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2 :Grow into one

「お前、いい体つきだな。」

と言った。

「そりゃ、毎日筋トレやってるからな。」

「なぁ、俺は一応先輩だから、敬語ぐらい使えよ。」

「あっ、すいません。」


暫く歩いた。

人気のない、山中に来た。


「なぁ、頼みって何だよ。」

と俺は武之に尋ねた。


「卓哉、お前の肉体を貸してくれ。」

「はぁ?何言ってんだ?」

「お前の肉体はさぞ入り心地が良いだろう。お前は俺の体になるんだ。」


「ははは。やってみろよ。」


俺は、右腕に違和感を感じた。・・・・・シュッ!!!

傷口から新鮮な赤の血が流れた。


「ふはは、俺の全ての細胞が、お前の感覚に成りたく疼いてるぞ。」


武之の手が破けて、細い紐が出て来た。

何千にもなる武之の手を作っていた紐が俺の傷口に刺さり手に向かい入り込んできた。


何千もなる紐は俺の筋肉の繊維に交ざった。


・・・ボコボコボコ


もう武之には左腕がない。

なぜなら、彼の左腕は俺の右腕になったから。


「案ずるな。全てお前のままだ。声も記憶も全てな。」


「ぐわぁ・・・。はぁはぁ。」

「俺は、お前と精神融合するんだ。だから有り難く思いな。俺のこの能力がお前も使えるんだぜ。性行為より快楽だぜ。」


「俺は・・・・・。」

「痛いかぁ?そりゃ痛いだろうな。ハハハ、それじゃ、和らげてやるよ。」


武之は飛んだ。そして何十万もある紐は一気に俺の傷口に入って行った。


「ぐわぁぁああああ!!!」


と叫んで倒れた。

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