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44.オタメイトに向けて、レッツラゴーです!①


 大学から駅までは徒歩十分ほどの距離にある。

 今日はその駅の電車で三好さんが来てくれて、一回降りてホームで待ち合わせてまた電車に乗っていく予定だ。

 街を歩いて駅の構内に入り、ホームを間違えないように気をつけて上を見て歩き、到着した改札に電子マネーをグッと押し当てて通り抜ける。よし。


 特に問題なく待ち合わせの場所に到着できそうだ。なんの問題もないはずだ。なのに、なんでだろう。


 ──なんか、凄く視線を感じるような・・・・・・?


 すれ違う人の視線を感じて、居心地が悪い。ミスをしていないのに。・・・・・・やっぱり私、こういう格好似合わなかった、とか!? 有り得る。メルちゃんとゆずっちは似合うと言ってくれたけど、あの二人は優しいから・・・・・・!


 そんなことを思っているうちに、ホームにたどり着いた。ああ、大丈夫かな。三好さんに引かれたりしないだろうか。不安だ。ああああああ。


 その時、電車が来た。これに三好さんは乗っているだろうか。次の電車だろうかと降車してくる人を見つめる。三好さん、三好さん・・・・・・あっ! いた!


 黒っぽい服装を身にまとっているけれど、背が高いし、雰囲気が華やかでよく目立つ。

 私がいる位置の一個分隣の降車口から降りてきたので、慌てて三好さんの元に向かう。すると、三好さんが私を見た。あ、良かった、これで合流──。


 って、あれ? 何故かスルーされた。しかも何やらキョロキョロとしている。・・・・・・まさか、私に気がついてない?


「み、三好さん!」


 電車行っちゃう! と思って走って三好さんの元に向かう。三好さんはもう一度私を見て、また一回視線を逸らして、もう一度私を見た。


「・・・・・・っえ、影原さん!?」

「は、はい! 影原です!」

「ええっ!? まって、いつもと全然違うから気が付かなかった!!」


 嘘でしょ!? と三好さんが驚いた声で言う。そうしているうちに電車のドアが閉まりそうになったので「とりあえず、行きましょう!」と言って電車に乗りこんだ。セーフ。


 電車の中は案外人がたくさん乗っていて、座席は全部埋まっていた。三好さんが「この辺に立とうか」とドアの近くの角に私を立たせて棒を掴ませ、その前に三好さんが立ってつり革を持った。ま、待って待って。これ近くない!?


 わああ、となってとりあえず気をそらすために窓の外を見た。車窓に映るのは凄いスピードで流れていく街並み、それと、私の姿。

 いつも黒い服をまとっている体は、長めの白いニットに、くすみピンクのロングスカートをまとっている。そして、綺麗に整えられた編み込みハーフアップの髪に、ピンクベースの落ち着いた、可愛いメイク。

 本当に私じゃないみたいだ、と思う。


「影原さん、大学ではいつもそんな感じなの?」


 三好さんが小さな声で話しかけてくれる。電車の外を見ているから、三好さんの顔は見えない。なんか、それはそれで緊張するような・・・・・・!


「あ、いえ、全然・・・・・・いつも黒い服に、普通の格好して、ます」

「そうなの? 今日違うからてっきり大学ではそうなのかと」

「いえ、これは・・・・・・!」


 なんて言ったらいいんだろう。貴方に見合うようになりたくて、なんて言えない。可愛いとか思って欲しくてなんて余計に言えない。

 それ以外。それ以外・・・・・・。


「きょ、今日は、三好さんと出かけるので・・・・・・」

「・・・・・・そう」


 はいミスったー! 三好さんの反応激うす!! あああもう、折角お洒落してもミスってたら意味無いじゃん! 馬鹿か私!!


「自分でやったの?」

「あ・・・・・・その、まだそのレベルには達していないので、友人に協力を、仰ぎました。あの、凄くオシャレで可愛い子なんですよ!」

「・・・・・・女の子?」

「? はい、そうですよ。可愛い女の子と、大人っぽい女の子と、ヴァイス様好きの男の子です」


 ちなみに、私の友達第1号は可愛い子です! と自慢すると、三好さんは「そっか。そうなんだ」と言った。なんだろう。この間感じた違和感とは少し違うけど、三好さん、いつもと少し違うような・・・・・・?


「あ、もう着くよ、影原さん」


 車内アナウンスがオタメイトの最寄り駅の名前を告げる。ゆっくりと電車が止まり、ドアが開いた。


「じゃあ、行こうか。あ、影原さん」

「はい」

「今日は俺から離れちゃダメだからね?」

「・・・・・・? は、はい」


 ホームを出て、改札を通り、街に出る。3度目の街。うう、やっぱりまだ少し慣れない。


「俺の右側歩いてね」


 前回と同じように、三好さんが建物側を歩かせてくれる。優しい。覚えていてくれて嬉しい。今回は前よりは少し余裕を持って三好さんと並んで歩けるのが、嬉しい。


「また影原さんとオタメイト行けるの、嬉しいな」


 私の心を読んだかのようなタイミングで、三好さんがそう言う。ああもう、色んな意味で心臓に悪い、それ! やめて欲しい! いやでも嬉しい!!


「わ、私もです!」

「たくさん見て回ろうね」

「はい!」


 その時、二人の間にぐぅーという音が鳴った。い、今の、私!?


「ご、ごめんなさ、」

「っあはは。そうだよね。先にご飯だね。ごめんごめん。行こう。いいお店、調べておいたんだ」


 多分影原さんも好きだと思うよ、と三好さんが笑って言ってくれる。うううう〜。好き。


「はい・・・・・・」


 多分真っ赤になっている顔を隠すように俯き、三好さんの後に続いた。

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