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『……ドッキリドキドキ大成功! ばんざーい!』


 デスゲーム開始から7日目。0時を過ぎたそのとき、こんなアナウンスが流れた。


 起き上がる気力をなくし、大の字のまま横たわる俺はというと。


「……はい?」


『【強制決闘】お楽しみいただけましたでしょうか?今回のイベントは、なんとドッキリになります。つまり【強制決闘】とは、プレイヤーの皆さまを驚かせるために仕込んだ【ネタ】です。昨日お亡くなりになったプレイヤーの皆さまは、本日をもって復活いたします。お疲れ様でした。なお、本日以降にゲーム内で死亡された場合、従来どおり現実世界でも死亡することになりますので、お気をつけください』


 ……。

 なん……だと……。


「で、で……」


 私、堪忍袋の緒が切れました。

 ブチっと。


「デスゲーム中にドッキリ仕掛けるヤツがあるかあぁああああああッ!!」






 疲れた…………本っっ当に疲れた。

 とりあえず、頭の中を整理しよう。


 先ほど、7回目のアナウンスが流れていた。今度は砂の島らしい。

 砂漠といえば、前に温泉へ行ったところだな。あの町に転送用NPCが出現しているとのこと。


 ……正直、攻略に参加する気力がないぜ。

 俺みたいな奴が多いせいか、はたまた昨日の忌まわしきイベントのせいで起こったいざこざやらが原因か、砂の町にはほとんど人が集まっていないそうだ。


 そういえば、俺ってレベル90になったんだよな。

 先導組は60台が多く、極まれに90台も紛れ込んでいるとか。まあ、ハヤブサの情報がすぐにでも広まるだろうから、彼らのレベルもすぐに上がるだろう。

 なぜかハヤブサも今レベル90だって言ってたな。俺と同じなのは偶然なのか。


 それより、クウちゃんがレベル100になったことについてだ。

 事実上、デスゲーム開始後初のカンストプレイヤーとなった彼女。

 そのウワサを聞いた奴らが、クウちゃんのことをズルだのチートだの女神だの天使だのつるぺただとの言い出し、【クウちゃんファンクラブ】なるものが結成されたとかなんとか。


 ……うおお! クウちゃんが! 俺だけのクウちゃんが! くっそおおおお!!


 俺たちのギルドハウスがある魔法都市で、黄色い声援ならぬ、灰色? 茶色? もはや、どどめ色?

 とにかくそんな感じの、沢山の汚く野太い声が『クウちゃん! クウちゃん萌ええええ!!』などと発している光景を目撃した。

 ……ゲーム内ということで、多くのプレイヤーがアバターを美人、美男子化させているのにも関わらず、この気持ち悪さといったら。


 と、この話とは全く関係ないが、銀色連盟と黄金騎士団の間でなにやら一悶着あったらしい。

 昨日の決闘で、銀色連盟ギルドマスターの銀河と、黄金騎士団サブマスターのカナリアが戦ったらしく、それから色々あったらしいが、詳しくは分からん。

 この2つのギルドはクエスト攻略に積極的だったから、彼らがごたごたのせいで参加しないことが、砂の町に人が集まらないひとつの要因かもしれないな。


 最近、たちの悪い奴らが徒党を組みだしたって話も聞いた。なんでも、ギルドを立ち上げたらしい。

 その名も【俺様のギルド】。……俺らのギルドである【俺らのギルド】と被ってるじゃねえか。なんてこった。

 そいつらは、ハラスメント行為を盛んに行っているという。ノーマナー行為を運営が取り締まらなくなってしまったからな……。治安が悪くなる一方だ。



 ……ま、いろいろあったし、少しは休むのも良いのではないだろうか。

 別に、最後の悪魔とやらを倒すのに、制限時間があるわけでもないしな。


 ……そういえば首都に、『質の良い生産』で有名なギルドがあるって聞いたな。

 装備はもちろんのこと、【料理】の熟練度を限界まで上げたやつとか、【宝石】で客から受け取った石素材を高級なものに変換してくれるやつとか、珍しいオプション付きの【ポーション】を販売してるやつとか、色々いるらしい。

 個人的に、上手い料理ってのが気になるな。今まで食ってた料理に不満があるわけじゃないけど。


 クウちゃんは豚丸さんが護衛してるから、大丈夫だろう。それじゃ、ミヤあたりに声を掛けて行ってみるか。

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