表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クローバー:コード  作者: 坂津狂鬼
序章
3/68

s3

コード。

俺や千秋はそう言っている。

所謂、超能力や異能のようなものだ。

他には、仮想空間具現化現象などと言った堅苦しく長かったらしい名称もあるそうだが、俺達はコードと言っているから、コードで統一する。

コードの概要は、自分のルールだ。言い換えれば、自分だけの極論や暴論。

それを能力のように使うことが出来る。

いくつかコードにも共通したルールがある。

一つ目。能力として使用できるルールは一人一つまで。変更はできない。

二つ目。コードは何かを指定しなければ発動できない。

三つ目。コードは現実世界では使えない、という風に誤認してしまう。

俺が知りうる限りではこの三つがどのコードにも共通した事項である。

一つ目、二つ目までは異能系の漫画などでよくある設定だと思うから詳細は言わない。というか書いて字の如くだ。

三つ目に関しては、少しややこしい事になるため説明しにくいのだが。

簡単に言えば、思い込みや先入観が先導して、結果、三つ目の共通事項が生まれたということになる。

まあそもそもこれら全て、俺が考察したのではなく受け売りなのだが。

ともかくそんな不思議な能力(?)であるコードは、実は俺と千秋も使える。

使えるからといって、だからどうした、という話なのだが。



濁川(にじかわ)一輝(かずき)です。父の仕事の事情でこちらに転入してきました。これから宜しくお願いします」

自己紹介のときに黒板に氏名を書くなんてのは、アニメや漫画とかのみの設定なのだろうか?

そう俺が思った原因は、単に自分が担任教師に黒板に名前を書いてくれと言われなかったからである。

わざわざ自分から名前を書いたとしても、図々しい奴だと思われるだろうからそのまま言葉のみの自己紹介をした。

しかし驚いた。

自分の席は一番端の廊下側の一番後ろの席だと思っていたのだが、ちょうど俺の転入に合わせて席替えなんてものをしたので、結局、俺は中央の一番後ろから二番目というなんとも微妙な席に座らされたのだった。

自分のくじ運の無さとその微妙な位置に俺は驚いた。

まあそんな事はともかく。

午前の授業を平然と乗り切り、昼休み。

当然、弁当など持参しているわけもなく、行きの途中でコンビニに立ち寄る時間もなく、虚しい昼を送っている最中、千秋からメールがあった。

『ちぃのお昼ご飯がない。ください』

間髪入れずに返信には『だが断る』と打ち、俺は自分の教室を出て校内の散策を始めた。

出た理由は簡単。

なんとなく、そろそろクラスの奴らの一人か二人が話しかけてくる様子を取っていたからだ。

人と接するのが苦手、というわけではないが、あまり交友関係を無駄に広めても行動しにくくなるだけである。

だから余り人と喋らない根暗な性格を貫き通そうと意識した結果、こんな行動を取ったわけだが。

「一輝、弁当」

廊下を適当にぶらついていたら千秋と会った。まあなんたる偶然。

俺に差し出してくる千秋の手にぶっ刺すシャーペンが無くてガッカリだ。

「千秋、情報」

もう千秋とは学校で会っても二度と口を利かないことを心の中で誓いながら、俺は千秋に聞く。

「それより弁当」

そう返してきた千秋の頭を鷲掴みし、無理やり場所を移動する。

っていうかコイツは何だ? 何なんだ? 朝から俺をまるで自分の執事か何かと勘違いしてるんですか?

「痛い痛い痛い痛い痛い、ごめんなさい放して」

謝辞を入れてきたので俺は仕方が無く、千秋の頭を放す。

「《否定定義》と《非観理論》についての情報。今すぐに言う」

「今、鋼凪梓美も虎杖紀亜もそれぞれの教室で昼食を取っています。ちぃもお弁当食べたいなー」

「お前、自分の事をちぃとか言って恥ずかしくないの? それともわざとキャラ狙ってやってるの?」

いい加減、昔からの癖を直せよ千秋。溜息を吐きながら俺はそう思う。

しかし、《否定定義》《非観理論》の両者とも接触をわざと避けているのか。

それとも、定期的に……例えば校外やメールのやり取りなどで接触しているのか。

こちとら早く、この二人と接触したいんだが。まあ焦っても仕方がないか。

ともかく千秋に二人を見張らせておくのが一番無難だろう。

「おい、千秋」

「ちょっと待って。二人とも動いた」

千秋が何か携帯とかを見るわけでもなく、焦点が合ってない視界のまま俺に言う。

「二人はどこに?」

「……特別教室棟の階段、多分そこに向かってる」

「わかった。行ってくる」

「え、もう仕掛けるの!? 早過ぎない!?」

今度はしっかりと俺に焦点を合わせて、千秋が反対してくる。

「殺し合いをするわけじゃない、話し合うだけ。それと少し教えてやるだけだ」

「絶対に争いごとになると思う。ならなかったら奇跡」

ジト目で俺の評価を表してくれるなんて、なんて妹だ。あとでお仕置きが必要かもしれない。

「あっちが一方的に警戒して攻撃をしかけてすべて失敗するだけだ。何の問題もない」

コードは火を出したり、水を操ったりする魔法的なものじゃない。

まあ使い方によっては出来るだろうけど、そんな最初から物理的破壊をもたらすような危険な代物じゃない。

限りなく、周りに被害は出ないだろう。

「…………特別教室棟、2階と3階の間の踊り場に二人とも集まったみたいだよ」

千秋が正確な位置を教えてくれたため、俺はいそいでそこに行く。

まあでも、見送りまでジト目じゃなくても良いじゃないか千秋さんよ。

展開早いよね。そうだよね。

まあgdgdよりもマシか。マシかな?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ