後日談
後半に床の話がありますので、苦手な方は避けてください。
さて、後書きに代えて、ある女性の話をしよう。それは没落し爵位を返上した子爵家の元貴族、ヘレナである。
小さな書店で平民として働く彼女は、ディックの結婚後、彼の愛人として暮らすつもりでいた。
ディックとヘレナは古い付き合いであるものの、二人が恋人同士になったのはここ数年だ。小さい頃は引っ込み思案で甘えん坊だったディックは、決してクラスの人気者ではなかった。貴族同士として交流していたときはさほど執着もなかった二人だが、ヘレナの実家が困窮し退学することとなったとき、ディックは思いのほかヘレナに同情した。最終登校日、私物をまとめたヘレナに離れ難そうなそぶりを見せたディックに、それなら「手紙を書いて」と頼んだのが始りで、二人はたまに会う間柄になった。
ディックは後継者教育の、ヘレナは生活の苦しさの息抜きを求めて適当な店で落ち合った。平民が利用する店はディックにとっては新鮮で、ヘレナにとってはなかなか手がでないものであった。ヘレナが儀礼的にお礼を言うと、ディックは大げさに喜んで、「こんなことで喜んでくれるなら、またいつでも行こう」と気を良くするのだった。
それがしばらく続き、ヘレナが「貴方はなくてはならない存在」と伝えると、ディックもまた同じ気持ちだと応じ、二人はいつしか将来を誓い合う間柄になったのだ。ディックに婚約が持ち上がると、より一層、ディックは情熱的な目を向けてくるようになった。
裕福な男性が愛人を囲うことはこの国では身分を問わずままあり得ることだ。豊かな男が複数の女性を世話するのは自然であり、愛人も慎ましやかに暮らすなら重宝される。
ヘレナはただ地位のある男と懇意にしていただけ、付き合いはこちらの方が先である。そんな大罪というほどの罪を犯してはいなかった彼女が、唯一、一線を越えた言動がある。
「奥さんに手を出さないで。せめて初夜は先に私として」
いつだったかの逢瀬で、ディックの膝に手を乗せて、耳元でそう囁いた。平民向けのレストランは賑やかで、秘密の話をするにはそうして身を寄せるしかない。
正妻との初夜を中止させること。それは血縁の結びつきを重視する貴族家にとっては、重大な背信行為に他ならない。
ヘレナは結婚前にディックと肉体関係を持つことも良しとしなかった。もし先に肉体関係を持ってしまえば、それで気が済んで別れると言い出すかもしれない。あるいは、「ヘレナは前に抱いてやったから、初夜は妻を抱けば良かろう」と、あちらにも良い顔をするかもしれない。はたまた、妻を抱いておきながら「初夜は何もしなかった」と素知らぬ顔で言われるかもしれない。女の抱き方を知った男にはそれができるだろう。
ヘレナはそんな成り行きを嫌った。そんな扱いで甘んじるなら、それは単なる浮気相手だ。取るに足らない安い女として扱われるのは我慢ならない。‥‥ヘレナがただの愛人以上の、一体何になりたかったかは知れないが。
ヘレナとてディックが妻を抱かないことは問題であろうと理解していた。いずれ関係は持つだろう。しかしそれは自分が先であるべきだし、ディックにはヘレナの住まいも整えて貰わねば困る。子爵家相当の暮らしとまでは言わぬが貴族の愛人に相応しい生活を保障してもらう腹積もりであった。
子は正妻が先に産むことになるだろうが、次の子がなかなか授からないともなれば他所に腹を求めるのは自然な流れだ。
妻は少女のような幼い顔立ちの末娘だというから、夫の手綱を握るには心許ないに違いない。あの優男のディックが箱入り娘の幼妻をまともに抱けるものかも疑問だ。しかし、ヘレナが管理してやれば万事上手くいくだろう。
式の直前は忙しくしてこちらに不義理をしていたのも許容のうちだが、それが終われば今度こそ。
‥‥と、そんな風に考えていたヘレナであったが。結果、身の程知らずな二人の約束は所詮、児戯にすぎなかった。
初夜は妻の奮闘により無事果たされ、ヘレナとの関係は一時の気の過ちとして処理された。ディックから最後の手紙を受け取ったヘレナは、呆然としてそれから悔しさに唇を噛み締めた。
初夜に正妻に触れさせず序列を見せつける。そんなヘレナの思惑は、ものの見事に敵に塩を送る形となった。ヘレナがディックに入れ知恵してくだらぬ盲言を吐かせた結果、ほとんど全ての問題が夫婦の寝室で一挙に片付いたのだから。
その後、ヘレナには平民との縁談が用意された。
ヘレナの離れて暮らす父が取引先から勧められたとこの話を持ってきたとき、ヘレナは少々驚いた。それまで父はヘレナに結婚して欲しそうな素振りを一度も見せたこともなかったからだ。相手は安定した収入を持つ商会勤めの男で、平民同士の縁談としては条件の良いものだった。ヘレナはこの縁談にこの上なく満足というほどではなかったが、不満も無かった。
ヘレナは見目が整っている娘であったし、きっと元貴族としての出自の良さや貴族学校に通っていた点も好印象を与えたに違いない。‥‥そんな風にまるで他人事のようにヘレナが思っているうちに、縁談はトントン拍子に進んだ。ささやかな式を挙げ、子にも恵まれ生活は順調。ある時、夫のジャケットに染み付いた、嗅ぎ慣れない香水の香りに気付くまでは。
問い詰めると夫は言った。
「君はそういったことを気にしないのかと思ってたよ」
ヘレナは「そんなはずないでしょう!私を何だと思ってるの!?」と物を投げつけそうなほどに激高したが、そんなヘレナを見て夫は少し黙り、思案の後に言った。「分かったよ、すまないね」と。
それきり夫が女の痕跡を家に持ち帰ることはなかったが、問い詰めた際にやけに物わかり良くあっさり引いた様子を思い出すにつけ、疑いが拭い去れないヘレナである。夫は仕事に忙しく、不在なことの方が多い。商会は遠方にも支店があり、各地を飛び回っている夫だ。
幸福なはずの結婚生活の中にザラリとした感触が残った。しかし目をつむってやりすごすより他ない。それでもヘレナは思う。自分は‥‥男に粗末に扱われるのを良しとするような女では無い、と。自分は矜持をもった女なのだ。そんな自負がヘレナにはある。
しかしその一方で、全てを手に入れようというほど傲慢な女でもない。貴族との結婚を望むほど夢見がちでもないし、他人の縁談をぶち壊すつもりもなかった。誇りを持つ一方で慎ましやかでもあるのだ。それが彼女の自己評価である。夫に愛される価値が自分にはある―――。
そんなヘレナの内心に答えてくれる者はいない。ヘレナが聞かないから、夫もまた、その答えを彼女に教えることはない。
実際のところ、このヘレナの夫がその後も浮気をしていたかどうかは、「浮気」をどう「定義」するかによる。
少なくとも、彼は自分の妻に心を乱す言葉をわざわざ投げかけるほど、つまらない男ではなかった。その点はディックよりも余程わきまえた男であったから‥‥この結婚はヘレナにとって幸福な結婚と呼べるだろう。
ヘレナは少なくとも、『取るに足らないただの愛人』として扱われることはなかったのだから。
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国内有数の商会で支店長として働く快活な男。それが俺、ゲイルだ。最後に少しばかり、俺の身の上話をさせてもらおう。
ある時、商会長から縁談を引き受けてくれって言われたとき、俺はとうとう年貢の納めどきが来たって思ったんだ。同じ商会で役員をやってる俺の親父が、早く結婚しろと口やかましく言ってたのは聞き流していたけど。まぁいつまでも悠々自適では居られないなと。
会長が俺に頼み込むくらいの話だから、よほど問題のある相手だろうと思ったらその通りだった。没落した子爵家の娘。貴族の元愛人‥‥愛人になり損ねたって聞いたけど。手を付けてなくとも唾は付けられたようなものだから、そんな娘をわざわざ欲しがる若い男はいない。
その元恋人の家からの差し金で、手頃な縁談を用意しろと頼まれて渋々引き受けたのがうちの会長だ。俺じゃなくて良いだろう?とも思ったけど、すぐに結婚できる身軽な独身者なんて早々いないし、まぁ俺が適任だと判断した会長の気持ちもよく分かる。
それでもなぁ‥‥。元貴族っていうのも要するに不良債権だ。不渡りを起こして没落したんだから信用はマイナス。後々になって残債務が見つかることだってある。この国では貴族の債務に時効はなくて、爵位を返上すればその限りではないけどな。まぁ、返せって言いに来るヤツはいつ来たっておかしくないからさ。
ヘレナという娘は平民になってから暫く経ってるらしく、生活能力はそれなりに備わってるらしいから、そこは唯一の救いかもしれない。あとは、気位が高い娘でないことを祈るばかりだ。
しかし俺はこの娘に会うまで相当に迷った。めちゃくちゃ迷った。俺にはメルという最愛がいるのに、嫁さんなんて貰って良いのかって。
メルにフラれたら生きていけない俺はこの話を断って商会辞めて、他の適当な仕事に就くのも良いかもしれないと思った。
それかいっそ、そのヘレナを愛人にしてもいいんじゃないか?生活の面倒は見てやるぞ?と、そう会長に交渉してみたけど、それでは収まりが悪いんだと。親父にもこの先も商会でやってくなら妻帯者になれって散々言われた。いや、それなら商会でやってくことに特に拘らないけどな。と言ってみたらまた渋い顔をされた。
それでもな、と親父は熱心に言った。
「お前と結婚してお前の子を産んでくれる娘さんなんて、今後現れないかもしれないぞ?」
それはそうだろうな。メルと結婚できない以上、普通の感覚なら俺は一生誰とも結婚できない。子どもなんて望むべくもない。
「愛人にしても良いなら、妻にしてやっても良いだろう?世話すると言ったじゃないか。どっちも手がかかる点ではそう変わらんぞ。それに、お前はいい父親になれると思う」
そこから親父は俺が小さかった頃の昔話を始めて、いよいよ泣き落としにかかってきた。俺はゲンナリしたけど、父親の言ってることはまぁ解る。
俺はメルにこの話をすることにした。隠したくはなかった。そこそこ良い年頃の商会勤めの俺に、縁談の一つも来ないはずが無いだろうって、常々メルも言ってたしな。
断り難い縁談が来たこと。俺は気が進まないこと。無理強いされるなら商会を辞めるつもりであること。そして当然として、メルと別れたくないこと。
メルは黙って聞いて、頷いた。
「‥‥ゲイルは良いお父さんになると思う」
「でもお前と別れるくらいなら子なんていらない」
「子は居たほうが良いよ。それに商会での仕事はゲイルに合ってるでしょ?」
それはそうかもしれないが。
俺はここにきて、結局メルに決断を強いている自分に腹が立ってきた。でも他にどうとも言いようがない。
「なぁ、メルは本当にそれで良いのか?俺と別れて、もっと身奇麗で、お前の願いを色々叶えてくれる融通の利く男と付き合おうって思ったりする?」
「‥‥そんなこと思わないよ。ゲイルが仕事で忙しいのは慣れっこだし、今とあんまり変わらないでしょ?」
メルは一つ一つ慎重に言葉を選んで言った。「別れない」とも言ってくれた。その表情に迷いはなかった。
俺は改めてメルを世界一大切にしようと思った。料理店に勤めるメルは望むなら俺じゃない他の男とだって付き合える。職場で他の出会いも無いわけじゃないだろう。それなのに俺みたいな面倒くさい男を捨てずにいてくれるんだから、俺はメルにとことん尽くそうと思った。
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こうして俺が商会長と親父に伝えた答えは、『結婚はしても良いしするならちゃんと面倒は見るけど、今の生活を変えるつもりはない』というものだった。俺の要望は聞き入れられて、婚約が整った。
縫製工場の役員を務めるヘレナの親父さんも否はないようだった。まぁ遠縁の親戚を頼って手に入れた名ばかり役職者で毎日汗臭い仕事をさせられてる親父さんだから、工場長経由でもらった縁談にどうこう言う口は無かったと思うけど。
拒絶ないのは許容の印。仕事で利を生むには詰めるべき条件と留保すべき問題とを見極める必要がある。石橋を叩きすぎてもいけないし、俺達は即判断だからな、何事も。
普通、平民同士なら見合い結婚であっても籍を入れる前に食事だのデートだのをして相性を確認する。
でも俺とヘレナの場合は、周囲にゴリ押しされて様々な便宜上整えられた縁談だったし、とにかくサッサと婚姻しろって突き上げもあったから、簡単な挨拶だけで式を迎えた。
初夜はどうしたものかな、と頭を掻いた。でも俺の心は決まっていて、ヘレナにこう打ち明けた。
「情けない話で申し訳ないけど、疲れてて今日はできそうにない。お互い今夜はゆっくりして、子ができやすい日にまた勤めを果たすのはどうだ?」
そう伝えるとヘレナは少し驚いてたけど、自分の方も月の物が終わったばかりだし疲れてたから助かるって。それを聞いたときはめちゃくちゃ安心したし、案外良い子なんだな、と思った。今すぐ勤めを果たせって言われてたら大変だった。
だから俺はヘレナのことも、それはそれは丁重に扱おうと思った。
前の男はお育ちの良い優男だったらしいから、俺もできるだけ粗野なところは見せないように気をつけた。ヘレナは家のこともやってくれた。週に一回来るメイドも上手く使って采配してくれた。
俺はヘレナの月の物の日付から、子が出来やすい日に見当をつけて夫婦の勤めに取り組んだ。
言っておくが、それはもうめちゃくちゃ丁寧に事を進めた。明かりを落とした寝室でも手元に狂いなく俺は妻を高めた。
俺の子を産んでくれる身体だ。大切にするに決まってる。俺の方はというと、心地良いかどうかで言えばそりゃ気持ち良さはあるだろう。男女が何千年とやってきた営みだものな。でもメルへの申し訳ない気持ちが頭をチラつくし、男の自分の快楽など二の次だ。じっくり彼女の身体を温めて、張り型を使わせて貰って準備して、自分の方もよくよく準備してから最後の最後で手早く情熱を注いだ。
「気持ち良すぎて持たなかった、すまん」‥‥と謝った。俺は商人だから、いつだって場を丸く収める言葉を探すのが当然だ。そこからまた丁重にヘレナ身体を清めてやった。
俺はつくづくヘレナに感謝した。元貴族は面倒くさいだなんて思ってごめん。ヘレナは貴族の賢さを備えてるから、俺みたいな問題のある男に嫁いでくれたんだろうに。この国で男が多情なのは珍しい話でもないけれど。それでももし、庶民の恋愛結婚に憧れてたら俺みたいな男には嫁がない。
ヘレナの寝顔を見届けてから、彼女を起こさないようにそうっと身なりを整えた。そんなことを何度か繰り返すと、ヘレナは三月で子を授かった。
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ヘレナとの結婚はそれからも問題なかった。俺は商会で寝泊まりして家を空けることがほとんどだから、あっちも気楽だったと思う。子が生まれる前後は、新しい使用人と契約して泊まり込んで貰うこともあった。
息子の子育てはほとんど俺の家族がやってくれたようなものだ。ちょうど同じ時期に姉が三番目の子を産んだからまるで双子のように世話してくれた。姉も大変だったろうに頭が上がらない。商人の子は五つにでもなれば大人にくっついて来させて荷運びを見せる。大人が忙しいときは従姉妹達が代わる代わる読み書きを教えてくれた。十歳になる頃には商会の裏口をウロチョロして、俺のすることを覗いてた。
ヘレナは基本的に自分の家を守っていてくれたし、それで良かった。俺の家族も元貴族のヘレナに、平民の粗雑な育児をやらせるつもりはなかった。息子は家と、俺の実家と姉の所、それから近所の似たような家々で自由に寛いで育てられた。
あぁ、ヘレナがお貴族様と火遊びしないかどうかは抜かりなく目を配ってる。そのための結婚だしな。
でも俺はヘレナをさほど深くは知らないけど、自分をスッパリ捨てた男にまた粉をかけるほど愁傷な人間にも見えなかったな。実際のところ未練があるかは知らないけど。ともかく一平民にすぎないヘレナだし、復縁を目論む手段なんて持たせてないから問題なかった。
日々は平穏だった。ヘレナと俺はあまりぶつかるような事もなかった。俺は月に何度かヘレナの所に顔を出して、食事はする時としないときと。子の話や、商会でご婦人方に人気の商品の話なんかを喋ってた。
そういえば、まだ息子が小さかったころ、一度だけヘレナが、俺の上着についた香水の香りを咎めてきたことがある。俺はびっくりした。ずっと俺のことに指図も口を挟むこともなかった彼女が、今更香水の匂いごときで怒るとは思ってもみなかったから。
「君はそういったことを気にしないのかと思ってたよ」
「そんなはずないでしょう!私を何だと思ってるの!?」
ヘレナが近くにあった食器を投げつけそうになったから、俺はそれを止めて「分かったよ、すまないね」と子をあやすように言った。俺は反省した。産後の母親のストレスというものを軽んじてたに違いない。
その次にメルのところに行ったとき、抱きしめようとするメルをやんわり離して「ごめん、服に香水が着くと奥さんが嫌がるから」と伝えた。シャツは何度か洗えばいいけど、上着に匂いがつくとなかなか落とせない。
メルは眉尻をこれ以上ないくらい下げて、しょんぼりすると、黙って浴室に向かった。その様子に俺は痺れるくらいにキュンと来て、上着を丁寧に吊るしてクローゼットにしまい込むと、いそいそと自分も浴室に突入した。
その後はまぁなんとも捗った。改めて、俺を見捨てないでくれるメルに親愛を捧げようと思った。
香水なんてない方が良い、よっぽど良い‥‥ということもキッチリ伝えた。それから俺のこの身体はもう全部メルの物だってことも。一時でも他に貸しててごめんとも。俺は、愛する人にかける言葉を惜しまない男なのだ。
それから成長した息子が商会で下宿しながら働き始めると、俺はヘレナに長年の感謝を伝えて家を後にした。家はヘレナに譲ったというか、そもそも俺が住むための家ではなかったから、ヘレナが住み続けるのは当たり前だった。
ヘレナとは、また息子が結婚でもしたら会うだろうと思う。
俺は良い夫でも良い父親でもなかったけれど、めちゃくちゃ働かせてくる会長の下でちゃんと仕事はしてたから金はそれなりにあった。自分の家とは別に妻のための家を買って、不自由なく暮らしていけるのも会長がいつの間にか俺に五つもの支店を任せてくれたおかげだ。そんな俺を見てかどうかは知らないが、息子が自分と同じ仕事を志してくれたことは嬉しかった。
そしてずいぶん歳をとっても変わらず俺を見離さないでいてくれるメルに、俺は生涯変わらぬ献身を誓うのだった。
END
ゲイルがメルと結婚できない理由、ボヤっとさせて申し訳ないですが‥‥きっとご想像いただいた理由で合ってます!!
因みに伯爵家がヘレナの結婚相手としてゲイルを指名したわけではありません。せっかく丸く収まった嫡男夫婦にこれ以上水をさされないための急ぎの処置でした。(事後でも何かしら対処することは一つの誠意ですね。)
要望を汲んだ結果、適任者としてゲイルが挙がりました。
ヘレナの生活の初期投資には、伯爵家からも心付け程度のお祝い金が出ています。家は平民向けの小さな家ですが、家族がさらに増えるわけでもないので十分だったと思われます。
ありがとうございました!
活動報告もupしました~ https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/2983792/blogkey/3540218/




