持論:だから成功法も正攻法もないんだってば
疑問:で、魅力的にキャラを作るには具体的どうすれば?
ようやく、実際にどんな風にキャラを作るかという具体的な話になりますが。
自分が語れる内容はないです。
……投げ出しているのではないです。
【そもそも物語の始点は?】の項で触れましたが、ストーリーも設定もキャラクターも同時進行的に作っていく場合がほとんどだと思います。
だからキャラ作りに引っかかるとすれば、どのくらいキャラクター作られた状態なのか、その作者さんごとに、その時々で違うでしょうから、総合的な話をしようとしているここで論じるのは無理です。
しかしそれでは締まらないので、自分がやってること、自分が考え付くことを出していきたいと思いますが……
まず根本の問題として、全くのノープランの場合は、どんなストーリーにするかを先に考えるべきです。演劇の舞台でやる演目が決まっていないのに、登場人物の配役を決めようなんて無理ですから。
それがある程度は決まった以降の、発想のヒントとなりそうなものを挙げていきたいと思います。
●身の回りの人をモチーフにする
一番手っ取り早いです。
そして作者さんが人生で最初に書く作品は、意識はしていなくても、これをやっていることが多いのではないでしょうか?
自分が主人公にしてもいいわけです。
気になるあの人をヒロイン/ヒーロー役にしてもいいわけです。
悪役は気に入らないアイツです。
現実の人とは少々乖離するでしょうが、問題ありません。小説のキャラクターなのですから、モチーフに使っただけの別人です。少々違うのが普通です。
ただしふと我に返ると、無償に恥ずかしくなる可能性もあります。
●ランダム表を使う
個人的にはあまりオススメできないのですが、方法としては存在しますのでご紹介を。
自分で性格を書き出して一覧表を作ってもいいのですが、TRPG(サイコロを使う対話型ロールプレイングゲーム)では、即興でキャラクターを作るとき用に、こういうものが用意されていることが多いです。
ネット上で検索すれば、いくつかはヒットします。
ただし、完全ランダムで作って気に入るキャラクターができるかは不明です。作者自身の意思ではなく、サイコロの神様の意思に委ねるわけですから。
もしこの方法を使う時は、ランダム表は見るだけ、あるいはある程度はサイコロを使ってランダムに作成し、あとは自分で考えて作る、なんて方法を使った方がいいかもしれません。
●『キャラクターへの○○の質問』
これまた個人的には、あまりオススメできないのですが。
検索するとすぐに出てくると思います。文字通り創作のキャラクターに対して質問を行い、掘り下げようという企画モノです。
ボンヤリとしたイメージを文字にすることで気づくこともありますから、有効と言えば有効なのですが。
ただこれは、説明した通り掘り下げるものです。
完全新規の状態からこれを使うかというと、普通は使わないように思います。
ある程度決定してから、設定を掘り下げなければならない時に使えば、効果的かもしれません。
●関係性から作る
複数のキャラクターがいるストーリーなら、人間関係から発展させることができます。
たとえば学園モノのストーリーであれば、『主人公の幼馴染』『親友』『隣の席のクラスメイト』『部活の後輩』『担任教師』という関係性から、自由にイメージを膨らませていけばいいです。
男主人公の幼馴染だったら、やはり大人しく家庭的で穏やかな性格の女の子でしょうか?
それとも逆にある時雰囲気が変わってしまい、今は疎遠になってしまった女の子でしょうか?
幼馴染だからといって、同級生である必要性もありません。年上でも年下でも可能です。
そんな風に考えを広げられないでしょうか?
●共通するモチーフを決める
その作品に登場するキャラクター全てに共通するモチーフを決めて、そこから作るというやり方です。
ファンタジー系作品が多い「なろう」の場合だと、これをやっている作者さんが多いのではないかと思います。
その時にモチーフとなっているのは、RPGのクラス・職業です。
戦士は戦士として、魔法使いは魔法使いとして、キャラクターを作っていく。
当然です。
ただし戦士と一言で言っても色々パターンがあるわけでして。力を重視しているのか、速さを重視しているのか、防御力を重視しているのか。戦士団のリーダー格を張る性格なのか、一匹狼タイプなのか、いくつものバリエーションがあります。
その詳細は、ストーリーに沿って決めていけばいいでしょう。
あと魔法の属性という場合もよくあります。
他にも、たとえばタロットカード。占いの道具としてしか使わないでしょうが、あれはキャラ作りでも応用が利きます。
『戦車(THE CHARIOT)』 意味は勝利・征服・行動力・努力・克服・感情の克服
バトルモノの主人公向きなイメージがあります。
『星(THE STAR)』 意味は希望・理想・未来の可能性・啓示・好奇心・本能・純粋・可能性の開花・気づき
なにか重大な秘密を持つキーパーソンのイメージがあります。
チェスや将棋の駒。
歩だったら三下だけど、金に成るように意外とあなどれない。香車だったら猪突猛進。桂馬だったらトリックスターで身軽。そんなイメージ沸きませんか?
血液型。
A型だったら几帳面で頑固、B型だったらマイペースでお人よし、O型だったら現実主義者、AB型ならちょっと変わった人。実際には血液型で性格分類できませんが、そんな風な話を一度は聞いたことあるでしょう。
動物。
ひと昔前『動物占い』というものが流行しました。
コアラ:一見大人しい。
猿:細かいことは気にしない。
ペガサス:気分屋。
理由は不明ですが、そんな感じになってたので。
マニアックな人になれば、戦闘機とか自動車から発想を作る人もいますが……
●キャッチフレーズから作る
最近だと就職活動などでも生かされることですが、その逆です。
一言でその人物を表し、そして相手が興味を抱く言葉です。響きがいいなら二つ名と言ってもいいかもしれません。それらからキャラクターを作っていく。
『ダイナミックひろちゃん』『前例がない悪魔』『驚き活用法』『近未来の四番打者』『世界一わかりやすい魔法使い』
上記のはネット上に転がっていた自動作成ソフトで生成されたので全く意味不明ですが、世界観やストーリーと一緒に考えていくと、キャラが生まれることもあります。
これに関してはスポーツ選手やアイドルが参考になります。
『見た目はちょっぴりヤンキー、心はガラスのハート』(AKB48/高橋みなみ)
『夢見る名古屋嬢』(AKB48・SKE48/北原里英)
『ハニカミ王子』(ゴルフ/石川遼)
『ゴジラ』(野球/松井秀喜)
……あまりヒドイのをつけると、黒歴史になりますが。
それと、これは個人的な意見が多分に入っていますが。
アニメ・ゲーム・小説の登場人物をモチーフにするのは、あまりよくないように思います。
原作のイメージに引きずられやすく、パクリと見なされる危険性が高いからです。
実在の人物の場合だと、人それぞれで微妙に異なる多面的な受け止め方ができるのですが、創作物だと誰もが共通する一面的な受け止め方をしてしまうようです。