持論:抽選で5±1名様に限ります
疑問:複数のキャラクターを作る場合は?
キャラクター一人だけなら、ハーレムも逆ハーレムも作れないよね。
だから最低でも二人、いやいや五人、いやいやいやもっと多く。
主人公の異性だけじゃなくても、キャラが多い方が賑やかで楽しいだろう。
なんてこと考えてませんか?
でもあまり深く考えずに実行すると、大変なことになります。
一番わかりやすい例だと、書籍小説でどのエピソードでも毎回出てくる主要キャラクターが何人いるか、数えてみればいいです。
だいたい五人前後くらいだと思います。中にはもっと多い人数の作品もあるでしょうが、少数派だと思います。
理由は単純で、キャラクターの管理が大変だからです。
管理できなくなると、時折思い出したように顔を出す空気キャラになります。
いつも主要メンバーを出せば空気キャラにならない?
それもどうかと思います。
そもそも複数のキャラクターを同時に出すシーンを文章で表すのは向いていないからです。
少々オーバーな例になりますが、地の文章なしの会話を作ってみましょう。
●キャラクター二人の会話文
「B、今日はどこ行くんだ?」
「そろそろ春物の服がお店に並んでるから、ちょっと見てみたいかな?」
「まだ寒いのに気が早いな……」
「女のコの服はそういうモノです。というかAが無頓着なんだってば」
●キャラクター三人の会話文
「二人とも、今日はどこ行くんだ?」
「そろそろ春物の服がお店に並んでるから、ちょっと見てみたいかな?」
「今年の流行色はエメラルドグリーンなんですって」
「まだ寒いのに気が早いな……」
「女のコの服はそういうモノです。というかAが無頓着なんだってば」
「そうですよ~。いっつも同じ服ばっかり着てるじゃないですかー」
「はいはい……というか、ミルキーカラーってどんな色だ? 白のことか?」
●キャラクター四人の会話文
「今日はどこ行くんだ?」
「そろそろ春物の服がお店に並んでるから、ちょっと見てみたいかな?」
「もうそんな時期なんだ?」
「今年の流行色はミルキーカラーなんですって」
「まだ寒いのに気が早いな……」
「あはは。女の子の服はそんなものだよ」
「そうだよ。Dと違ってAが無頓着なんだってば」
「そうですよ~。いっつも同じ服ばっかり着てるじゃないですかー」
「はいはい……というか、ミルキーカラーってどんな色だ? 白のことか?」
「そうじゃないと思うよ?」
「違うに決まってるでしょう……」
●キャラクター八人の会話文
「今日はどこ行くんだ?」
「そろそろ春物の服がお店に並んでるから、ちょっと見てみたいかな?」
「もうそんな時期なんだ?」
「はい……」
「今年の流行色はミルキーカラーなんですって」
「まだ寒いのに気が早いな……」
「あはは。女の子の服はそんなものだよ」
「うわー……オンナゴコロが全然わかってない人オポンチさんですねー。こんな人と一緒に行動しないとならないなんてなんでだろー」
「ふぁっふぁっふぁ~。Bちゃんならなに来ても似合うってば。おねーさんが保障してあげるっ」
「Aはもうちょっと服に気を遣ったら?」
「はいはい……というか、ミルキーカラーってどんな色だ? 白のことか?」
「そうじゃないと思うよ?」
「ミルキーカラーとは乳白色の色調のことをいう。コーラルピンクやミントグリーン、サーモンオレンジやライトパープルといった、それぞれの色の白がかったものを想像してもらえば早いと思う。わかったかね、アハン?」
「ぬぅん! なんでもよい! 早く行くぞ!」
「汗くさっ!」
……なにこの集団。シチュエーションはテキトーに書いたけど、自分で書いてなにがなんだか。
キャラクター同士の会話文章は、基本的に二人で作るものです。状況説明なしでもおおよそキャラクターの関係性を盛り込んでテンポよく会話させることができます。
人数が増えると、三人ならまだなんとかできますが、それ以上になったら誰が言ったセリフかわかりにくく、しかも必然的に個々の描写は薄くなります。
これはオーバーなやり方ですから、実際には十人以上いるシーンも書けます。でも全員をセリフに出そうとしたら忙しなく、しゃべるキャラクターを交代させることになるのは想像つくと思います。なのに文章量は増えるという、メリハリのなさが目に付くこと確実です。
とりあえず人数を絞る。
もし増やしたければ、減らすことも考えるべきです。
キャラクターを減らすのは嫌でしょうか?
物語が進んで出番が終わったキャラクターが登場する意味があるならいいです。
でもないのなら、無理に出す必要はないのでは?
セリフはない。シナリオを動かす動きをするわけでない。だけど舞台に立っている。
そんな空気キャラを作るのと、キャラクターを減らすの、どちらがいいでしょうか?
作者さんが管理できる。空気キャラを作らない自信があるのなら、自分が口を挟むことはなにもないです。
しかしそうではないのなら、主要キャラクターは五人前後までで押さえてると意識しておいた方がいいのでは。