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とある少年の過去
二話です。
ある所に、彦根桜と言う女の子のような見た目の男の子がいました。
桜の両親、特に母は、本当は女の子が欲しかった為、桜に女の子の格好をさせたりしましたが。
桜はそれが嫌でした。
桜の父方の祖父母は、泣き虫であった桜を、男なら泣くな、といつも言いましたが。
桜はそれが嫌でした。
当時四才だった桜は、保育園に通っていました。
そこの先生が、今日は七夕ですからー、お星様にお願い事をしましょう! と、言いました。
幼かった桜に“たなばた”がどういうものかは分かりませんでしたが、願い事が叶うかもしれないと言う事は分かりました。
桜は、自分の短冊に、あるお願い事を書きました。
結構真剣にお願いしました。
その後桜は親の都合で保育園を止め、大学に入学するまで七夕の無い外国で暮らしたため、これが最後の七夕となりました。