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あっという間に全員、レベル40になった。
これでスキルスロットがひとつ増える。それに、新たに使えるようになったスキルもあるはずだ。
俺たちはいったん町に戻ることにした。砂漠の町と呼ばれるところだ。
俺は改めて、スキルについて悩む。うーん、罠系スキル欲しいけど、どれにしようかな。
うーん。
……せっかくだから、他の人のスキル構成でも見てくるか。密偵以外の奴でも参考になるかもしれないな。
「という訳で豚丸さん、どういうスキル構成なんですか?」
「あ? 密偵のお前が俺の構成聞いてなんか意味あんのか? まあいいけど」
なるほど。【杖】【メガサンダー】【メガフリーズ】【分析】【スロウ】【HP上昇・中】【防御力上昇・中】【魔法攻撃力上昇・中】か。
「ファイアは切ることにしたぜ。ミヤが【炎属性攻撃】とるから、まあ大丈夫だろ」
それじゃあ、そのミヤちゃんにも聞いてみることにする。
「私のスキル? 凄くテンプレだけど、参考になるなら……」
ふむ。【剣】【チャージ】【気合】【挑発】【スタン】【投擲】【炎属性攻撃】【攻撃力上昇・中】と。
「あんまり変えてないんだな? 【叫ぶ】が【スタン】になってることと、【炎属性攻撃】が増えただけか」
【炎属性攻撃】とは、通常攻撃中に一定確率で、攻撃属性を無属性から炎属性に変えてくれるパッシブスキルだ。
まあ、炎属性のモンスター相手だと、寧ろこのスキルがないほうが良いのだが。
さて、次は愛するクウちゃんだ。
「スキル? いいよ、見ても」
【メイス】【ヒール】【キュア】【プロテクション】【リフレクション】【クイック】【SP上昇・中】【魔法攻撃力上昇・中】……なるほど。
「回復、状態治療、ステータス上昇系でほぼ埋まってしまうのか」
「まあね。支援特化だと、選択肢は少ないよ」
そうして小一時間。俺は一通り意見を聞き終え、改めて自分のスキルを考えることにする。
……つーかナイフ、いらねぇんじゃないかな。今まで剣を使ってたから、似たようなのってことでナイフにしてたけど。
弓か銃の遠距離系のほうがよさそうだな。どっちにするか……。
確か弓は一撃のダメージ量が多く、銃は連射できるんだったか。うーん……。
それと、【ダッシュ】【ハイジャンプ】【ステップ】【ハイド】は削れないな。これがないと、囮になって敵の攻撃を避け続けるってのができなくなる。
【影縫い】は、ひょっとしてなくてもなんとかなるか……?
…………。
よし、決めた。
俺のスキルは、こうだ。
【弓】【ダッシュ】【ハイジャンプ】【ステップ】【ハイド】【ニ連撃】【麻痺罠】【素早さ上昇・中】
まず、敵の動きを止めるのは【麻痺罠】でいいだろう。多分、【影縫い】より強力だ。
そして、余裕があるときは【弓】で攻撃してサブ火力に。【二連撃】があるから、元々一撃が大きい弓ならうまくすれば大ダメージになるはずだ。
うし、こんなもんだろう。
あとは、装備を整えないとな。近々ネロの店に行ってみるか。
「なあ、ハヤブサ。次の島へ行く方法は、まだ見つかってないのか?」
ハヤブサに問いかけてみた。
「そうっスね。雷の島クリアから2日経ちますけど、そういった情報は入ってこないっス」
「そっかあ」
こうなりゃ、60くらいまでレベル上げとくか?そうなると、次の狩場はどこがいいかな……。
「ハヤブサ、ちょっと聞きたいんだけど」
お、今度はミヤが質問してる。
「この世界に、4万人くらいの人が……未だに、閉じ込められているのよね。この5日間の間に、いったいどれだけの人が、その……亡くなったの?」
「……聞いた話だと、約1000人程度のプレイヤーが、あの宣告の日から今日までに、消失してるらしいっス」
ごくり、と俺は唾を飲んだ。
1000人か。
彼らが最終的にどうなったのか。
ここに閉じ込められている今は知る由もないが……あれが言っていたことが本当なら、現実世界でも死んだってことなんだよな。
正直、まだ疑ってる。本当に死ぬわけがない。どこかでそう思ってる。でも――
「……ヘロ、ハヤブサ。何としてもクリアして、ここから脱出するわよ。もちろん、ここにいるほかの7人も無事なままで。
もっと言えば、これ以上犠牲が増えないうちに、一刻も早く……!」
「分かってるっス」
「……ああ、そうだな」
俺たちが、そう決意した直後だった。
ビービー。……あの警告音だ。
「おかしいっスね。俺が島にいく方法を知る前に、誰かがもうクリアしたんスかね」
『プレイヤーの皆さん、こんにちは。ヒーローオンライン管理局です』
……。
『明日、現実時間の午前0時に、新イベント【強制決闘】が開催されます』
こんなときにイベントか。楽しめる気分じゃないな……。
『ルールは、既に当局の方で決めさせていただいた、貴方の決闘相手である1名のプレイヤーを探し出し、制限時間以内に相手のHPをゼロにすれば勝利、というものです。なお、制限時間以内に決着がつかなかった場合、両者のHPがゼロなります。ご注意ください。対戦相手の発表は、後日改めて致します。それでは、皆さまのご武運をお祈りしております』
……。
……絶句した。
何だよ、それ。
それって、確実に半分の人間が死ぬってことだよな。
しかも、時間切れになった場合二人とも死ぬ、だと?
もしも死んだら……やっぱり現実世界でも、死んじまうんだよな……?
「……何だよ」
俺は拳をわなわなと震わせる。
「何だよそれ…………! ッふざ、けるなぁ!!」
俺は思わず、ドゴッと砂の地面に拳を叩き込んだ。
拳を引っ込めるとそこには、ぼっかりと深い穴が空けられていた。




