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クローバー:コード  作者: 坂津狂鬼
セカンドステージ
36/68

理由

「はぁ……つまりお前はその賞品の失った物を何でも取り戻せる権利を狙って参加してるわけか」

「あと、主催者潰しな」

やれやれ、とソファに座り溜息を吐きながら俺の話を一通り聞いた親父は呆れた様な表情を浮かべながらコーヒーを飲む。

そして一言。

「千秋に土下座して謝って来い」

まあ当然の言葉である。

いくら失った物を取り戻したくたって、鋼凪を見捨てたり、子供を人質にとったりしてもいいはずがないのである。倫理的に。

俺の場合はさらに。

「というか、さっさとそんなクダラナイお遊びから手を引け」

「いやでも、そしたら主催者潰しの方は―――」

「《非観理論》でも勝ち残らせておけばいいだろ」

「ふざけんなよッ!」

「そんな言葉を俺に向かって吐くんなら聞くが、お前の取り戻したい物ってのは何だ?」

「それは……殺された家族と――」

「またそれか」

言い訳をする子供に対して親が溜息を吐くように、呆れた態度を取りながら親父は俺に言う。

「断言してもいいが、こんなクソくだらないゲームなんかよりも確実で安全にそんな物は取り戻せる。お前のコードがあればな」

「…………」

「……いい加減にしろよ。俺はお前にコードの使い方はしっかりと教えた。いつまでも偽って保身にひた走ってるんじゃねぇよ」

「偽る事が、俺のコードだろうが」

「なに寝惚けた事言ってるんだお前。お前は発するだけ、コードは全てを捻じ曲げるだけ、嘘かどうかを判断するのは世界の方だ」

「…………だからって俺自身が、あれを嘘にするのが嫌なんだよ」

家族が目の前で殺されて、その場で姉は発狂して。そして自分は何も出来なくて。

それを嘘にするのは嫌なんだ。それを自分で誤魔化すのは嫌なんだ。

「はぁ……ともかく、今すぐ千秋に土下座してこい」

「……分かったよ」

千秋は、俺と親父が帰ってきた時に、親父にコーヒーを出したかと思えばすぐさま自分の部屋に引きこもってしまった。

階段を上って2階の千秋の部屋のドアの数回ノックする。

「入るぞ」

何故か千秋は鍵も掛けていなかったので、勝手にドアを開けて部屋に入る。

「焼き土下座」

そしていきなりこの一言である。

熱した鉄板が今ウチには無いから不可能であるが。

いや、そもそも倫理的にやっちゃいけない事だと思うが。

「すまなかった」

取り敢えず、部屋に入ってそうそう俺は千秋に向かって普通の土下座をした。

なんかプライド的な何かが傷つくな。

「何が悪いか、分かってる?」

「あぁ、一応」

「それじゃ、二度とあんな事しない?」

「無理だ」

「…………なんで」

「勝つためビィッ!?」

いきなり頭を踏みつけられるようにして地面に鼻をぶつけた。

痛い、かなり痛い。泣くほど痛い。

「何で勝たなきゃいけないの?」

「それは……お前には言ってなかったけど」

「ちぃが家族を元に戻すため、って聞いた時、一輝はふざけるなって言ったじゃん。それに家族ならちぃがいるじゃん。なのに何で………ちぃに嘘吐いたの?」

「嘘は吐いてない」

「じゃあ」

「殺された両親を生き返らして、壊れた姉を正気に戻す。そんでおいて主催者はこの手で地獄に突き落す」

「それじゃ、やっぱり家族を元に戻すんじゃ――――」

「元には戻らない。俺は戻らない」

「…………どういう事?」

「そのままの意味だ。気にするな」

「それって……死ぬって事?」

「さあな」

「ねぇ一輝、それ本当なの?」

「さあな」

「一輝、ちゃんと答えてよ」

「……ともかく俺の勝ち残る理由は、主催者を地獄の底へ叩き落とす。それ以外は全ておまけだ」

「よく分かんないよ」

「お前バカだもんな」

千秋が途端に足に力を込めて何回も、俺の頭を踏んでくる。

「ねぇ一輝。まず一輝の一番いけない所はその人を卑下するところだとちぃは思うんだよ。そこ直そっか。うん、それがいい」

「ちょ、やめっ痛い、痛いから」

何発もゲシゲシゲシゲシ、千秋が踏んでくるため途中でそのままの姿勢で転がって起き上がる。

「あ、逃げるな一輝!」

「逃げるが勝ちっていう言葉を知らないのか?」

俺の挑発が癪だったのか、千秋が追いかけ回してくる。それも狭い部屋の中で。

たしかこういう野生動物のような勇猛果敢で猪突猛進な奴への対処法は背中を見せない、だったよな。

しかしまあ、背中を見せずに千秋を避け続けるのも疲れるなぁ。

「はぁ……何故、千秋はこんなにもバカなんだろう。あぁ、もしかしたら頭に詰まっていくものが全て乳に」

「ッ! 一輝、今すぐにでにゅあ!?」

「なッ!?」

頭に血が上り過ぎたのか、飛びかかろうとした千秋が姿勢を崩し、俺を押し倒すような形で転ぶ。

倒れ際に俺は、後頭部を激突して、視界をモニュとした何かで覆われてしまった。

あぁ、にしてもこの今すぐにでも窒息しそうなくらいに密着している何かがもしもアレだとしたらというアレでなくたって体の部位のどこでだって体重が掛かって異常なほど千秋の体のどこかが密着してしまっているわけで、あぁ、にしても肉付きがいいというかまあそんな事を女性に言えばすぐさま殴られてしまうんだけどまあ触感的にはこういうモニュっとした程度が丁度いいよね、なんて話をしたいわけではなく、もしももクソも無く千秋の体の部位のどこかだとしたらまずこの先の未来として予測できるのはボッコボコにされてしまう俺の姿なわけなんだけまあでも、例え何かの怪我を負ったとしてもいえる事はただ一つ。

我の生涯に一生の悔いなし。

「~~~~~ッ!!?」

まあ、何してんだろ俺。

すいません。テストで更新できませんでした。しかしテストも今日で終わり。

しかしまあ久しぶりに書こうにも訳が分からなくなったので、まあこの話から色々と何か矛盾してくるような気がしてくるですけどね。

というかまずこの話が矛盾してるという。きっとOCのせいだ。OCのテストのせいだ。


しかしまあ、俺、何やってんだろ。

通常を保たないと、また今回の最後みたいな悲劇が起こってしまう。


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