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苦手な方はご注意ください。

魔力ではなく呪力がある世界での、私のざまぁ転生生活

作者: 三香

いじめの表現があります。

ヒロインの感じ方や考え方の表現なのでご不快になったならばお許し下さい。

 王国における成人年齢は、平民が12歳、貴族が16歳である。


 私は来月で16歳。

 つまり今は15歳。


 前世もそうであったが今世の世界も未成年に対して刑罰が甘い。

 子どものしたことだから、という都合のいい言葉で目先や表面を取り繕って曖昧にしてしまう。


 今の私のように。


 ただし未成年に寛容であると言っても、前世に比べて今世の保護者の責任は大きい。特に貴族の場合、子どもの失敗は家の恥に直結して損害賠償へとほぼ確実に発展する大問題となる。


 私が前世を思い出したのは3日前。

 婚約者のユリウスの浮気現場を目撃した時であった。


 私は裕福なグラス伯爵家の一人娘で、四歳年上のユリウスは同格のアンドロイ伯爵家の三男で我が家に入り婿予定の婚約を結んでいた。


 父親の選んだ婚約者であるユリウスと初めて顔合わせしたのは私が14歳の時だった。白い近衛騎士服のユリウスは金髪碧眼の王子様フェイスで、凄くカッコよくて。私は一目惚れしてしまったのだ。


 ユリウスも、私がユリウスに対して一瞬で好意を抱いたことを理解したのだろう。これまでもユリウスの麗しい容姿に夢中になる令嬢は多々いたのだから。しかし引く手あまたの(積極的というよりも捕食レベルの肉食令嬢のスタンピードのように群がるハーレム的に)人気のあるユリウスにとっては、その中で一番条件が良かったのが私の家であった、というだけの婚約だった。


 でも私はユリウスが好きであったし、何よりも結婚するならば私の両親のように夫婦仲睦まじい関係になりたかったのだ。


 ここで私とユリウスとの間に壁のような温度差が生まれてしまった。


 私に愛されていることを踏まえた上での、婚約前と同じく花から花へ流れる花粉のように女性関係の派手なユリウスに対して、関心を引きたくて焦る私という芳しくない状況の構図はユリウスと私との関係を歪にした。


 私はユリウスの注意を引きたくて幾つもの高価な贈り物をして毎日手紙を書いた。出掛けるユリウスの後をつけたり先ぶれもなくユリウスの伯爵家に突撃をしたこともあった。

 パーティーなどは両親の手前、ユリウスは私をエスコートしたが会場に入れば手を振り払われて私は壁の花となった。最悪の場合は、ユリウスとともに乗ってきた馬車をユリウスが友人と使って、放置された私は知人やパーティーの主催者に頼み馬車に乗せてもらうしかなかった。


 愛してほしい、と泣きながらユリウスに縋りついたこともあった。

 

 けれども私の愛情に慢心したユリウスは。深く愛すれば愛するほどに、私を足蹴にしても愛し続けてもらえると傲慢になっていった。


 そして3日前。

 

 私の母親の生家であるオリシア公爵家にて行われたガーデンパーティーで、とうとう私はユリウスに怒りをぶつけた。

 ユリウスは私の婚約者であるのに、浮気相手とパーティーに出席したのだ。私の母親の生家が主催するパーティーに、である。


 オリシア公爵家の顔に泥をつけ、グラス伯爵家の面目を潰す行為であった。

 許せる範疇を超えていた。呼気が苦しい。唇がひきつる。あえぐような息を吐いて私は胸を押さえた。

 もはや私の気持ちは問題ではなく、貴族家として体面と名誉にかかわる事態となったのだ。


 ユリウスに溺れていた私でも、さすがにグラス伯爵家の娘としての我慢の限界に達して冷水を浴びたように憤怒に身を震わせた。

 従兄と会話中であったが、ユリウスの姿を発見して眦を吊り上げた私の視線の方向を従兄も同じく見て額に雷のような青筋を立てる。


「ユリウス様!」

 金髪美女の腰を抱いたユリウスの前に私が立ち塞がる。

「どういうことでしょうか? 今日のガーデンパーティーは欠席なさると連絡を受けておりましたが、そちらの方は?」


 ユリウスの顔色が変わる。

 私のエスコートが面倒で欠席と告げたものの、オリシア公爵家の薔薇園は有名である。薔薇を愛でるためのガーデンパーティーは王国有数の知名度があるため、おそらく恋人の金髪美女にねだられてユリウスはのこのことやって来たのだろう。


 怒気を帯びて睨みつける私に、さしものユリウスも自分の行動のマズさを常識的に自覚していたらしく金髪美女の腰からあわてて手を離した。

 

 けれどもユリウスは私を見下していた。いつもの私ならば一も二もなくユリウスに唯々諾々として従って、ご機嫌を取ろうと顔色を必死に窺うからだ。

 だからユリウスは強気だった。

「彼女は友人だよ。僕の友人関係に口を挟まないでくれるかな? 煩わしいよ」

 しかし常とは違い、私は譲歩しなかった。口調が固く尖る。私の赤い髪が燃えるように揺れた。

「煩わしい? 婚約者の私に対して本気でおっしゃっているのですか?」

 私の非難の籠もった冷たい眼差しに、ユリウスが低く唸る獣のようにギリリと奥歯を噛む。驚愕と動揺。常に従順な私が言い返すとは思いもしなかったようだ。


 狼狽したユリウスは険しい表情をして片手を大きく横に振った。見くびっている私に初めて逆らわれて苛立ち、内心の動揺を覚られまいと攻撃的に振る舞う。ビュッ、と手が風を切った。

「僕に口答えをするな!」

 その手が刃物のように頬にあたり身体が傾ぐ。衝撃でバランスを失い私はあっけなく転倒した。ガツンッ! 頭部に激痛が走る。地面に私の赤い髪が血のように広がった。


 閉じゆく意識に、

「ルルティーナ!!」

 と、薔薇の生け垣に射られた矢のようにユリウスを蹴り飛ばして叫ぶ従兄グレンハルトの悲鳴が耳を刺した。

「ぎゃあっ!!」

 グシャ、と薔薇の棘に突き刺されたユリウスの悲鳴も。


 霞む瞳に。

 天から降り注ぐ天使の梯子の光の欠片と。

 庭園の薔薇の花々が色彩の波のように風に揺れて。

 散り舞う純白の薔薇の花弁が雪のように視界を横切る中で蒼白な顔のグレンハルトの飛びつくように伸ばされた指先が、映る。


 そして、私は。

 頭部に強烈な打撃を受けたためか、この時に私は前世を思い出したのである。


 いじめられていた前世を。


「死ね」「バカ」といった暴言は侮辱罪。

 自分の持ち物を壊されたり傷つけられたりした場合は器物損壊罪。

 脅迫されたり物を盗まれたりしたら、脅迫罪や窃盗罪。

 脅されて金銭を取られたり何かを強要されたりした時は恐喝罪や強要罪。

 暴行を受けたら暴行罪、暴行によって傷を負えば傷害罪。

 その他にも色々あるけれども学校内部においては、それらは『いじめ』という名に変換されて警察が介入することはほぼなくなる。『いじめ』は犯罪ではないからだ。正確には『いじめ』を処罰する罰則はなく、刑法にいじめ罪という犯罪は存在しないのだ。


 もちろん『いじめ』と言われても、きちんと解決される時の方が多いのかも知れない。でも。でも、でも私の場合は『いじめ』という名前のもとに、『いじめ』だからと、私にも悪い点があった(どこが?)のだからと、双方謝罪して終わりの一択だった。


 同級生は、たまたま同じ電車に乗り合わせた他人といっしょ、という話を聞いたことがある。

 たまたま同じ年に生まれ、たまたま近所に住んでいて学区が一緒だっただけ。同級生というだけの関係で、生き方も違うし考え方も違う他人だ、と。

 それはそうだけれども。

 5分間だけ電車に乗る他人と、1年間クラスが同じ他人とでは大きく異なると思うのだ。

 電車の中では、班分けになって一人ぼっちになって嗤われることはない。毎日、暴言を吐かれることも暴力を振るわれることも持ち物を壊されることもない。


 居場所がないと泣くこともない。


 だるまさんが転んだで集団で遊んでいたのに鬼になって振り返ってみたら誰もいなくなっていたような、悲しさも、惨めさも、孤独も、経験することもない。


 一方でクラスメイトたちにとっては、私の『いじめ』は見て見ぬふりが正解の非日常的な出来事であった。『いじめ』という舞台の登場人物ではなく観客の立場であり、あくまでも傍観者であったので誰も助けてはくれなかった。


 私は、教室の隅っこにいたいだけだったのに。


 A子ちゃんに押しつけられた掃除当番を拒否しただけで、根暗のくせに生意気だ、といじめが始まるなんて。信念もなく、責任が発生することを考えることもないままに容易く傾いた不明瞭な犯意の悪意は増殖して、折れた枝が落ちきれずに吊り下がっているような酷い骨折を私がしたことにより発覚したけれども。

 

 A子ちゃんのママは。

「それぐらいのことで大袈裟な」

 B子ちゃんのママは。

「子どものしたことですから」

 C子ちゃんのママは。

「仲良くなろうとして少しやり過ぎただけのこと」

 と言った。


 学校は、A子ちゃんとB子ちゃんとC子ちゃんが謝罪しているのだから許してあげなさい、と言った。


 先生。

 欠片も反省していない態度の形だけの下げた頭の下でニヤニヤ嗤っている謝罪なのに、私は許さないといけないのですか?

 私を何十回も叩いた手と握手をしないといけないのですか?


 共働きで忙しい両親は、面倒をかけるな、と言った。


 お父さん、お母さん。

 私ね、凄く辛かったんだよ。凄く痛かったんだよ。

 料理も洗濯も掃除も一人でしているよ。なのに、面倒をかけるな、なの?


 15歳の私の日常は、素足でおろし金のような道を歩くみたいに容赦がなく残酷だった。

 私は生きているけど「人」なのかな?

 遺骨になった「柱」なのかな?

 位牌に納まった「基」なのかな?

 生きていても死んでいるように境目がわからなくなっていた。


 世の中にはもっと辛い人もいるのだろうけど、私は私の居る環境で辛かった。比較しても何にもならないけれども、私は私の世界が地球の自転が停止するにも似て止まってしまい、動けずに首を沈めて蹲ってしまいそうだったのだ。


 だから呪ったの。

 胡散臭さ満点の「これでアナタも呪いの名人」という通販セット1万円ポッキリで。物理的に反撃すれば私が犯罪者になってしまうから、証拠を残さない呪いで。 


 はい、イッキ、イッキ、イッキ、呪っちゃえ!

 それ、イッキ、イッキ、イッキ、呪うんだー!


 これが呪文。

 それから落書きみたいな魔法陣と、ワカメみたいなウネウネとしたヘンテコな呪いの踊りの図解付きだった。

 まるで禁止に近い扱いの某アルコールソングみたいな呪詛だったけど。


 はい、イッキ、イッキ、イッキ、呪っちゃえ!

 それ、イッキ、イッキ、イッキ、呪うんだー!

 はい! 

 ちょっといいとこ見てみたい!

 それ! 

 呪って、呪って、呪って!

 イッキ! イッキ! イッキ!

 イッキ! イッキ! イッキ!

 ボンバイエ〜ッ!!


 軽快なテンポで歌いながら魔法陣の上で、固定された片腕を冬の氷のように身体にくっつけて全身全霊でウネウネしていたら。


 バチン! って魔法陣が光って、衝撃で撥ね飛ばされて怪我はなかったけど凄くびっくりした。


《この時、実は。

 とある異世界の王宮の大広間で国王が自身の権威を高めるための聖女召喚がおこなわれていたのだが、呪力と魔力が超絶に反発して大失敗。膨大なエネルギーがややこしく絡んで、どういう作用をしたのか召喚者たちが地球に逆召喚されて、さらに何故か300年前のアマゾンの密林のド真ん中にブッ飛ばされたのだった。結果として大広間にいた王族と高位貴族がごっそり消えて、ついでに代々伝わる床に彫られた召喚の魔法陣もバチンと粉々に粉砕されて。召喚に反対して牢に入れられていた常識のある王族が王国を統治して繁栄したので、ある意味大成功の聖女召喚と言えた。ちなみに地球では、逆召喚された者たちは魔法を使うことはできなかった。魔法のための魔素が存在しなかったのである。ナムナム》


 効果はあったみたいで、A子ちゃん家もB子ちゃん家もC子ちゃん家も家族全員が、家族それぞれの真実という名前の隠しておきたいことや恥ずかしいことや人に言えない色々な悪夢をお互いに毎日見るようになったの。それで色々モメて家族仲は最悪になったらしい。


 学校の先生たちも人間関係が険悪になって大喧嘩に発展した先生もいた。


 私の両親はお互いの浮気がバレて罵りあって離婚をして、親権の押しつけあいをするので祖父母が私を引き取ってくれた。祖父母は万一に備えて学費の信託贈与とか遺言書とか色々としてくれて、弁護士にも依頼をして両親との接触を完全に排除してる手続きもしてくれたのだった。


 予は満足じゃ!(ポイントは、主演女優賞並みの演技で「私は何も関係ありません、知りません。だってもう和解済みですし」という顔できょとんとしていること!)

 ざまぁ!


 …………でも。


 ……でも。


 でも、もしも呪いではなく願いがひとつだけ叶うとしたならば。


 両親から愛されて、右手で父親と左手で母親と三人で手を繋いで「心配はいらない。守るから」と言ってもらって学校から家に帰るような。

 そんな幻を、夢でもいいから見たかった……。


 ……でも現実は痛みしかなくて。痛みと痛みが糸を紡ぐみたいに結ばれて。

 痛さだけが私の心に残ったのだった。


 という前世の記憶が蘇ったのである。


 何とも微妙な記憶だが、ユリウスとの婚約破棄には役に立った。


 私はストーカーの範疇をギリギリ攻めていたから、おまわりさんこの人ですって指を指される寸前くらいの罪の重さだと思う(希望)。しつこくユリウスに付き纏って(自覚あり)いたけど、それを「子どものしたことだから」と言う言葉で誤魔化したのだ。

「愛情を押し付けたのは成人前だったので、節度の加減がわからなかったから」

「政略ではなくお互いに思い合う婚約関係を築きたかったから」

 と、ストーカー行為を良好な婚約のためにという建前に全力ですり替えたのである(第一、王国にはストーカーという言葉すらないのだから乙女のいじらしさで貫き通せばダイジョーブ、ダイジョーブ)。


 A子ちゃんママB子ちゃんママC子ちゃんママのように論点をはぐらかして。有耶無耶って素敵な言葉だったのね、としみじみと身に沁みたわ。


 私のマイナス点は無しにしてユリウスの浮気を全面的に責めたてて、ユリウスの有責100パーセントの婚約破棄としたのだ。


 私がユリウスにしつこく付き纏ったから鬱陶しくなって、ストレスから浮気をしたと言うユリウスの主張は却下された。だってユリウスは、婚約前からも婚約直後からも女性関係が派手だったから。


 ユリウスの浮気の目撃者は多いから証拠はバッチリだし、何よりオリシア公爵家での私への暴力行為は致命的だった。


 そして前世を思い出してから3日後には、婚約時に結んでいた契約の違約金として莫大な金額を、グラス伯爵家はユリウスのアンドロイ伯爵家から雑巾を千切る勢いで絞り取ったのだった。アンドロイ伯爵は私がユリウスにゾッコンメロメロ(と思っていたが、幸せになりたいという我執に囚われていただけかも知れない)だったから婚約破棄はない、と高を括っていたみたいだった。だから青天の霹靂で予想外すぎて泡を吹いて倒れたらしい。ユリウスもだけれどもアンドロイ伯爵家も、私の愛情の上で横柄な態度だったもの。


 予は満足じゃ!(ポイントは自分の撒いた種だぞ、とこっそり嗤うこと。うふ、ねぇどんな気分?)

 ざまぁ!!


 だって前世の記憶が蘇ったら、暴力男も浮気男も鳥肌が立つくらい無理だった。ユリウスが好きだったはず(好きだと自己暗示をかけていた面もあるのかも)なのに、夢から目覚めたみたいに本能レベルで拒絶してしまったのである。マジで無理無理無理の無限無理だった。


 私の両親はユリウスの浮気三昧を苦々しく思っていたし、この2年間婚約が継続してきたのは私がユリウスを愛するが故、ただそれだけの細い細い綱渡りの婚約であったのだ。私の父親は、グラス伯爵家の領地経営に口出しをしない無能なタイプとしてユリウスを婿に選んだが、見込みが甘かったと激しく後悔していた。


 それなのにユリウスったら、私を呪ってきたの。


 この世界には魔法はないけれども、本物の呪いはあるのだ。

 ただし、お金次第。お金でピンからキリに分かれて細かいランクが存在する。

 なので当然、地獄の沙汰も金次第と言う先人の有り難い御言葉そのものみたいな、お金次第での呪い返しができることを、ユリウスはきちんと理解していなかった。


 ユリウスは、グラス伯爵家の資産を誤解していた。

 呪うよりも呪い返しの方が数倍の金額となるが、グラス伯爵家には余裕の金額だったのだ。

 それに呪いのある世界なのだから、誰もが呪い除けを普段から欠かさないのは当たり前の基本なのに。


 つまりこの世界では、よほどの高ランクの術者に依頼しない限り、普通ランクの呪いでは呪った本人の方がリスクが高いのである。


 極上の王子様フェイスでチヤホヤされて甘く優しい世界で高慢に生きてきたユリウスは、そんな基本的な教育すら忘れて自分勝手に都合よく呪いを利用しようとしたらしい。


 愚か、としか言いようがない。(アンドロイ伯爵家の教育はどうなっているの? 面倒くさいでしょうが、私が!)


 目の前で、ドロドロの悪霊を背負って大号泣しているユリウスに私はマリアナ海溝並みの深い溜め息を吐く。生臭い。ユリウスからは腐った魚のような異臭が立ち昇っていた。


 場所は王宮の夜会である。

 婚約破棄から20日後のことであった。


 私の姿を発見したユリウスは犬のように走ってきて、ワンワン泣き出したのだ。呪いのある世界である。貴族の嗜みレベルでアチラコチラに様々な悪霊を背負った貴族がいるとはいえ、目立って仕方がない。周りの図太さを見習って欲しい。悪霊を背負っていても悪臭を漂わせていても、当人も相手も何処吹く風という表情をして平然として談笑しているのに(魔除けの呪文を全身に書き込んている貴族もいるけど。耳無し芳一のお経みたい)。


「恋人たち全員に振られた……。悪霊に全身を毎晩ヘドロパックをされて、悪臭が身体に沁み込んでしまって臭くて臭くて周囲は鼻を押さえて迷惑そうにするし、近衛はクビになるし……っ!」

 大泣きしているユリウスの背後で悪霊が無数の手を揺らす。迫力満点のホラー映画みたい。おぞましさが凄い。振り撒く悪臭も王級である。


 呪いも色々あるけれども、悪霊付きは悪臭を伴うことが多い。特にユリウスの悪霊は強力だから臭気も強烈であった。だって王国一番の術者による呪い返しだもの。


「自業自得ですわ、呪いなんて良識のある貴族ならば手を出しません。パーティーでもお茶会でも悪霊付きの貴族を見ていますのに、よくまあ呪いなんてリスクの高いものを実行する気になったものだと、その愚かさを逆に感心してしまいますわ(ポイントは、前世の自分は棚上げにすること!)」

「僕は大丈夫だと……」

「その根拠のない自信はどこから? 行動が浅慮すぎていっそ憐れですわ」

 私はユリウスに塩を塗り込む。ヌリヌリ。よくも呪おうとした相手に泣きつけるものだ。


 私は一歩退く。

「貴族のマナーとして言うべきではないのですけど、離れていただけますか? 臭いのです」


 ガーン、とショックを受けたようにユリウスがよろめく。身体のアチコチを包帯でぎゅうぎゅうに巻いているので木乃伊の出来損ないみたいな動きであった。(この世界の薔薇の棘は前世の薔薇の棘の5倍くらい長くて鋭いのだ)

「ひどい……。ルルティーナは僕を愛してくれていたから決して見捨てないと思っていたのに……」

「呪い返しを受けて、それを言える性根が凄いです」

「だって僕が近づくと皆避けるんだ、使用人すら鼻をつまむし……。ルルティーナみたいに涼しい顔をしていない……」

「貴族ですもの。不敵の根性と強心臓は必須ですわ」

「でも、貴族でも皆逃げるし…」

「当たり前です。友情もなく愛情もない相手と、ましてや利益にもならない相手と付き合う貴族はおりません。臭いのに」


 ウゾゾ、悪霊が揺れている。この強大な悪霊を背負って精神崩壊もせず悪臭だけが悩みなんて。悪霊の精神侵略をヘドロパックと宣うユリウスの精神構造と思考回路は驚異的である。


「ルルティーナ、助けてよ。僕よりも目立つルルティーナの赤い髪が嫌だなんて文句をもう言わないからさ」

「私に対してそれを言える性根が本当に凄いです。ドス黒く爛れていますね。臭いどころか根本的な心の持ち方が腐っているのではないですか?」

 私は冷ややかにユリウスに追い打ちをかける。騎士のくせに躊躇なく女性に手を上げるユリウスにかける情けなどない。

「だって呪い返しの解呪には金貨999万枚が必要なんだ。ルルティーナが許してくれたら……」

「勉強不足です。私の許しなど関係ありません。解呪は術者の腕次第となるので、大金が必要になることは子どもでも知っています」


「だったら、お金を貸してよ」

 どこまでも自分本位なユリウスの思考はある意味卓越していて、ゾッとするほど恐ろしい。なるほど。あの悪霊に負けていないのも納得である。

「もしかして心臓に剛毛が生えているのですか? 私を呪っておいて図々しいにも程があります」


 いつの間にか私とユリウスの周囲に(悪臭が届かない距離で)人垣ができていたが、ユリウスの言葉にドン引きとなって不快感もあらわに眉根を寄せている。人々のひそめた嫌悪の囁き声がザワザワとさざ波のように会場に広がっていった。


 あらら、ユリウスってば。

 チーン、と貴族としての人生の終了の鐘が盛大に鳴っているわよ。ウケる。プークスクスと笑いたい。

 物理面でも精神面でも鼻つまみ者となってしまったみたいね、と。


「ユリウスッ!!」

 人垣をかき分けアンドロイ伯爵が駆け寄ってくる。広いパーティー会場で誰かが探して呼んでくれたようだ。ユリウスの醜態を聞いたのか、顔が真っ赤である。

「これ以上恥をさらすなっ! 帰るぞっ!!」


 アンドロイ伯爵が、私と私の後ろに立つグレンハルトに深々と頭を垂れる。グレンハルトは何かあればすぐに私を助けることのできる距離で黙って立っていてくれていた。他力本願だがグレンハルトの存在があったからこそ、安心して私は言いたいことが言えたのである。

「申し訳ありませんでした。正式な謝罪は後日に必ず……!」

 グレンハルトが鷹揚に頷く。針のような眼光が突き刺さる。公爵家のグレンハルトに全てを見られていたのである。アンドロイ伯爵の顔色は真っ赤から真っ青に変化していた。


 アンドロイ伯爵が「でも」とか「だって」とか喚いているユリウスを引きずり、逃げるように会場から出てゆく。後ろから黒子のように密やかに、王宮の使用人たちが悪臭を吸着する消臭剤を撒いていた(この世界は文明面では中世くらいなのだが、前世よりも消臭剤の種類は豊富なのだ)。


 人々の目が冷たい。明日にはユリウスの噂が王都中で盛りあがって流れていることだろう。


「ルルティーナ、頑張ったね」

 グレンハルトが労ってくれる。グレンハルトの私への接し方は、ほとんど脊髄反射に達するくらいのレベルで優しい。従兄妹として幼い頃からの甘い蜜の味の条件反射である。

「ユリウスの匂いが残っているからテラスに移動しようか?」


「ええ。顔をしかめないようにするのに苦労したわ。キツイ腐敗臭みたいな匂いなのですもの」

「それだけ俺の呪い返しが強力だった結果だが、やー、どぎつい匂いだったなぁ」

 グレンハルトにエスコートされてテラスに向かう。


 グレンハルトは王国一番の術者なのだ。

 呪力の強い者ほど呪いに対しての抵抗力を所有する。故に、高位貴族は常に強い術者をその血に取り込んできた。王国一番の術者が公爵家に生まれることは必然とも言えた。


 テラスにはテーブルが置かれ、軽食やデザートが花とともに美しくセッティングされていた。


「まぁ、用意してくれていたの?」

「母上は王族だったから王宮の使用人とも顔見知りでね。便宜を図ってくれたんだ」


 夜風が心地よい。

 彼方から吹き抜けてきた夜の脈拍のような風が、ほのかな冷たい香りを纏って私の赤い髪を撫でる。

 夜の空の真珠の輝きに似た光に満ちた丸い月の、満月の眼差しに照らされたテラスで私は微笑んだ。


「ありがとう、グレンハルト」


 夜空を仰ぐ。

 夜の空に浮かぶ雲は白い泡のように風に吹かれて波立っていた。

 雲の合い間から男神と女神の神話を持つ星々が綺羅綺羅しい金砂子のように煌めく。

 暗い夜でも星がひとつでも煌めいていれば、それは闇夜という名ではなく星空という美しい言葉になるのだと、空を仰ぐ星になるのだと前世の誰かが言っていた。


「ねぇ、グレンハルト。聞いて欲しいことがあるの」

「おや、何か相談事があるのかな?」

「相談事と言うか、あのね、私の秘密なの。前世って信じられるかしら?」


 秘密? 前世? と呟いたグレンハルトの海のように青い双眸が深海のような闇色に染まっていく。グレンハルトが術者として神秘の世界に半身を置く時には、瞳が幾重もの夜の闇が堆積した黒い色に変化するのだ。


 神の星を宿す夜空色の瞳がまたたく。


 私は、こくり、と息を呑んでグレンハルトに語った。

 23日前に思い出した前世のことを。


 グレンハルトは真剣に聞いてくれた。 

 前世など信じられないと決めつけることなく、お伽話のように荒唐無稽だと吐き捨てることもなく、真摯な態度で耳を傾けてくれた。


 優しいグレンハルト。

 哀しいグレンハルト。

 底深い泥沼に咲く清らかな蓮の花のようなグレンハルト。


 グレンハルトは自分の境界に誰も立ち入れさせない。誰も入れない。自分の領域と他者の領域との間に明確に壁をつくることはグレンハルトにとって最大の自衛でもあったからだ。


 術者であるグレンハルトは尊敬されている。大勢の人々から拝跪されて崇め奉られるほどに。

 けれども同時に人々から恐れられて忌まれてもいるのだ。人の姿をしているだけの不気味でおぞましく厭わしいモノ、と。


 グレンハルトは。そのことを悲しいほどに自覚しているから私が14歳の時に、

「グレンハルトが好き。愛している」

 と告白した時も。

 ひたすら私を愛しげに見つめて、

「ルルティーナには幸せになってほしいんだ」

 と告げて私をきっぱりと拒絶した。

 だから私はユリウスに執着した。グレンハルトが幸福になれ、と言ったのだからユリウスと相愛になって幸福にならなければいけないと思ったのだ。そう、思ってしまったのだ。

 結果は惨憺なものとなってしまったが……。


 ユリウスだけを有責にしたけれども、本当は浮気をするユリウスは私にとって都合がよかったのである。グレンハルトを心の奥底で想い続けることの呵責に苛まれずにすむから。

 もしも家名に泥を塗られることがなければ、一生叶わぬとわかっている相思相愛の幸福を目指して私は、次々に浮気をする病気のようなユリウスと結婚をしていたことだろう。


 ごめんなさい、ユリウス。

 あなたは最低だったけど、私も最低だったの。

 あなたがグラス伯爵家の財産や爵位を目当てとしたように、私もあなたを利用したのよ。領地の仕事は私がするし、自分勝手な者同士お似合いの結婚だと思ったのだけど。


 でもお詫びとして、怒り狂うグレンハルトをなだめて呪い返しは禁忌のペケペケのウニョウニョではなく悪霊だけにしてもらったから、これからは背中の悪霊と仲良く人生を謳歌してね(その悪霊、女性だから結婚もOKよ! 過去に幽霊と大恋愛した王子がいて王国では結婚に生死が関係ナイのである。王子は死した婚約者に哀しみよりも惜しみない愛を溢れるほどに捧げたのだ)。


「……そうか……」

 グレンハルトの瞳孔がジワジワと開く。黒い双眸の奥に灯る暗い光の熱が滾るように私を絡め、私を見ているのに私ではないものを視る。

「昔から不思議だった。俺以外は視えていないが、ルルティーナには朝露を紡ぐ蜘蛛の糸よりも細く、真昼の月よりも儚い、遥か遠く何処かへと繋がる糸が……。それが是なのか否なのかずっとわからなかったが、そうか、ルルティーナの前世に繋がるものだったのか」


 グレンハルトが私の手を取った。ぎゅっと握る。


「ルルティーナ、その糸を断ち切ってもいいだろうか? この世界の呪力が少しずつルルティーナの身体を通して、その糸を伝って前世の身体に流れ込んでいる。それほどの負荷はかかっていないから自覚症状はないが、未来はわからない。何かの拍子で一気に破裂する可能性もある。今まではその糸の意味や価値が理解できなかったから放置してきたが、とても危険だ」


 グレンハルトの言葉にハッと気づく。

 前世のイッキソングの呪詛の成功の元は、この世界の呪力にあったのだと。


「ええ、切ってちょうだい。いきなり前世が蘇ったのもその流れ込む呪力の負荷が何か作用したのかも……」

「いいのかい?」

「前世は前世よ。私は今世のルルティーナとして生きているのよ、前世に未練はないわ」


 そう、未練はない。

 今世のお父様もお母様も私を大事にしてくれる。

 私を蔑ろにするユリウスに怒って、私のことを心配して婚約破棄にもすぐに賛成してくれて。

 お父様とはいっしょにお茶を飲んで、お母様とはいっしょに買い物に行って、三人でいっしょに食事をとる毎日が、凄く幸せで。


 呪いのあるこの世界で呪いなんて関係なく、私の願い事は叶ったのだ。


 グレンハルトは夜の化身のごとく美しく微笑むと、虚空に向かって優雅に片手を横に振った。

「断――――」


 しかし、その手が途中で止まる。


「…………消えた。呪をかける前に糸が消えてしまった」


 もしかして……。


 もしかして……。


 私の願いが叶った、から?


 グレンハルトが夜空色の目をスゥゥゥと細める。

「ああ……、完全に消えている。気配すら残っていない。まぁ、将来的に害になる可能性もあったものだから消滅してくれたのは良かったことだが……、不思議なタイミングだ」

「そうね」

 真実なんてわからない。でも、たぶん、もう私に呪詛は必要なくなったのだ。

「そうね。きっと神様が今世で幸福になりなさい、と教えてくださったタイミングだったのかも」


「だからグレンハルト。私、もう結婚はしないわ。グレンハルトと結婚ができないならば、誰とも結婚はしない」

 私はグレンハルトの手を握り返す。

「この世界は呪詛はあるけれども魔法はない。でも魔法が存在しなくても、私はグレンハルトが好き。呪詛ではなく魔法でもなく、これは私の気持ち」


 グレンハルトは驚愕のあまり私を凝視して身動きすらしない。


「グレンハルトは、人々から忌避される自分に巻き込みたくないと私を拒絶した。私はグラス伯爵家の一人娘だから結婚をして後継者を残す義務があった、でも、前世が蘇った今ならば血縁にある優秀な子どもを教育して後継者にしてもいいのでは、と思っているの」

 ユリウスとは両家に利益があっての婚約だったが、グラス伯爵家は政略結婚をしなくても揺るぎない力がある。一生懸命に両親を説得すればきっと了承してもらえる勝算はあるのだ。今世の両親は、私の幸福を第一に考えてくれているのだから。

「グラス伯爵家の娘として、領地経営の仕事を精一杯がんばるわ。そして両親と3人でいっしょに暮らしつつ、ずっとグレンハルトを好きでいたい」


 グレンハルトはきつく目を閉じた。次に目を開いた時には目の色は輝く海の色に戻っていて、その青い双眸で私を見つめた。  


「……自分の覚悟のなさが恥ずかしい……」

 グレンハルトが喉の奥から声を絞り出す。

「俺は、俺の妻となったルルティーナが人々から後ろ指を指されて傷つくことが怖くて……自分の心からもルルティーナの愛からも逃げてしまった。なのにルルティーナは、こんな俺でも愛してくれて……」


「ルルティーナ、俺は……、俺が……、愛している、と言っても」

 グレンハルトの双眸が潤む。青い瞳から一粒、涙がこぼれた。

「闇夜の住人の俺が、言ってもいいのだろうか……?」


「真っ暗な闇夜でも、星がひとつ小さくても輝いていれば星空になるわ。月が出ていれば月夜に。星も月もなければ私が蝋燭を灯すわ。もし、もしも、グレンハルトが私のことを愛しいと言ってくれるのなら、私はそれだけで世界一幸せになれる」


「ルルティーナだけだ、そんなことを言ってくれるのは……。幼少期から誰もが俺と一線を引いていたのに、ルルティーナだけが俺と手を繋いで、俺に抱きついてくれて、決して俺を厭うことも忌むこともなかった」


 グレンハルトは身を震わせて想いの丈を吐き出す。頬を水滴が滑る。拭うこともせず、グレンハルトが繋いだ手を引いて私の指先にキスをした。


「誓う。ルルティーナを守ると誓うから、言わせて。愛している。ずっとルルティーナのことが好きだった」


 好き。告げられた言葉に鼓動が跳ねる。心臓が苦しくなって私は胸をおさえた。涙があふれる。


「本当は、ずっとずっと、好きだったんだ……っ!」


 グレンハルトがぼろぼろと涙を落とす。


「やっと言えた、ようやっと言うことができる。ルルティーナ、愛している。俺の綺麗な赤い花」


「私も。私も、ずっと、グレンハルトが好き。愛しているわ。目の前にグレンハルトがいてくれるだけで私は幸せ。私は永遠に幸せなの」


 グレンハルトが自分の涙ではなく私の涙を、指の腹で宝物を撫でるように丁寧に拭ってくれる。心底嬉しそうに笑うグレンハルトと、お互いに泣きながら告白し合った。


「ルルティーナに前世があったならば来世もあるのかも。今世は生涯隣にいて、魂となっても愛を誓うよ。死を越えて魂を地上に留めて共に天に召された王子のように。そして来世も俺と手を繋いでくれる?」


「いきなり独占欲全開になったわね、グレンハルトったら」


「……ルルティーナを愛してはいけないと我慢をしていたから、愛してもいいのだと思ったら枷が外れてしまったようだ、ごめん、こんな俺で……」


「ううん、私はどんなグレンハルトでも好きよ」


「ルルティーナが可愛すぎて心臓が痛いよ。本当に動悸がする、俺、ルルティーナの可愛さに殺されそうだ」


 まるで夢を見ているように幸せで、二人で笑い合う。


 心があたたかく灯る。もう、何処も痛くない。

 前世でひび割れた心が今世の両親からの愛情で修復されて、グレンハルトの愛によって幸福に染まった。


 グレンハルトの青い海の双眸に、赤い花のひとひらの花びらのように私が浮かぶ。


 天の簪のような星々と満開に咲く花のような月が夜空に輝き、星影と月影と、恋人として初めて手を取り合う私とグレンハルトの二人の影を地上に長く伸ばして重ねたのであった。

読んでくださりありがとうございました。




【お知らせ】

「10年後に救われるモブですが、10年間も虐げられるなんて嫌なので今すぐ逃げ出します ーバタフライエフェクトー」がナナイロコミック様よりコミカライズされます。

第一回目の連載開始日は、8月7日です。

作画は、青園かずみ先生です。

いやすぎる、とつぶやくリリージェンの顔が本当に嫌そうで可愛いので、どうぞよろしくお願いいたします。

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[良い点] 呪いの歌に儀式笑った反面、そんなものに縋らなければならない程追い詰められていた前世のルルティーナに切なさを覚えました 前世で彼女を踏みつけにした連中にも相応の報いがあるといいなぁ。
[気になる点] 主人公がユリウスの後を追っかけていたのって記憶が戻る前の普通の子供の精神してた時だし、婚約者がいる身でありながら派手な女遊びを繰り返していたユリウスとの関係をどうにかしようと行動してい…
[一言] 現代にいじめが蔓延ってるのって少年法の影響もあるんやろうなあ・・・謝って終わるなら警察いらねえやんってなる
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