萩山レンジ、よろしく」


そして私を救ってくれた彼は他ならぬ…。







JK「こうして、私の島での1日目が終了して、寄生生活がスタートしたのだ」


Mr.X「へー、ニートに救われたのね…」


助手「………」


JK「………」


Mr.X「………」


JK「………」


Mr.X「携帯は!!!???」


JK「え?なんのこと?」


Mr.X「なんのことって、そもそもこれって無くした携帯についての話だろ!?。携帯はどうしたんだよ!?」


JK「携帯なら『わーい!!海らー!!』のところですでに失くしてたけど?」


Mr.X「じゃあその後の話いらねえだろ!?なに良い感じの話してんの?」


JK「いや、需要あるかなと思って」


Mr.X「必要としてるのは携帯だけだからね!?」


JK「それならそうと言ってくれればいいのに」


Mr.X「で、なんで携帯無くしたの?」


JK「海に落としちゃいけないと思って浜辺においてたらそのまま忘れちゃった」


Mr.X「うっそだろ!?お前!!」







結局、JKからは有益な情報を聞き出すことはできなかった。


なす術もない助手は黙っていままで送られてきたエンジェルからのメールを眺めていた。


そして…なにかを考えたあと携帯を操作し始めた。


Mr.X「なにしてるんだ?」


助手「メールを作成してるんです、エンジェルに宛てた」


Mr.X「メール?」


助手「あちらから一方的にやられっぱなしじゃ、癪なので…。こちらから少し仕掛けてみようかと」


そう言うと助手は作成したメールをMr.Xに見せた。


メール『エンジェルよ、君は本当に石川哲也の死はただの事故だったと思っているのかい?。もしそうだと言うのならそれはとんだ早とちりだ。石川哲也の死はただの事故ではない。プレイヤーの中に我々が仕込ませておいた裏切り者の仕業だ。このまま裏切り者を放っておいていいのかな?。次の犠牲者は一体誰かな?。君の誰も殺させないという目的を達成したいのなら、そいつを見つけ出して殺してみよ。



さぁ、エンジェルよ…ゲームを始めよう。』


Mr.X「なるほどな。裏切り者がいるという情報を流すことでエンジェルを疑心暗鬼にさせるということか」


助手「我々もただ見てるだけではないということを知らしめてやりましょう」


そう言うと助手は送信ボタンを押した。


果たしてこのメールがエンジェルを動かす希望の一手となるのか?


それともデスゲーム(笑)のままなのか?


このメールがある重大な出来事のきっかけとなることは今はまだ誰も知る由もなかった。


それはプレイヤーもMr.Xもエンジェルも、神様も…そして、作者ですら知る由もなかった。


Mr.X「え?作者も知らないの?」


助手「ということはなにも考えてないってことですね」


Mr.X「…それでいいのか?」

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