持論:少しやりすぎくらいが丁度いい?
疑問:で、魅力的にキャラを作るには具体的どうすれば?(二回目)
『普通』の、特徴ないキャラクターは、死にます。
いや、ストーリー内で死ぬ予言をしたわけではなく、空気キャラになるって意味で。
小説で出てくる特徴を書かなくていいキャラクターといえば?
すれ違うだけの通行人。
挨拶をする隣近所の人。
清算時に最低限の言葉を発する店員。
そんな人たちですが……物語に出す必要ありますか? すれ違った人物が後々大きく関わる、その交わした言葉がストーリーに大きく関わる、というのであれば話は別ですが、そもそもそれは特徴を書く必要のあるキャラクターです。
だから話の中核になるキャラクターで、特徴のない『普通の人』は扱いにくいのです。
物語を通じてキャラクターを描写するということは、その登場人物の個性を文章に起こすということ。
となると、個性のないキャラクターは描写する内容がなく、書く必要がない。
結果、死ぬということに。
ただし例外的に『普通』のキャラクターを生かす方法もあります。
その周囲をイロモノで非常識なキャラクターで固めてしまうことです。結果対比となって紅一点的に『普通』のキャラクターを際立たせるという方法です。
一昔前の恋愛ADVゲームのメインヒロイン格キャラは、この手法で常識的で大人しめの、ともすれば没個性的になりかねないキャラクターが多かったように思います。
しかし、それはそれで難しいのは想像できますし、最近の主流ではないです。
まれに特殊な状況で生活してる人もいるでしょうが、多くの作者さんは現実社会の常識の中で生きているでしょう。
邪気眼発症して本気で自分が「○○の生まれ変わり」と思っていますか?
照れ隠しで相手に鼻血吹かせて気絶するまでボコボコに殴りますか?
「普通の人間に興味ない。宇宙人・未来人・超能力者ちょっと来い」と自己紹介したことがありますか?
初対面の異性に唇を奪う・奪われたことがありますか?
遅刻寸前で食パンくわえて走っていたら曲がり角で転校生の美少女とぶつかってパンツ見て教室で再会したことがありますか?
そんな人はきっといないでしょう。もしもそんな経験があるという人がいたら……周囲の人たちからイタイ子扱いされてるでしょうし、場合によっては病院を勧められるのではないかと。
小説は、書いている作者の常識――経験に引きずられるものです。
経験以上のものは想像で補うしかない。しかし想像するのも限度はある。
だから多くの作者さんが作るキャラクターは常識的で、自由になるはずのフィクションの中でも大人しめの人物像になりがちです。
小説の中では自由なんです。
堂々と厨二病発言したっていいんです。
ボコボコに殴るツンデレ娘がいてもいいんです。
キ●ガイ発言も許されるのです。
ラブストーリーが突然に始まってもいいのです。
中途半端に常識的に作るくらいならば、エキセントリックな言動を取らせて、読者に強烈な印象を与えた方がいいです。
ただし、あまりにもエキセントリックな行動をキャラクターにさせると、それはそれでブーイングが起こるわけですが……さじ加減が難しいところです。
その割合はどれくらいが丁度いいかと訊かれても、自分には答える術がありません。
実際に個々の作品を見れば、自分の考え方で感想を言うくらいはできますが、総合的に話しているここでは『コショウ:少々』『お好みに応じて』くらいのアバウトなことしか言えません。