御伽噺
これは昔昔の物語。
ある所に、一人の少女がいました。
少女はとても美しく、また心も清らかなため、多くの人や動物、果てには神様から愛されていました。
しかし心よく思わなかった方がいました。
それは美を司る女神様です。
その女神様は自分が一番美しく、また自分が世界の中心であると考えるような自己中心的な性格です。
なのでいつも、少女を嫌って意地悪をしたり、貶めようとしましたが、すべて失敗に終わり、いつも機嫌が悪くしていました。
そんな女神様はあるとき、神界に封じている災禍の箱のことを思い出し、これを少女にプレゼントとして送りつけてしまおうと考えました。
そして少女の家の前にこの箱を置きそのまま、逃げるように帰って行きました。
そして悲劇は起こりました。
少女はいつも誰かから贈り物を貰っていたため、この箱もまたその一つだろうと考え、箱を開けてしまいました。
するとどうでしょう。
箱から黒い霧が出てきたと思ったら、少女を包み込んでしまいました。
その後黒い霧は少女から離れるとバラバラになり無数の光となって散り散りになりました。
取り残された少女は、その場に倒れ込んでしまいました。
そしていつものように様子を見に来た神様は倒れ込んでいる少女と近くにあった箱を見て驚き、すぐさま他の神様達を呼び出しましたが、事態は深刻になっていました。
あちこちで異常な生命の発生に魔法などを使うもの、さらには災禍の権現である、7体の悪魔も現れ地上をむちゃくちゃにしてしまいました。
神様達は急いで災禍を押さえ込み、また箱に封印しましたが、災禍の悪魔達は狡猾で自分達だけでなく、少女の魂をも封印させました。
以来、その箱の名前はその少女の名前をとってこう呼ばれるようになりました。
「災禍の箱」と