↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さすがに1000年は飽きたから。~引きこもりを謳歌した最強魔女は、外に出てみることにした~  作者: ボヌ無音
第一章 魔女、外に出る。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/44

転生した。

 引きこもりの適性がある。

 私・早山 梨咲(ソウヤマ リサ)は、そう自覚している。


 今必死になって社会人として働いているのも、働かない時間に引きこもるための手段の一つでしかない。

 本当ならば在宅ワークなどにして、家から一切出ない生活をしたいのだが、それはそれで人間関係が希薄になってしまう。

 ……まぁ別に、会いたい人もいないのだけど。

 それでも、必要最低限の人らしい生活を保っていた。


 今日もいつもの通り、部屋着のままダラダラと過ごす一日を開始するはずだった。


「……どこ、ここ」


 見知らぬ部屋で、目覚めるまでは。


 一人暮らしの、あの部屋ではない。

 天蓋付きベッドに、私の部屋が幾つも入りそうな大きな寝室。天井は倍ほどありそうな高さ。

 たまに読んだことのある、異世界ものの令嬢の寝室みたいだ。

 まさか、夢なのだろうか。

 ぎゅっと頬をつねると、確かな痛みがある。


「よし、二度寝しよう!」


 ごろり、と寝返りをうち、横向きに寝転がる。

 と、その瞬間――胸部に違和感を覚える。あるはずのないもの――正しくは想定よりも大きいもの――が、そこにはあった。

 ……二つの……巨大な……山……。


「……はぁっ!? おっぱいでっかァ!」


 ――一気に目が覚めた。

 私は飛び起きると、布団を剥ぎ取って体を見た。……私の体じゃ、ない。

 特別太っていたというわけではないが、このスレンダーなのにダイナマイトな胸を有する、ワガママボディーなんかじゃないのは確かだ。

 肌も綺麗で、子供の頃に遊び回って消えないアザだらけの幼稚な肉付きじゃない。

 すらりと伸びた長い手足。こんなモデル体型じゃない。


 ……誰、これ。


 途端に私は、いつもの怠惰な考えを消した。

 一体どんな人間に転生したのか。それを確認しなくては、再び夢の中へと行けるはずもない。


 豪華な部屋を見渡せば、これまた豪華な姿見を見つける。

 急いで飛び出してその鏡の前に立てば、映し出された姿にまたも驚かされる。


「……いや、全然知らない。でも半端ない美女だ……」


 知らない美女が、鏡に映されている。

 赤色のメッシュが一本入っている黒髪は、妖艶な超ロングウェーブ。

 瞳は鋭いながらも、怪しげな雰囲気を纏った赤い色。

 濃い化粧をしてもケバいどころか、引き立たせて馴染むような超絶美女。

 以前の私とは月とスッポンだ。


「なんでぇ……?」


 それから私の、奇妙な美女転生生活が始まった。



 美女は3日で飽きるというのは本当で、毎日のように鏡を見ていれば飽きてきた。

 こちらが愛でる側ならまだ期間は長く続いただろうが、己の肉体だと思うと早かった。


 しかしながらこの整ったプロポーションにはまだ利用価値があった。

 何故か用意されていた衣装部屋に、何故か大量に残っていたドレスや洋服の数々。

 怠惰を極めし私にも乙女心は残っていたようで、昔なら着る機会のなかった洋服を端から端まで試しに試した。

 ――1ヶ月で飽きた。


 屋敷は一人で暮らすには広すぎるようで、間取りなどを覚えるのに相当の時間がかかった。

 体感で一年。

 当たり前だが、日記などという面倒なことはしないので、年数なんておぼろげだ。


 屋敷には大きな書庫があり、図書館と思えるほどの大量の蔵書が存在していた。

 引きこもりは本を読むのも好きである。

 簡単な本から、難しい本まで――私は10年ほどかけて一通り読み漁った。

 大変有意義な10年だった。


 50年ほど経過すれば、本の内容や世界の用語、魔法、常識に関してが頭にインプットされた。

 理解が深まれば興味が出る。同じ本をもう一度読めば、さらにわかりやすく頭に入ってきた。

 このあたりで、私の見た目が老けていないことに気付いた。

 我ながら遅すぎる。

 どうせ異世界パワーかなにかだろう、と気にすることもなかった。



 100年目にも差し掛かれば、魔法を使ってみようと思い立つに至った。

 書物にあった魔法や、フィクションでよくある魔法を念じてみる。

 現実では楽しめなかった不思議な力が、楽しく思えた。


 不意に自分に当たった攻撃魔法が高度だったのにも関わらず、傷はみるみるうちに癒えていった。

 本によれば即死魔法だった。

 馬鹿な私はここで、不死身そして不老不死であると気付いた。




「……死ねない」


 100年と少し経過した頃。

 死ねないことに絶望し、幾度も幾度も何度も何度も、再三再四、何遍も、死のうとした。

 魔法を使った。

 首をくくってみた。

 飛び降りてみた。

 火あぶりにしてみた。

 思いつく自殺方法を、ありえないほど試した。でも死ねなかった。


 そうして自殺を繰り返して数年くらい経過し、何かがぷつんと切れた。


「死ねないなら、自分で人体実験出来るじゃん」


 倫理、という糸だったような気がする。


 それから自分の体を用いた人体実験の数々を続けた。

 この世界で最も存在してはならない魔法『禁忌魔法』ですら、不老不死の体は耐えてくれた。

 なんだか一周回って楽しくなってしまい、私の実験と研究は加速するばかりだった。

はじめまして。もしくはお久しぶりです。

2025年中に1本なにか新しいものを、とぼんやり目標を立てておりましたが、気付けば2026年でした。

年々時間経過が早く感じます。


「1話2000文字」「一人称」「毎日投稿」の何かを作りたいな~と考えていたのですが、上記のこともあって毎日投稿は無理そうです。

ちょっとずつ出していきます。よければお付き合いください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。