出会い①
まず、私と彼の出会いから書いていこうと思う。
そもそも、仕事に明け暮れ、地方に少し綺麗なマンションを借り、独身貴族を謳歌していたアラサー女が、韓国人の大学生と出会う確率なんて、公園の砂場からダイヤを見つけるような確率だと思う。
元彼に浮気されて東京から地方に引っ越してから3年間、嫌な思い出を忘れるためにほぼ休みなしで働き続けた。
うちの職場はいわゆるブラック飲食店で、みんな仲はいいものの、家に帰れるのは8時間だけ。その間にシャワー、食事、睡眠、家事、出勤準備を終わらせなければならないという生活を3年続けた。
その結果、3年目の秋、私は重度のうつ病になった。
もちろん原因は職場だけではない。家庭環境や私の性格、いろんな要素が絡まり合ってそこまできてしまったらしい。
医者からは、仕事を休んで治療に専念することを勧められた。まあ、そもそも働ける状態になかったから、休まざるをえなかったのだ。
薬も何度か変わって、少し安定してきたころには、人と話さなかったからか、外に出ることが難しくなっていた。
それでも、長く穴を開けてしまったお店に申し訳ないという気持ちが抑えられず、11月には出勤を再開してしまったのだ。
もちろん1週間と持たずに心は再び崩壊し、また家から出られなくなってしまった。
その頃に友人に勧められて始めたのが、PCゲームだった。
顔を合わせなければ。人と話すことができた。
ゲーム内VCという機能を使えば、いろんな人と話すことができた。
それが嬉しくて、私はのめり込んでいった。