持論:好き勝手キャラは用法・用量を守り、正しくお使いください
疑問:小説なんだから好き勝手やればいいじゃん?(二回目)
某未来の世界のネコ型ロボットが出てくる国民的アニメのキャラクターたち。
その人気順位を考えたことがあるでしょうか?
一位は不動のタイトルにもなっている青猫ロボットですが、ここではどうでもよくて。
注目したいのは、乾物屋(雑貨屋になってる場合もあるけど)のいじめっ子です。
アンケートを取る年代によって差があるのですが、意外と高位にいることが多いそうです。
「おまえの物はオレの物、オレの物はオレの物」の名言と共に、他人のおもちゃなどを取りあげるなど、成人がやったら確実に訴えられる行為を平気でやります。
小学生なのにバットをへし折る怪力の持ち主、音波兵器になりうる歌声を持っていますが、それは気に入らなければ即殴る暴力にしか使わず、誰もが嫌がるリサイタルを自己中心的に開くだけです。
好き勝手やってるだけ。現実にいたら嫌われること間違いないタイプです。普通に考えれば好かれるはずはないのです。
だけど人気があるのです。
現実には常識が働いて絶対に不可能な、全ての願望を叶える憧れ。
それをフィクションの中で代理的にやっているから、人気が集まるのではないかという考え方があるそうです。
清々しいほどに悪いボスクラスの悪役キャラに人気が集まる場合がありますが、それがこれと同じだと納得できます。「そこにシビれる! あこがれるゥ!」なわけです。
そもそも小説は、執筆も読書も代償行為のような部分があります。
現実には不可能なことを、空想の中で作者の代理にやらせて、願望を反映させているわけです。
だからこういった本音全開のキャラに、読者が共感するのも納得できます。
そして小説を作ってみようとなると、多くの人が思うわけです。
完全無欠の主人公っていいよね。
創作だから不快なことなんて不要だよね。
現実は厳しいんだから、自分が作る空想の中でくらい、分身である主人公が成功して欲しいよね。
神様パワーで主人公が強いのは当たり前で、敗北なんてありえないよね。
現代チートでやることなすこと成功して、賞賛の嵐で大儲けするのが当然だよね。
頭なでればニコポナデポが発動して、笑えば歯が光ってラブビーム発射して、簡単にハーレムが作られるよね。
やる事なす事なんでも成功すればいいんだよね。
空想だからやりたい放題。なんだってできるよね。
そんな主人公の小説作りたい作者さんについては、その人の勝手だと思うので、否定する気は自分にはありません。
ただ一言、いや、二言付け加えさせて欲しい。
ゲームやアニメだと、最初から滅法強くて成功ばっかりしてるキャラって敵役。そうじゃないなら死ぬか裏切るパターンが多いですからね?
ジャ●アンだって大長編では男気溢れるイイ奴になって、ただのいじめっ子とは違う部分を見せてるんですからね?
それをちゃんと理解した上で、完全無欠主人公キャラの物語を作るなら、自分が言うことはなにもないです。